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カナヅチ
ざわめき

んー、やっぱり分かんない……ただ時間が過ぎていくだけで、意味がない気がする。


学校の図書室にはちらほらとテスト勉強する人がいた。あたしもその中の1人。


家に帰ったら親があれこれと煩いから、今日から放課後は図書室で勉強することにした。


あたしがうーんとうなっていたら周りが少しざわつく。そして背後から名前を呼ぶ声が聞こえた。




「瑞葉何してんだ?」


あぁ、涼稀先輩だなとすぐに分かった。1つは聞き慣れた声。もう1つは周りのざわめく雰囲気。涼稀先輩の噂をしているんだなと思った。


「あ、涼稀先輩こんにちは。ちょっと勉強しようと思って……」


「瑞葉は頑張り屋だな。俺で良かったら勉強見てやるよ」


ポンと先輩があたしの頭に手を乗せる。他意がないことは分かってるけど、周りの子の視線が痛い。


けど先輩が勉強を教えてくれるなんて、こんないいチャンスは他にはない。わき目を振ってる場合じゃない。


「本当ですか!?ありがとうございます!」


すぐさま返事をして、教科書とノートを開いた。




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