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小説「Actual Glass 2」
パスト

「今から20年前
そう私たちが小学校に
入学して間もないくらい

それくらい昔

舞台は住之江公園

キャストは
アール

その息子渚(なぎさ)
そして
皇北高校の大学受験生・・・」



キーコキーコ

錆びた酸化鉄と
赤く変色した鎖とが
こすれあう音がする

そらに登っていた太陽は
ビルとビルの隙間に
消えようとしていた

「もう、4時だよ渚
そろそろ帰る時間だ」

カラフルなブランコにのった
身長が幼稚園の年長さん
くらいの大きさで
坊主頭の少年
を押していた1人の男
がその少年に向かって
話しかけた

「えー
じゃぁ鉄棒して帰る」

だだをこねる
そういう年頃なのだろう

「しょうがないな
ちょっとだけだぞ」

男は少し怒ったように
それでいて楽しそうに
少年の手を引き
鉄棒まで連れて行った

「ぶたのまるやき!!」

少年が
両手で鉄棒にしがみつき
両足を鉄棒にからませている
ポーズで楽しそうに言った

「お すごいじゃないか」

そうして
すっかり日も暮れてしまい
そろそろ帰ろうと男が
そう思った時

ガシャン
近くにあったゴミ箱が
蹴飛ばされ
近くに空き缶やら
生ごみやら
とにかく汚いものが
散らばった

男と少年の前には
不良というのだろうか

髪の毛が金、茶、黒銀メッシュ

いかにもという感じの
人達がたっていた

胸ポケットには
鳳凰のマークがついている

皇北高校の校章だ



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あきゅろす。
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