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小説「Actual Glass 2」
ディスペアー

うす暗い空間が広がっている

何をしていても
誰にも見られることのない
誰にも咎められることのない
”闇の部屋”と呼ばれる空間が、、

「やっと、追いついた」

弘之と肩を組んだ輝が言った

ピピピピ、ピッピッピッ

電子音が
暗くて見えない壁に反響して
どこからともなく
聞こえてくる

電子音に混じりながら
「あと5分で世界がリセットされ
正しく創りなおされる時が来る
長年私が待ち望んだ高校生のいない理想郷
お前たちにその瞬間を拝んでもらうために
ここに来てもらったのだよ」

という声が聞こえてくる

「どうしてだよ、、」

「何がだ?私は正しいことしかしていない
忌まわしき高校生をこの世から排除することに
よって世界を浄化しようとしているのだ」

「そんなの自己満足にすぎない
いますぐツァーリボンバの起爆を
解除しろ!!」

「いやだ、
我が息子を失った悲しみ
30年抱えてきた
この気持ちを晴らす時が
ついに来たのだ、神が私をご加護
してくださっているのだ
まして、
そいつらに救う価値などあるのか

お前にこの気持ちがわかるか」

アールは
我を忘れツァーリボンバの
起爆スイッチを押してしまった

「わかるよ」

輝は荒げた声を落ち着かせようと
震えた声でつづけた

「俺だって
絢さんを失ったし
今でもお前を殺してやりたいくらいだ」

「、、でも
復讐からは何も生まれない
復讐にとりつかれると
お前のように人生を棒に振ってしまう」

「だけど、ただ、、1つだけ
許せないことがある・・

それは、、
アールお前が実の娘を、
お前のことを思って改心させようと
奮闘していた浅田氷理を
なんのためらいもなく
射殺したことだ」

「・・どういうことだ?」

アールは落ち着きを取り戻し
輝に尋ねた

どうやら
浅田氷理との自分の関係を
しらなかったらしい


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