はろー!シンビジューム
4
あの衝撃的な場面から数日、特にこれといった出来事がないまま過ぎていった。
そして今日は初の体育の授業。
つまり紺野との初めての共同作業。
まだ1度も話しすらしていなく、しかも紺野はいつも機嫌が悪いように見える。
望も人によく冷めてると言われるから、外見だけで判断するのは悪いなと思った。
「…………」
確かに外見だけで判断するのは悪いと思う。
思うけど、明らかに紺野は怒ってる気がする!
広い体育館で2人、黙々と授業で使うバスケの準備をしていた。
(な、何か話そうよー!)
望は口下手で話しかけることができない。
けれどこの気まずい沈黙より、自分から話しかけた方がましだと思った。
「あ、あの「あのさあ、」
まさかのタイミングで2人の声がかぶる。
もしかして向こうも何か話そうと考えていたのかな?
それにしても、この前といい今日といい、よく話すタイミングがかぶるなあ、と少し笑った。
「あ、お先にどうぞ」
「いや、お前の方が若干早かったし」
「別に対したことじゃなかったし、」
「俺の方がどうでもいいことだし」
「いや、私なんて話す内容決めてなかったし」
「じゃあ話すなよ!」
話が全く進まない上に何故か怒られた。
ちら、と紺野の方を見ると、なにやらバツの悪い顔をしていて、望にはなんだか可愛くみえてまた少し笑った。
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