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はろー!シンビジューム
2


体育委員にはなるし、あの怖がられている紺野と一緒の委員になるし、本当今日はおかしい。

テレビの占いでは『好きなことをしたらハッピーになります』だなんて書いていたのに。

というかよく考えてみたら、好きなことをしている時は誰だってハッピーなのでは?とその占いに八つ当たりした。


とりあえずは全く親しくない紺野と何らかのコンタクトを取っておいたほうがいい。

仲良くなれた暁には仕事を代わりにしてくれるかも…と腹黒い考えを頭によぎらせ、紺野に近づいた。

「あー……」

紺野の席の前に立ってみたものの、何を話せばいいか分からない。

ましてや下手なことを口走って怒らせるかもしれない。

そう思うと重かった口がますます動かなくなった。

(なんだこの状況……)

口を半開きにしたまま、何か喋ってよと紺野を見下げる望。

そしてそれを何事だと、じっと見上げる紺野。

2人の間に見つめ合ってるだなんて自覚はなく、互いに変な奴だと認識した。


「あ……っと、マサ、げ、元気?」

紺野の後ろの方に幼なじみの正憲(マサノリ)を見つけたので慌てて話しかけた。

明らかに不自然な態度に望は恥ずかしくなり、正憲の方へ向かう。

「のん、元気?っていきなりなんだよー!」

ケラケラと無邪気に笑う正憲に少しだけ安堵した。

「……急に気になっただけ」

「意味分かんねーし!」

正憲とは長い付き合いで、お互いに性格を知り尽くしてると思う。

望が本音をあまり言わないことも、そして正憲がそれを追求しないことも知ってる。

望はそんな正憲と一緒にいる時が1番落ち着ける時だった。

「!」

ポンポンと正憲が頭を軽く叩く。

望は顔を真っ赤にさせ、ギロリと正憲を睨んで素早く教室を出た。


(ひ、人前なのに、あんな……)

正憲のスキンシップは他意のないものだと分かっている。

それでも望には恥ずかしいことだった。



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