長編 
38-ククルーマウンテン

「ここが、ククルーマウンテン。ゾルディックの家がある場所。
まぁ、見ての通りの観光地だね」


Euphorbia milii
ーククルーマウンテンー


三人にそう説明しても、三人は少しポカンとしている。

「…暗殺一家といっても、家の場所は隠してないし、完全に観光地になってるんだよ」
だから、イルミはあんなに簡単に家の場所を教えた。

周りを見渡し、人の良さそうな人を探す。

「あ、すいません。観光バスってどこから出てますか?」
店番をしているおばさんに笑顔でそう訪ねた。

おばさんは俺達の出で立ちを見て、少し眉を潜めたあと、あそこから出ていると教えてくれた。
「あんたたちも命が欲しかったら、妙な考えはおよしよ」
「あはは。心配には及びませんよ。
 ケンカを売りにいくわけじゃありませんから」

俺は、ね。
三人はどうか知らないけど。

「さて。とりあえず、あのバスに乗ろう」

俺だったら走った方が早いけど、そういう訳にはいかない。

「でもよ、俺達は、観光にきたわけじゃ…」
「良いから良いから。
 …あれが、一番分かりやすいと思うから」
レオリオの言葉を遮り、カインはその背を押した。



***



4人がバスに乗り込み、席についたところでバスは動き出した。
日に一本、この地域特有の観光バス。
その名も…

「本日は号泣観光バスを御利用いただき、誠にありがとうございます」

凄いネーミングだよな。
家から出て初めて知ったけど、まさか我が家への直通バスがあるとは…。

「早速ですが、デントラ地区が生んだ暗殺一族の紹介をしていきましょう」

ガイドさんはククルーマウンテンへ手を向けた。

「あちらが悪名高いゾルディック家の棲むククルーマウンテンです。
 樹海に囲まれた、標高3722mの死火山のどこかに彼らの屋敷があると言われていますが、誰も見た者はいません」

うーん。別に隠れたりしてないんだけど…。
出生届も普通に出してるしなぁ。

「家族構成は曾祖父、祖父、祖母、叔父、父、母、その下に5人の兄弟がいて、11人家族になります」


え…?


叔父?


…俺の死亡届け、出してなかったのか…?
叔父って、俺のこと…だよな?


「見ろよ」

レオリオの声に、ハッと意識を戻す。

「普通の観光客に混じって、明らかにカタギじゃねー ような奴らが乗ってるぜ」

ワオ。
すっごく弱そうだけど、大丈夫なのかな??
うちの門…かなり重いけど。

クラピカは弱そうな彼らから視線をこちらに戻し、
「ゾルディックの顔写真にさえ、賞金かかっているという話もあるからな。その賞金目的だろう」

「え?そうなの?」
「マジか!畜生、写真撮っておけばよかったぜ」

賞金って…俺も?
いやー微妙なラインだろうな…。

ん?
誰も顔知らないのに、どうやって本物とか見分けるんだ…??
どっかの機関が顔写真とか管理してるのかな?

となると、わたあめ食べてる写真とか撮られてたら、50ベリーになってしまうかもしれないなぁ。

って、そんなわけないか。






ーあとがきー
ククルーマウンテン到着!
もうすぐ我が家ですねww←

捕捉。
観光バスをE主が知ったのは、最近になります。
30年前は外の世界に興味が無かったので。

出生届や死亡届けについて。
これだけ家族構成が割れているところから、届け出はきちんと出しているのだろう。と。
そう思っているので、その様な設定にw

顔写真については、管理人が本気で疑問に思ってたことです。


作中使用↓
ワンピース





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