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名前で呼んでよ!―28―



『名前で呼んで』


唐突過ぎたかもしれない、目の前の恋人──柳生比呂士は固まっている。


「ど…どうしたんですか、いきなり…」


「呼んで」


「………」


返答無し。
これは否定と言うわけではない、こういうときは、大抵迷っているときだ。
もう一押しすれば、呼んでくれる。俺には自信があった。なぜならこれがいつものパターンだから。


「ヒロシ…」


耳元でいつもより甘い声で囁いてやると、柳生は顔を赤らめた。


「なあ…呼んで?」


柳生は決心をし唾をごくりと呑み込み、息を吸った。
そして、ゆっくりと口が開かれた。


「ま…まさはる……くん…」


ああ、やっと呼んでくれた。
蚊の鳴くような声で発せられた俺の名前。
それだけで、俺は充分満たされた。


「ヒロシさんヒロシさん、好きって言って」


「っな!?それは…ちょっと…」


恥ずかしいですと、か細い声になっていく。
ああ、これはダメかもしれないな。まあ、今日は名前を呼んでもらえただけで充分収穫があったということにしておこう。


「に…仁王くん!!」


突然大きな声で名前を呼ばれた。
(てか…名字呼びに戻っちょるし…)


「なん?」


「仁王くん、愛してます」


少し勝ち誇ったように笑う紳士。
ああ、やられた…


「不意打ちじゃ…」


不覚にも顔が赤くなる。


(ホント…どっちが詐欺師なんじゃろな)










END




○o。..。o○反省会○o。..。o○
やっちまったぜ\(^o^)/
28大好きです
クソ甘いですね、すみません!
でも後悔はしていない←














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あきゅろす。
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