猶予1週間
意地悪
「佐……野く……?」
頭の思考が追いつかない。
徐々に顔が近付く。
「センセ…していい?」
していい?
何を?
……ってキス!?
「え……」
びっくりして固まることしかできないあたし。
拒むこともできない。
いや…しても…いいかも。
「やっぱ、やーめた!!」
佐野くんはぱっと顎から手を離す。
「……っ!!!」
あたしがしてほしいような態度をとってしまって、なんだか腹立つ!!
顔は真っ赤で口をぱくぱくさせてるあたしを見て、佐野くんはまた意地悪そうに笑う。
「じゃーね、日野あかりセンセ」
日野くんは手をひらひらと振って化学室から出て行った。
…って、あたしの名前知ってる…?
自己紹介の時、ちゃんと聞いてたんだ……
少しだけ、本当にちょっとだけ嬉しくなった。
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