長編 
6-美人とオッサン

ワオ。どうしてゴンがいるのかな?

ちょっと驚きだよ。


Euphorbia milii
―美人とオッサン―


「ゴン!」
「キルア!それにカインも!」
見つけた黒髪に驚きながらも、キルアが嬉々とゴンに声をかけた。
カインはただただ目を見開いて、苦笑いを浮かべる。
「まさか戻ってくるとはね…」
「ほんと、どうやったんだよ?絶対無理だと思ったぜ」

「あ、それはね」



「「はぁ?!香水の匂いを辿ったぁ?!」」
あ、ありえん…。
「ほんとは犬だろ、お前」
「野性児過ぎる…」
キルアとカインが別々に感想を述べると、ゴンはそうかな?と首を傾げていた。

「ところでさ。そこのオッサン、顔平気なの?あれ…」
片頬が腫れ上がったオッサンを指差し、ゴンに尋ねると、少し苦笑いを含めた曖昧な返事が返ってきた。

ふぅむ…無事じゃないみたいだな。

「おい、お前!年上に向かってオッサンってなんだよ。礼儀がなってねぇな」
「レオリオ!」
オッサンの暴言に、隣にいた金髪のお姉さんが咎めるように名前を叫んだ。

俺に言ったんだよね?
礼儀か、礼儀ねぇ…。

カインはスッと背筋を伸ばし、頭を下げた。
「大変失礼いたしました。改めまして、私、カインと申します。お怪我の具合は如何ですか?」

目指したのは、あくまで執事。

「お…おう、大丈夫だ」
目を丸くして頷いたオッサンは、バツが悪そうに目を反らした。
隣で同じように目を丸くしていた金髪さんは、ハッと我に返り、カインに頭を下げる。
「カインさん、すまない。このバカが…」
「バカって、なんだよ!」
「バカだからバカと言っている。初対面の相手にお前は…」

ふふ、何か彼氏彼女みたい。
…恋人…、うーん、ただの連れ、かな?

「あの…よろしければ、お二人のお名前、お聞かせ願えませんか?」
キャンキャンと騒いでいる二人の会話にムリヤリ割り込み、カインはにっこりと笑みを浮かべた。

「私はクラピカ。このバカはレオリオといいます」
「おい!」
「クラピカさんにレオリオさん、ですね。私のことは是非呼び捨てになさって下さい」
「私とこのバカの事も呼び捨てで構いません。…出来れば、普通の喋り方に戻してくれませんか?」
完全にレオリオを無視した形で、クラピカは話を進めていく。

んー?良いのかな?

「宜しいので?」
「えぇ。…良いよな?レオリオ」
「あ、あぁ」
クラピカの剣幕に押され、レオリオはコクコクと頷いた。

んじゃ、お構いなく。

「でわでわ、改めてよろしく。クラピカ、レオリオ」

ふふ、面白い人達だ。

「ね、クラピカ」
「何だ?」

凄い聞きたいのだけど。

「レオリオとは恋人なわけ?それともただの連れ?」
「……。…私は男だよ、カイン…」
「…え?!」

お、男?!
女の人じゃないの?!

カインへの衝撃は激しく、ただただ目を見開き、クラピカを凝視した。
その様子を横で見ていたレオリオは、堪らず噴き出した。
「あはははっ!!カイン、お前っクラピカが女だと思ったのかよ!」

「…だって、こんな美人さんが男なんて勿体ないっ!
 世の中の女性が可哀相だ!

「あはははははっ!!」
「カイン…」

うちの一家も美形が揃ってるっていうけど、クラピカはそれ以上だよ!

「だって…髪伸ばせば女性じゃん!」
「カイン、もう喋るな」

「…ゴメンナサイ」

クラピカ、怖いよっ!
顔マジだし!

不二周助みたいだ!(=腹黒)


「自己紹介は終わったわけ?」
「あ、キルア」
振り返れば、キルアとゴンが佇んでいた。

…そういや、途中からいなかったよな。

その間に会場でも視察したのだろう。
ゴン達はその様子を二人に話し始めた。

まぁ、俺はさっきキルアと見てきたから、12時にならんと始まらないのは知ってるんだけどね。
会場に鳴り響くこの音がなんなのかは、まだ何なのか分からないけど。

「凄い音だよね」
ゴンの感嘆に一つ頷くものの、カインは首を捻る。
「獣にしちゃ規則正し過ぎるしなぁ…。イビキとかか?」
「これは人間の出せる音じゃねーだろ」
キルアのツッコミはもっともで、『だよなぁ』とカインは頭を掻いた。

でも、獣っぽい感じはしないんだよな。
どちらかと言えば人間。

人間…?





Dear シルバ
凄い美人さんと知り合いになれたよ。
でも、男の人なんだって。
嘘かもしれないけど。
そうだったら、それなりの理由があるんだろうな。

…いつか確かめてみようと思う。







―あとがき―
やっとクラピカ達と知り合えた!
そして誤解を解けた!…のか?


↓作中使用
黒執事
テニプリ(中の人ネタ、サーセン☆)
※◯ジテレビの頃のネタです。
今の放映を見ている方は分からないかもしれません!ご了承ください。




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あきゅろす。
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