カナヅチ 優実ちゃん 次の日教室に入って茜を探してたら、見知らぬ女子と話してた。 少し声をかけにくかったけど、ここで声をかけないのも変だからいつも通りを装って挨拶をした。 「おはよう!」 「あ、瑞葉!おはよう!」 茜と話してた女子もあたしに気付いたのか小さく微笑んだ。 「おはよう。あの、帆柁瑞葉です」 「あ、えと栗栖優実(くりす ゆうみ)です」 優実ちゃんは名前の通りめちゃめちゃ優しそうな子だった。 髪はボブで身長は低め、仕草も女の子らしくて可愛いらしい。 茜は姉御肌で、凛々しい顔つきをしてる。 髪は茶ロングで軽くウェーブがかっているけど、本人は邪魔くさいからと大抵おだんごにしている。 それに比べてあたしはセミロングの黒髪ストレート、顔もパッとしなくて正直どこにでもいそうな女子高生だ。 優実ちゃんは、またねと言って他のとこに行った。 「へー、あんな妹みたいに可愛い子同じクラスにいたんだ」 「瑞葉あんた親父くさい発言はやめなさいよ」 先生が教室に入ってきたからこの話はここで打ち切りになった。 [←][→] |