長編
24-6点
さて。あと一点か。
Euphorbia milii
―6点―
「来てみた」
「はぁ?」
キルアにものすごくキョトーンな顔をされた。
「いや、キルア見つけたから、つい」
「意味分かんねぇから」
うん、だよなぁ。
みんなに会って、一応、個人的な目的は終わったわけで…。
ある意味、一番心配だったキルアを一目見ようと…。
「ま、つまりは、一緒に行動して良い?ってこと」
あの様子なら、ゴンは自分でなんとかするだろうし。
レオリオにはクラピカが付いてるから、大丈夫だろうし!
だって、夫婦だし?←違う
「…良い、けど」
そっぽを向いたキルアに、ふふ、とカインは微笑む。
やべー、可愛いー!
ちょっと危険な思考の俺のことなど、キルアは知るよしもな「口に出てるっつーの!」
「ふふ、冗談だよ。キルアは可愛いなぁ」
「マジで殴るよ?」
「ごめん」
キルアが怖いー。
「で?カインは何点集まったの?」
「5点。自分の3点と他人の2点」
「じゃぁ、あと1点か」
「うん。キルアは?」
「まだ全然」
その言葉に、キルアがそのままにしてる追跡者の事を疑問に思う。
「…ついて来てる奴、ずっと?」
「そ」
「キルアって案外辛抱強いね…俺、絶対ヤダ」
「なんだよ、案外って!」
「いやぁー、人は見かけによらないなぁ」
「カイン!」
「ふふ、ごめんごめん」
でも、言った通り。
俺だったら殴り倒しとく。
視線を感じるの好きじゃないし。
「お?なんか増えたね」
1人から3人…いや、4人に。
「だな。…倒しとくか」
「ファイト〜キルア!」
「…ザコに頑張るも何も…」
冷ややかな目を向けてくるキルアに手を振り、俺はその場に留まった。
キルアの言う通り、確かにザコだよ。
だから、この程度ならキルアにやらせても大丈夫ってな。
…ん。俺も大概過保護だな。
そういや、放任主義に見えてて、うちの家計って過保護が多いかもなぁ。
まぁ、じゃなかったら暗殺一家とか、そんな規模にはなってないか。
「あ、俺のターゲットと1番違い。ってことは、198って、あんたらのどっちか?」
…おや。キルアと対峙してるは、三兄弟じゃないか。
今気づいたよ。
この間はごめんな、次男坊。
「ウモリ、フォーメーションだ。こいつ、ただのガキじゃねぇ。本気で行く」
アモリの言葉に頷き、フォーメーションを作るも、キルアに歯が立つはずもなく、簡単にやられてしまった。
3人から札を回収したキルアは、1枚の札を右手に持った。
「カイン!この札やるよ」
と、カインに向かって札を投げた。
「え?良いのか?」
「うん。俺もう6点集まったし」
「あ、そっか。…んじゃ、遠慮なく」
まぁ、ここまで来たら、三兄弟の合格はほぼ無いし…。良いよな。
カインがボケットに入れるのを確認し、キルアはもう一枚を片手で弄んだ。
「んじゃ、こいつは…」
ビュン…と良い音をたて、その札は遥か彼方へと消えていった。
おお!遠くに投げたなぁ。
しかし。
俺、何もしないで6点集まっちゃったよ。
んーと、これって。
役得?
人徳?
わらしべ長者?
「わらしべ長者は違うだろ」
「だよなー。って、キルア。俺の心の声と会話するなよ」
「だったら口に出すなよ…」
キルアに呆れ顔をされ、つい笑ってしまった。
やっぱり、キルアかわい…「カイン?」
「ごめんなさい」
…呆然としてる三兄弟はそのままでも良いかな?
「おい!あんた!」
「「!」」
突如頭上から浴びせられた声に、俺とキルアは人影を見上げた。
―あとがき―
声をかけたのはもちろんあの人物です。
三兄弟ごめん。
結局…奪っちゃったーw
E主の存在には気づいてるようで気づいてない三兄弟。
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