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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第二十七巻経過報告:04(サンプルあり)(2014/11/7)



恭文「というわけで、幕間第二十七巻の経過報告です。春香のせいでHELLSING路線が決定したわけですが」

春香「してないですよ! や、やり直しは利きます! 人はいつでもどこでも自分REST@RTです!」

恭文「春香は馬鹿だなぁ」

春香「あなたがそういう事言っていいんですか! 未来を信じましょうよ!」

恭文「そう、未来……でも今回お見せするのは過去の一幕です。ではどうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


東海道線に乗って彼女は、所属する765プロへ向かう。電車の発車時間は……午前六時一分。

あぁ、思い出すなぁ。俺もひと月前はこんな感じだった。

だからだろうか、さっきのコケ方を見て、妙な心配をしてしまう。だ、大丈夫だよな。


不安になりながらも一緒に電車へ。すると車内は人もまばら……そうそう、こういう感じだった。

これから都心へ向かうに連れて、車内はごった返す事になるだろう。……確かに家と事務所は相当離れてる。

だからこれくらいしなきゃ間に合わないだろうけど、これが毎朝か。やっぱり心配になってしまう。


そんな彼女の通勤に欠かせないもの。それは……今ウォークマンで聴いている音楽。

都内へ進むに連れ、予想通りに通勤のサラリーマンや学生でごった返していく。その中でもウォークマンは外さない。

そこで彼女は疲れた様子のおばあさんに席を譲って、その近くのつり革を握る。つい、感動してしまった。


彼女だって疲れている。なのに迷いなく、躊躇いもなく、おばあさんに席を譲ったんだ。

彼女に興味が湧いた瞬間だった。彼女は流れる景色を見て……なにを思っているんだろう。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「ベッド下に隠したエロ本の心配です」

春香「だから隠してませんって! ……あれ、でもこれって」

恭文「うん、ドキたま無印最終巻でもやった、アニマス第一話だね。
ただちょこちょこ変わっている描写を見て察してもらった通り、あの人視点となっています」

春香「つまり……え、なんで今さら?」

恭文「いや、本当はずっとやるつもりなかったのよ。かぶってるし。
でも今書いているお話の前振りとして、どうしても必要あるなーと思って。
まぁそんなわけで流れは同じですが、僕が臨時プロデューサーを辞めて、響と貴音が入ってきた後……というのを意識した改変がちょこちょこ入っています」


(というか、入れないとマジでコピペ)


恭文「あとはあの人と僕だと口調とかも違うし、そこを修正したりね」

春香「確かにプロデューサーさんは時折女性的な言葉遣いに」

恭文「富野節を意識しています」

春香「今更そんな後付を!」

恭文「春香、おのれがアイドルだっていうのと同じだよ」

春香「そっちは後付じゃないですから! 基本設定ですよ、基本設定!
むしろ閣下とか言うのが後付ですよ! 私はハルカ=アマミ……じゃなかった、天海春香! 職業アイドルです!」

恭文「え……!」

春香「本気で驚かないでぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

恭文「ちなみに修正かけてもそのままは申し訳ないので、追加シーンを多数盛り込みます。
……予定ではこのお話だけ、ふだんと比べて倍の分量となります。具体的には四万文字くらい」

春香「多!」

恭文「まぁまだそこまで行ってないから、実際はもっと抑えられるかもしれないけど。とにかく次だよ次」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「えっと……十九時にスタジオですね。小鳥さん、これ私が同行します」


眼鏡の女性が話を進めていると、後ろから肩まで茶髪に白シャツ・青のフリフリミニスカという出で立ちの子が現れる。

天海さん達とは別のアイドルだな。その子はカメラを見て、緊張気味にお辞儀。

予定表脇の机の上に、手に持っていたお盆から湯のみを二つ置く。どうも仕事の話を……ん?


眼鏡の女性が左手で持った手帳を見て、難しい顔をしながら体重を青いオフィス椅子に預けた。


「わ、こっちもあるんだったー。明らかに人員不足ですね」

「社長、近いうちに人を増やすって言ってましたけど」

「できればみんなが抜けてすぐにしてほしかった……!」

「恭文くんが抜けた穴、大きいですよねー。あの子はスケジュール管理もバッチリだし、腕っ節も強いし」

「小鳥さん的には、黒井社長との仲も取り持ってもらったし……ですか?」

「ふふ、そうですね」


恭文くん……あぁ、九月前半まで765プロにいた、臨時プロデューサーだな。名前だけしか知らないが、高木社長から聞いている。

世間で騒がれた……らしい我那覇響さん、四条貴音さんの移籍問題も、大まかなところを解決したのはその子だとか。

俺は生活リズムを健全にするので、忙しかったからさっぱりだったけど。だが相当優秀なんだな。


◆◆◆◆◆◆


プロデューサー業なんて初めての事だから、覚える事もたくさん。まずはマネージャー的にみんなの送り迎え。

しっかり付き添い、外回りでも売り込み、仕事の時は見た印象を伝えて叱咤激励する。

あれ、これってやっぱりマネージャー……とも思ったが、俺も素人なプロデューサーだ。


まずはみんなの人柄や特性、そういうのを掴むところから。そう思って駆け抜けて、一年が経過した。

みんなあの頃よりはずっと忙しくなり、事務所のホワイトボードは予定でびっしり。俺も仕事にはある程度慣れた。

みんなの事も以前より分かるようになって、胸の中でふつふつと……プロデュースってやつへの憧れも生まれる。


やっぱり、やってる事は基本マネージャーだからなぁ。ただプロデュースって具体的にどうするかはさっぱり。

なので忙しい合間を塗って、少しずつ勉強を始めていた。だから、気付かなかったのかもしれない。

忙しくなるに連れ、みんなが人気アイドルとして駆け上がるにつれ、事務所から笑顔が消えていった。


誰も笑わなくなったとか、そういう事じゃない。みんなはきっと、変わってなんていない。

以前の職場みたいに、笑顔を殺されるほど追い詰められてもいない。ただ、ここにいないだけ。

それぞれの活動があって、だから一緒にはいられない。俺も、みんなも、それを自然と受け入れていた。


思えばこの時、あの子の苦しみに気づけていたら……それでも時は巻き戻せない。本当にフラグは積み重なるものらしい。

あの日の事は、実を言うとよく覚えていない。死にかけたせいで記憶が飛んでいるらしい。

でもその直前の事は、よく覚えている。春香と美希の舞台が決まって、練習が始まり……その激励にきた。


劇場のステージ脇で話していた二人へ近づくと。


「――違うと思うな」


なにやら険しい声が飛ぶ。しかも美希が……美希は真剣な表情で、隣にいる春香を見ていた。


「美希ね、この役をどうしてもやりたいの。だから春香には絶対負けないよ?
だから春香も全力できて。じゃなかったら、勝負にならないよ」

「勝、負?」

「うん。そうしたら美希達、もっともっと凄いお芝居ができると思うんだ。それですっごくキラキラできる。
美希、その上でなら春香に負けてもいい。でも全力を出して戦わないなら無理だよ」

「……うん」


……美希は随分変わったと思う。律子が竜宮小町を立ち上げた時、俺がヘマしたせいでやる気をなくしたんだが。

それでもなんとか立ち上がってくれて、俺の事もハニーと……まぁ中学時代によくあるアレだな。

そんな美希がここまで言うんだ、今回の仕事には相当入れ込んでいるらしい。こりゃ期待できそうだ。


「二人とも、お疲れ様」


安心しながらも近づくと、美希がこちらを見て一気に立ち上がる。それに春香も続いた……が、そこで甘い考えを打ち砕かれる。

春香の表情はどこか暗く、冴えないものだった。どういう、事だ。二人で切磋琢磨して、がんばろうっていう話だったんじゃ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「後半は完全新規ですね。アニマスで言うと第二十三話のラストです」

春香「……はぁ」

恭文「ヘコまないでよ。とにかくこんな感じで、今に至るダイジェストを盛り込むんだから」

春香「それで分量が倍になるかもと」

恭文「そうそう」


(え、なぜ倍になるかって? それは……この話が幕間その99になるからです。
本日のED:Kalafina『Believe』)





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