短編 
あけおめ企画(青灰)
「(サタンー、あけおめー)」
『あぁ?』


青と灰
Part×


「(あけおめー)」

『なんだ、その“あけおめ”って』

「(…あ。虚無界には、年明けってないのか)」
『?なんだ、そりゃ』

「(んと。
 物質界には一日、一週間、一ヶ月、一年って括りがあるんだよ。
 で、一年を過ぎると年明け。おめでたい日になるわけ)」

『ほぉ』

「(年が明けると
 “明けましておめでとう”
 って祝うんだ。で。今がその年明けなわけ)」

『あぁ。“明けましておめでとう”の略で“あけおめ”か』
「(そういうこと!なので、あけおめー!)」

『おぉ、あけおめー』

「(………)」

『なんだよ?』

「(サタンがあけおめって何かキモいな)」

『てめっ、言わせおいてなんだそりゃ!!』
「(あははは!)」
『笑ってんじゃねぇ!』
「(いや、笑うのは良いことなんだぞー。ぷぷっ…)」
『お前なぁ…』

「(さてと。行くか)」
『ん?』
「(年明けしたから、初詣に行くよ)」
『こんな時間にか?』

00時05分

「(こんな時間だからだよ)」
『ふーん?』
「(新年の挨拶を神様にして、今年はこんな年にしたいって報告するんだ)」
『神様?なら今しろよ』
「(は?なんで?)」

『俺様、魔神だからな。神様だぜ?』


「(…あ)」


そういえば。

『ほら、お前はどんな年にするんだよ』

「(…。また来年も、こうやって笑ってられる年にする)」
『そうか』
「(という訳で、よろしく。サタン)」
『おう』





―あとがき―
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

相変わらずの二人をよろしくお願いします。



***


『で?なんで初詣来たんだよ』
「(甘酒、飲みたかったから)」
『…甘いの好きだな』
「(甘いものは世界を幸せにするんだぜ?)」
『あー、そうかい』
「(体貸してやるから、サタンも甘酒飲めー)」
『お前、本当に俺様のこと信用しすぎだろ?!』
「(だってサタンだし!)」

『…』

「(照れた照れた!)」
『うるせー!』


END

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あきゅろす。
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