カナヅチ
初のサボり
毎日毎日毎日同じことの繰り返し。
日に日に涼稀先輩は厳しくなって、段々嫌気が差してきた。
これから部活に行くって時にあたしは帰る支度をした。
「あたし今日部活サボる!」
「は?瑞葉なに言ってんの?」
そう言われるのは分かってながらも、茜に愚痴を零した。
「だいたい泳げない人が水泳部に入るなんて無理だよ!涼稀先輩もたまにあたしを見て溜め息吐いたりしてさ……」
「誰だって始めは辛いって!だから」
「ごめんね。でも今日は休みたいんだ……じゃあね!」
あたしは逃げるように学校を出た。涼稀先輩と茜に申し訳ない気がした。
学校を出て数分、見慣れたツンツン頭が本屋で立ち読みしてるのが見えた。
「あ、やっち…」
「ん、おう。今日は部活ねぇのか?」
「まぁ……そんな感じ」
やっちは訝しげな目でこっちを見た。そして何か考えた後、口を開いた。
「お前、この前の借り返せよ」
「え……」
あぁ、この前一緒に帰った時の話かと気付いた。
「マック行くぞ」
「ひゃ…っ」
急に腕を引っ張られて転びそうになる。それでも懸命に着いていった。
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