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long novel
9

夢にまで弘樹が出てくるなんて…




俺は…





「…でね、明後日検査するんだって。…ねぇ聞いてる?」

「あ、悪い…。ちょっと考えごとしてて。」


俺がそう言うと蜜樹は目を伏せて黙り込んでしまった。


「…蜜樹?」

「忍、いつもはちゃんと聞いてくれるのに今日は、何だかずっとボーッとしてばかりだね…。」

「………。」

長い沈黙の後、蜜樹が口を開いた。

「何かあった?それは僕に言えないこと?」

顔をあげて視線を俺に向け、問いかけてくる。

「俺は…。」






自分がわからない




男同士なのに、



親友なのに、




…好き。




普通じゃ、ない



「…っ。」

こんなことを話したら蜜樹は俺を軽蔑するだろうか?

そんな考えが頭に浮かび、出かけていた言葉を飲み込んだ。

蜜樹に心配させたくない。
そう思う気持ちから、俺は蜜樹に嘘をついた。


「…ほら、もうすぐテストだからさ。」

弘樹に向けたときと同じ作り笑顔で蜜樹に答える。




「…そう。」



一言だけ言うと、蜜樹は俺に背を向けてベットに潜り込んでしまった。


「なんか疲れちゃった。もう帰っていいよ…。」


「…わかった。それじゃまた明日。風邪ひかないようにあったかくしとけよ。」

仕方なく病室を後にする。



家に帰ると、リビングのソファーで誠がうたた寝をしていた。

「…ったくしょーがねぇ奴だな。」

小さな溜め息をつきながら押し入れにあったタオルケットを誠にかけてやった。
すると、

「…ん…。…ぁれ?兄ちゃん?早いね。」

目をこすり、俺を見上げる誠。

「ちょっとな。留守番ご苦労さん。」

「この位どうって事ないよ!」

ニコっと笑って答える誠にさんきゅ、とお礼の言葉を言い、部屋へと戻った。

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