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カナヅチ
水着



放課後、2人ではしゃぎながらプールに向かう。


早く涼稀先輩に会いたいだとか、プールに入りたいだとか話していた。


屋内プールはやっぱり暑くて早く入りたいと思った。


屋内といってもそんな立派なモノじゃなくて、農作業に使うあのハウスみたいな屋根だから日光が照り付ける。


日に焼けたくないなんて思ってもそれは不可能に近い。


「瑞葉!スクール水着しかないの!?」


女子更衣室で着替えていたら茜に言われた。


「え?茜はこれじゃないの?」


もちろん茜もスクール水着だと思っていたが、紺と赤のデザインの水着を見た瞬間違うと分かった。


「競泳用のほうが泳ぎ易いしね。瑞葉もいつかは買いなよー!」


茜の着ていた水着は背中が大きく空いていて、ピチッとしている。


確かに泳ぎやすそうな気もする。


でもあたしみたいなカナヅチが泳げるようになるのか分からないのに、水着を買う必要や機会はあるのだろうか。



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