作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第4巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/6/19)
古鉄≪はい、というわけでいんふぃにっとIIの登録完了……慶か報告のお時間です≫
恭文「今回は目立った追加シーンもなく……誤字やらをちょこちょこ修正した感じで。
書き下ろしはその分三つつけましたので、まずはそちらから。どうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
IS学園――ペインメーカー一味のおかげで、すっかり寂しくなった校舎内。
そんな教室の一角で、本日の授業は行われる。
「――では、今日の授業は……あるテーマについての研究報告を行いたいと思います」
壇上に上がった八神……もとい、八神先生は、さらさらと電子黒板にあるワードを書き込む。
――マカロニサラダ――
「織斑さん、分かりますね」
「はい」
今回は席の一角に座り、生徒形式……これもまた不条理。
「マカロニにマヨネーズを和(あ)えたものですよね。よくお弁当とかに入っている」
「お、織斑先生……いいんですか?」
「たまには悪くないさ」
「ちーちゃん、丸くなったねー。前なら即行でぼこぼこにしてたのに」
「人を暴力依存症みたいに言うな」
◆◆◆◆◆
「単純に見えて、その構成は意外に複雑。マカロニをマヨネーズで和(あ)えただけのはずなんです。
なのに自宅でマカロニを茹(ゆ)でて、マヨネーズを混ぜると……やたらと酸っぱくて、味が濃くなりがち」
「確かに……市販のマヨネーズとはどこか違いますよね」
「幼少期には思いました。怪しげな業務用マヨネーズで、増粘剤系を加えているのだろうか。ただ個人レベルでそこまで追及したくはない……」
「確かにな……」
「……八神くんの場合、物質変換が使えるから余計に深刻ですね」
「でも気持ちは分かるよ。束さんもそういう覚えはある。例えば……回転寿司(ずし)のえんがわは、どの魚か」
……束の出したたとえで、電流走る……八神も分かるのか。ただ山田先生は理解できない範囲のようで、小首を可愛(かわい)らしく傾(かし)げる。
「え、それってヒラメじゃ」
「いや……明確に説明がない場合もあります。白身魚という形で濁して」
「あるな」
「いいんですか、それ!」
「山田先生、それ以上言うな」
なのでギロリとにらみ付け、その問答を制止。
「その場合……スシローの、しそが挟まった”えんがわ”が好きな私と、真っ向から戦うことになるぞ」
「どういうことですかぁ!?」
◆◆◆◆◆
――マカロニサラダは、”サラダ”なのか――
「……どういうことだ、八神……先生」
「織斑さん、サラダの定義を答えてください」
「……野菜にドレッシング、香辛料を加えたもの……前菜だろう?
野菜の瑞々(みずみず)しさと、酸味によって口の中をサッパリさせ、更に食欲を増進させる」
「えぇ、その通りです。ならマカロニサラダは?」
「あぁ……いや、だが先生がさっき言ったことだ。野菜を入れる場合も」
「ない場合もあります。そこだけでサラダと言い張れるのか……」
確かに……改めて考えると、これは大きな疑問だ。つい口元を抑え、考え込んでしまう。
「束さん、一瞬ポテトサラダは……って思ったけど、ポテトは野菜だものねぇ。でもマカロニは完全に粉もの……小麦粉って野菜だっけ」
「そ、そこまで遡るんですか!?」
「補足しておくと、サラダの語源は……古代ギリシャ・ローマ時代に、塩を意味したラテン語の『SAL』。
彼らが生野菜に、塩をかけて食べていたことから来ているそうです」
「塩のみですか!」
「いや、それはありだな。実際ハーブなどを混ぜ込んだ≪サラダソルト≫と呼ばれる商品もある」
「えぇ。そもそもドレッシングの基本構成は」
また電子黒板に、さらさらと文字が書き込まれる。
「塩・油・酢の三本柱です」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「なぜマカロニサラダの話をしているか。それは前巻の書き下ろしを見て頂くと分かると思います」
古鉄≪ぶっちゃけあの続きですしね。だからこの四人ですし≫
(今回はさっくりとした感じです)
恭文「では、続いての書き下ろしは……まだ生徒がいた頃のIS学園から」
古鉄≪こんな話をお届けします≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「はい。それでは今日の調理実習は、一組と二組の合同で行いますが……前回の授業でリクエストを取ったところ」
そこで電子黒板に、でかでかと表示……おぉ、これは美味(おい)しいね!
「”手軽で美味(おい)しくできる料理”と決まりましたので、テクス・メクス料理の代表格≪チリコンカーン≫を作りたいと思います。
あと、その簡単なバリエーションとしてナチョスも作ってみましょう」
「先生ー、テクス・メクスってなんですかー?」
「チリコンカーンってメキシコ料理じゃ」
「いえ。テクス・メクスというのは、簡単に言うと”メキシコ風のアメリカ料理”を指す言葉です」
「え、アメリカ料理なんですか?!」
「チリコンカーン以外にもタコスやファヒータ、エンチラーダなどがあります。……で、なぜチリコンカーンをチョイスしたかというと」
西野先生は右手を強く握り締め、全力ガッツポーズ。
「簡単で美味(おい)しく、応用も利くからです! 例えばチリコンカーンでは挽き肉・豆・タマネギが主軸!
ですが挽き肉を抜いて、カレー粉中心で味付けすれば、豆を主軸としたインドカレーに早変わり!」
『カレー!?』
「逆に豆やトマト缶などを抜いて、めんつゆで味付けし、卵でとじれば挽き肉の他人丼! なお鳥挽き肉を使えば親子丼となります!」
『挽き肉の親子丼!?』
「とにかく挽き肉・豆・タマネギを炒(いた)め、煮込む料理は応用度が高いと覚えてください。では早速始めましょうー」
こうして楽しい楽しい家庭科実習がスタート。ここまで以前の調理実習とほぼ同じだけど、授業だしね! 仕方ないね!
◆◆◆◆◆
「それはチリコンカーンも変わりません。……牛挽き肉、缶詰のレッドキドニービーンズ。
タマネギ、ニンニク、トマト。香辛料はチリパウダー。なお好みによってはクミン、シナモン、ガラムマサラなどを入れるのもありです」
「え、缶詰でいいんですか!?」
「えぇ。というか、豆を使うなら……乾燥状態のものを水から戻すため、まず六時間ほどかけないと」
『なが!』
「家で作る場合は問題ありませんよ。仕事に行く前とかに漬けておいて、帰ってきたら調理すればいいわけで。
トマトについても、缶詰のポールトマトやカットトマトで十分です。それこそトマトソースやミートソースでもOK」
『ミートソース!?』
今日は完全に、手抜きモードだなぁ! さすがにみんながざわつくと、セシリアがくいくいと袖を引いてくる。
「や、恭文さん……」
「先生の言う通りだよ。もともと野菜やニンニク、スパイスも入っている上、味付けもされているしね。
そこに豆をぶち込んで煮立たせ、スパイスを入れるだけでも完成だよ」
「あぁ、なるほど……」
≪実際に、ネットでも同様のレシピが上がっているようです。も……主婦の知恵ですね≫
改めて、しっかり手を洗い……まずはニンニクとタマネギをみじん切り。清香と素早く進めていく。
なお、トマトは洗ってから十字の切れ目を入れて、電子レンジ五〇〇ワットで二十秒チン……こちらはセシリアと本音担当です。
「く……八神も知っていたのか! クックパッドでやっていた簡単皮むき方!」
≪……マスター、イチカがまた≫
「いやいや、これはイチカのよさだってー。……料理部所属としても負けていられないね!」
≪こっちはこっちで、また別の対抗意識が!≫
織斑一夏……やはり主婦だよ、おのれは。
◆◆◆◆◆
……まずはトマトを潰さないよう、さいの目切りっと。
包丁もよく切れるので、思ったよりもすんなりと仕上がる。じゃあ早速。
「よし、できた」
≪よめー!≫
そうそう、トマトも切って、しっかり煮込んで美味(おい)しそうな匂いが……美味(おい)しそう!?
慌てて教室後方――ボーデヴィッヒがいる組を見ると、既に鍋には赤い料理が……!
「ちょ、ボーデヴィッヒさん! どうしてもう完成しているんですか!」
「ドイツ軍での屋外訓練で、いわゆる煮込み豆料理をよく作っていたもので。チリコンカーンも得意料理です」
≪よめよめー≫
「そうなの、ボーデヴィッヒさん!」
「先生が仰(おっしゃ)るように手軽かつ栄養もあり、元気も出るからな。ファンビーモン達も大好きだ」
うわぁ、めっちゃ意外な側面! でも栄養……あぁそうか、豆料理だものね。
「いやいや! でも……調理を初めてまだ十分も経(た)ってませんよ!? それでどうやって!」
西野先生は慌てて、差し出された小皿を受け取り試食。すると、怪訝(けげん)そうだった表情が驚愕(きょうがく)の色に染まる。
「……美味(おい)しい」
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
「完全にお店の味じゃないですか! スパイスの配合もちょうどいいし!」
「よかったです」
「い、いや……授業の配分的によろしくないとは、思うんですけどー!」
先生、頑張ってー! あたしも正直触れたくない!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、調理実習です。今回はかなりお手軽かつ応用も利くチリコンカーン。僕も大好き」
古鉄≪野外料理の定番ですよね≫
(楽だからねぇ)
恭文「まぁこんな感じで、特別書き下ろしは……そうそう、あと一本あった」
古鉄≪ただそちらは、また別枠ということで。まぁぐだぐだ本能寺なんですが≫
恭文「長いと見にくいしねー」
(そんなわけで、次回に続く!
本日のED:GARNiDELiA『SPEED STAR』)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!