猶予1週間 化学室の恐怖 今日あたしが見た中では、佐野くんは1度も起きていなかった。 そんなに眠いのかな?やっぱり夜遊びとかしてるのかな? ……まあ、考えたって答えは出ないけど。 帰りのHRも終わり、1人化学室に向かう。 1人でここにいるのはちょっと怖いけど、ここで今日勉強したことをノートにまとめることにした。 ギィ…… 静かに扉が開く音が聞こえる。 幸か不幸か、扉から離れて背を向けていたので、姿は確認していない。 いや、したくない!! というかできない!! あたしは恐怖で鳥肌が立つ。 冷や汗まででてきて、心臓は今にも壊れんばかりに激しく動いていた。 え…え……、なんか近付いてくる!! やだーーーっ!! 「ねぇ」 声の主に肩を掴まれて思わず飛び上がってしまった。 「……………っ!!!」 声にならない音を出して振り向くと、そこには佐野くんの姿があった。 [←][→] |