小説「Actual Glass 2」
ダイアリー
今から
7年前の春
卒業式を終え
大学へ進学するもの
就職するもの
浪人するもの
それぞれの道へ
進んでゆかんとする
青年たちが
皇北高校から
ぞろぞろと
出て行くところだった
その中で
1人
逆方向の校舎へ
向かっている者がいた
彼女の名前は
森本跡亜
忘れ物を
してしまったのだ
「はぁ、はぁ
どうして
最後の最後で
やっちゃうかなぁ」
そう愚痴をもらしながら
走ることやく5分
3-4の教室の前に
到着した
跡亜がドアを
開けようとした時
なかから
誰かの泣声が
聞こえてきた
跡亜は
少し戸惑ったが
時間がなかったので
開けることにした
「おとうさ-」
ガラッ
ドアの向こうに
いたのは
浅田氷理だった
1人だけ
親が出席していない
子でもあった
跡亜の顔を見た
氷理は
驚いた様子で
口をパクパクさせながら
走り去っていった
跡亜がいたところに
日記のようなものが
落ちていた
多分
さっきのショックで
おとして行って
しまったのだろう
なんとなく跡亜は
日記を開いた
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