parallelu
1(刹那side)
………道に迷ったのか。
チッ、こんなに深い森は初めてだ。
早く吸血鬼を殺さないといけないのに。
そして賞金をもらわなければならない………。
何故、こうなったというのは………。
数時間前に遡る。
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「刹那、任務があるよ。………その任務とは難しいけど。」
そう言ったのが情報屋のアレルヤ・ハプティズムだ。
「別に構わない。任務とはなんだ。」
「えっと、此処から10キロぐらいにある”死の森”といわれるところがあるよね。それを通ると、大きい館がある。」
”死の森”は聞いたことある。確か、入るともう出られないほど迷うっていう噂を聞いた。
アレルヤはそうだよ。と、そう言い、
「吸血鬼ハンターはまだ死にたくないって言ってるらしい。そのせいか任務を受けないみたい。……どうする??刹那。」
………引き受けるに決まってる。
「その任務の内容っていうのは。」
アレルヤはやっぱりっていう表情を出し、
「任務を引き受けるんだね……。刹那のことだから引き受けると思ってたよ。………”永遠の命”を持つ伝説の吸血鬼って知ってる???」
“永遠の命”だと……。
それって不死身といわれる吸血鬼か。
普通は心臓に杭を打ち込むと死ぬ吸血鬼だが、
永遠の命を持つ吸血鬼は心臓に杭を打ち込まれても死ねないっていう……。
「うん、刹那の思ってることは当たってるよ。その吸血鬼が一週間前から目覚めたらしい。」
………っ!????
一週間前から目覚めただと………。
「その吸血鬼はやばいよ。攻撃すると必ず血を吸われる。………力が強すぎて、相手は暴れるほど死んでゆく。だから危険な任務だといわれる。」
危険でも構わない。強いものを倒すほどあいつに近づける。
だからこそ。そう
俺の姉さんをかつて殺した吸血鬼を。
「承知した。今から行く。」
アレルヤは悲しそうな表情を出し、
「マリナさんもこんなこと望んでないよ。刹那に幸せになって欲しいんだよ。勿論、ティエリアだってそう望んでる。僕も。」
そんなこと分かってる。
だが、俺が復讐することによって俺が生きる意味をくれた。
たとえ、命が朽ちても吸血鬼を倒さなければならない。
「………そう、やっぱり刹那は行くんだよね。分かった。もう止めないよ。」
その言葉に頷いた俺はその場を去った。
姉さんの形見……ペンダントを持って。
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