カナヅチ 乾杯 今日の部活はあたしのやる気を駆り立てるものになった。25m泳ぎきったあとは、とにかく慣れる為に泳いだ。 まだ25m泳げない時もあった。さっき泳げたのは、ほどよい緊張のおかげだったかもしれない。 「瑞葉が25m泳いだことに乾杯!」 「かんぱーい!」 「ありがとう!」 あたし達3人は1年のクラスで、涼稀先輩が奢ってくれた紙パックのジュースを持ってお祝いした。部員が少ないとそれはそれでいいかもしれない。 「瑞葉、よくやったな。明日からも頑張ろうな」 「はい!やる気満々です!」 今までやる気なんて全然なかったのに、今は泳ぐことがこんなにも楽しい。こんなあたしでも泳げるようになったのが嬉しい。 ささやかなお祝いパーティを開いてくれた水泳部の人たちと一緒に、もっと頑張りたいと思う。 あたしにも執着するモノができた。部活が楽しみでしょうがない。 「茜なんてすぐに追い越してやるー!」 「そんな生意気なこと言っていいと思ってんのー?あたしに勝とうなんて不可能だから!」 「2人ともやる気あって嬉しいな!」 水泳部の人たちが大好き。色々ありがとうね。 [←] |