猶予1週間
泣き顔なんて見せない
―――…
「…っセンセっ!!」
涙で前がよく見えてないのに、がむしゃらに走ってたあたしの腕が引かれた。
「や…っ!!佐野くんっ!!離してっ!!」
「嫌だ。…こっち来いよ」
もがいても離してくれない腕は、化学室まで引っ張られた。
あたしは佐野くんの顔も見ないでずっと下を向いていた。
別に言い訳なんていらない。
関係なんて何もない。
「センセ、こっち向いて」
「なんで?意味わかんない」
子どもみたいなこと言ってるって分かってるけど、泣いた顔なんて見せなくない。
「……あかり、俺を見て」
名前を呼ばれて怯む。
つい、佐野くんのほうを向いてしまった。
「先生なんだから、名前で呼ばないでよ!!」
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