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parallelu
3(ロックオンside)

刹那は此処で気を失うように寝ている。

まあ、血をあんだけ吸えばな………。
でもまさか刹那の血がこんなに美味かったとは………。
刹那を見たときから、俺の本能が刹那の血を吸いたいと思ってた。
だから取り引きとして刹那をおびき寄せた。
刹那の血は思ったよりも想像以上美味かった。
おかげで、腹が満足した。

「さてと、もうすぐ夜になる。そろそろ寒くなるから館へ帰ろうか……。」

俺は刹那を横抱きにし、館へ向かった。



************************

客人用の部屋に刹那を運び、刹那をベッドに寝かせた。
血を吸っていたせいか、身体がいつもよりも力がみなぎってる………。
おかげで刹那を此処まで運んでも身体は全く疲れてなかった。

「こんなに長く生きてるはずなのに、まだまだ元気だな。俺は………。元人間だったのになぁ……。」

俺は正直、今は何歳か忘れた。
そりゃ……、約200年も生きてるからな〜。
でも分かってることは外見年齢では24歳だ。
24歳の時、永遠の命に何故か俺が選ばれたため、不死身の吸血鬼になってしまった。
俺の唯一の肉親である双子の弟ライルも俺を残して逝ってしまった。

永遠の命は非常に皮肉なものだ。
人間が聞いたら永遠の命が欲しがる。
でも俺には理解できない。
だって死にたいときに死ねない………。
そう、俺の前で、次々と他人が死んでゆく。
それが嫌で、俺は100年間も寝ることにした。
世界が変われば良いって思ったが、今でも変わらない。
永遠の命が無くなる方法は………。
俺が認めた相手に与えることだ。
それが無くなれば、死ねる。
ただし、人間には戻れない。
俺の人生って所詮、そういうもの。
だから俺は俺の人生を変えてくれる人を待ってた。
そしてようやく見つけた………。
刹那………。
俺が不死身の吸血鬼である前に
俺は簡単に刹那を殺せる。
だから命は助けてやるって言ってたのに、
刹那はそれでも逃げなかった。
さらに恐怖なんてなく意志の強い赤い瞳が俺を見据えていたんだ。
それにゾクッと背中に走る。

「刹那………。もう俺から逃げられない。覚悟しろよ??」

刹那はまだ気を失ってるか無防備な顔をしている。

フッ、俺のために働いてもらう。
そう、刹那は俺にとって道具だ。
お前のいろんなこと、表情が知りたくなった。
俺が刹那の全てを暴いてやる。
俺の気が済むまで。

「さてと、俺もひと眠りするか………。」

これからが楽しみになってきたぜ。
刹那が俺の人生を変えてくれるのを。

そう思い、にやりと笑う。

此処にまだ気を失っている刹那を置いてその場を去った−。






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