初体験
「白石…ええよな…」
「謙也…」
約180cmの男2人が、ベットの上に向かい合わせで正座している。
なんとも滑稽な光景だ。
まあ、単純に言うと俺たちは今日、初体験と言うものを迎えるのだ。
付き合って3ヵ月、どちらとも手を出さない状態であったが、今日、俺の家に誰もいないことを機に、ことを及ぼうとしているのだ。
白石も薄々気づいていたのか、2人の間には何度か沈黙が流れた。
そして、飯も食べ風呂に入った、万全の俺たちはベットの上に正座しているという訳だ。
そして最初に口を開いた俺は、ええよな…、と言ったのは良いものの、体が強ばって動かない。
そんな、情けない状態の俺に白石が心配そうな声色で話しかけてきた。
「謙也…?」
「…なななん!?」
「また今度でええで?」
「アカン!!」
ドンッ
勢いで白石を倒した、白石はきょとんとした顔で俺を見ていた。
「しし…しらいし…!!」
最後の方は声が裏返ってしまったが、今はそんなこと関係ない。
白石に跨がり自分の唇を押し付けるようなキスをした。
いつものキスよりかは全然気持ちの良いものでは無かったが、俺にはそんな余裕が無かった。
Yシャツのボタンを一個一個外し、白石の胸板にキスを落としていく、しかし、白石は余り気持ちが良さそうでは無かった。
一度手を止め状態を起こし、ベットに押し倒されている白石を見た。
「……白石、気持ちよう無い?」
「えっ?あー…いやっその…」
白石は困ったように眉を下げた。
「なん?」
「…俺、なんで下なん?」
「えっ…?」
そう聞かれると、俺は何も返せなかった。
だって、俺は自分が上で白石が下と勝手に決めつけていたからだ。
「自然の摂理…?」
良くわからない返答をすると、自分の下に組み敷かれている男は、不満そうな顔をした。
「謙也、やり方わかるん?」
「やややり方…!?」
「せや」
そんなこといきなり言われても、と思ったが、正直言って何をしたら良いのか分からない。
「気持ち良くする…?」
「どうやって」
「えっ…と」
「はいブーッ」
よいしょ、という白石の声と共に視界が反転した。
下に組み敷かれていた白石が今、俺を見下ろしている。俺が組み敷かれたのだ。
「ちょ、ちょまちいや白石!!」
「なんや?」
「なんで俺、下やねん!!」
先程、白石が聞いてきた質問と同じことを聞くと、白石はニコリと笑って答えた。
「俺、攻め以外考えられへんもん」
「…攻め?」
「せや、ちなみに謙也は受けや」
「受け…」
「まあ、意味は後で教えちゃるわ。俺、もう我慢効かへんから」
「まっ…!」
「すぐに気持ちようなるから」
耳元でそう告げられたとき、俺はもう終わったのだと感じた。
えんど
反省会
ネタですよ!
まあ、蔵謙の初めてはこんな感じかなという妄想
謙也が1人で突っ走るかんじです、さすがスピードスター。
謙也さんはこの後白石さんにおいしく頂かれました。
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