長編 
25-交渉

見上げた視線の先には、
ハゲ頭の忍がいた。


Euphorbia milii
―交渉―


あぁ。

「ハゲゾー」

俺の言葉に忍は軽くコケた。
「違ぇ!なんか惜しいが、違う!!」

あるぇ?
違ったか?いや、合ってるよ。

「自己完結させんな!本人が言ってんだから、合ってるわけないだろ!
俺の名前はハンゾーだ!

「………ハゲゾーのがわかりやすい」

「そういう問題じゃねぇ!」

そう叫んだハゲゾーもといハンゾーは、深々とため息を吐いた。
カインも小さく息を吐くと、鋭い光を瞳に宿し、ハンゾーに向き直った。

「で、何の用だ?」
「…。あんたの持ってる札を寄越してもらいたい」
「…ふーん。嫌だと言ったら?」
「力ずくで奪わせてもらう」
スッと手に構えた凶器を見て、ふふ、とカインは笑う。


「ハンゾーの持ってる札と交換」

「は?」
ハンゾーが少し刃先を落として、目を見開いている。

「だから、君の持ってる札と交換」
「俺の…か?」
「ん?
 …あぁ、違うよ。ハンゾーの持ってる余分な札の方」

ハンゾーの札じゃなく。
ハンゾーの持ってる札。

「…」

「なんか勘ぐってるね。
 君は君の余計な札と必要な札の交換。これで6点。
 俺はどちらの札も1点にしかならないから。結局6点。
大団円だろう?」

ハンゾーもキルアも目を見開いて、俺を凝視している。

え、何さ?

「何であんたが、俺の持ってる札やら狙ってる札を知ってる?」

あんたの札をよこせとしか言ってないのに。

そう続けたハンゾーに、カインはあぁ、と得心した。

「だって、君の実力なら、その辺の輩には負けないから、君は自身の札を持ってるだろ?
 んで。
 三兄弟について来たってことは、その人間がターゲット。
 キルアの投げた札に君は反応してそれを取りに行った。でも違ったから戻って来た。
 ということは、俺がもらった札が君のターゲット。

 違うかい?」

「…俺の行動まで…」

驚愕するハンゾーにカインは、ふふと笑う。

「で?なるべくなら俺は戦いたくない。だから平和的交渉だ。ダメかな?」

「…。その交渉、乗った」

「よし」

カインはすぐに札をハンゾーに投げ渡し、ハンゾーもカインに札を投げた。

ハンゾーはカインの顔をまじまじと見つめ、渋い顔をした。

「やっぱり、あんたとは戦いたくねーな」「?それは褒め言葉として受け取っておくよ」

「…あんた、名前は?」

「カイン。よろしくな、ハンゾー」
「おう。生き残れ…と言わなくても、あんたは残るか。
 じゃぁ、4次試験でな。カイン」

そして、ハンゾーは森に消えた。

「熱い忍だねぇ」
ふふ、とカインは笑う。
うん、リーとかガイ先生とかに通ずるものが…あるか?

「なんで、札渡したの?」
「…え?」
自問自答に浸っていたが故に反応が遅れた。

「交渉に乗ったって確かに言ったけど、嘘かもしれないじゃん。逃げられたらどうすんだよ」
「逃げないよ。ハンゾーはそういう事はしない。掠め取るつもりなら、始めから声なんてかけやしない。だろ?」
「…まぁな」

でも、ま。
逃げたら、ころs……捕まえたけど。

「で、キルア」
「ん?」
「お互い6点集まったわけだが。この後どうする?」

俺もキルアも、狙ってた奴はやっつけたわけで。
突発的な奇襲以外は気にする必要はないから…。

残りの日数、暇な時間だな。

「…歩くか?」
「そうだな。出口付近で待っとこうか」


キルアと二人でランデブー♪


「だから、口に出てるっての!!」




Dear みんな
俺とキルアは6点集まった。
三人がどこでどうしてるかは、分からないけど…。
先に出口付近にいるから、必ず来いよ。




―あとがき―
6点集まりましたー!良かった!
どう集めようか、本気で悩んだんですが、こんな形で(笑)



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NARUTO


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