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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と彼女の鮮烈な日常SS第3巻 経過報告:01(サンプルあり)(2016/6/20)



古鉄≪えー、鮮烈な日常SecondSeason第三巻が、明日(2016/07/21)販売開始となります。みなさん、なにとぞよろしくお願いします≫


(よろしくお願いします)


恭文「……なお登録したのは十五分前――明後日辺りかなーと思ってたら、即行で登録完了メールが届き、急ぎこれを書いているところです」

エリザベート「子イヌ、夕飯……どころじゃないわねー」

恭文「そうなのよー! と、とにかくサンプルどうぞー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


六月二日――今日は、土曜日。でも僕は疲れ果てていた。
試合前日だって言うのに、奴らが……あははは、ここ二日間は全く練習できてない。

それで今日は、765プロで書類仕事がある。既にそちらは済ませ、デスクに座りぐでーっとしていた。


「ヴィヴィオちゃん、どうしたの?」

≪高町教導官から連絡があったんです。もしかしたら相談に来るかもと……魔導師としての弱点を、改めて突きつけられたようで≫


響にはお礼を言いつつ、マッサージ交代……ちょっとこり気味な肩をしっかり揉(も)んでおく。


「ん……恭文の手、やっぱり気持ちいいぞぉ。でも、弱点って」

「ヴィヴィオは僕と同じで、魔力の攻防値が高くない……って、これじゃあ分かりにくいか。小鳥さんも想像してください。
例えば僕やヴィヴィオ、スバルが、魔力で拳を強化して、一撃殴ったとしますよね。強化魔法オンリーですよ」

「えぇ」

「スバルの威力を百とするなら、僕とヴィヴィオは二十から十です」

「五倍から十倍!? え、それって同じ魔法でってことよね!」

≪師匠ならもっと開きます。保有魔力量などにも絡みますけど、力の限界値は決まっているんですよ。
……で、そんなヴィヴィオさんがIMCSで、海千山千のファイター達相手に殴り合ったら、一体どうなるか≫


その結果は想像に難くない。だから小鳥さんと響、律子さんも慌て始める。


「魔法アリな格闘大会だから、パワーでは押し切れない。
防御魔法でも守り切れない……かなりキツい状況になる!?」

「下手をすれば大けがってこともあるわよね!」

「非殺傷設定が前提とはいえ、格闘大会ですから。……正直、僕もびっくりしたんですよ。ヴィヴィオの資質を聞いたときは」

≪あなたと違って多弾生成はできますけど、術式の詠唱・処理速度を高め、その精度に特化している点は同じ。
つまりヴィヴィオさんが一番参考にできる魔導師は、母親の高町教導官でもなければ、フェイトさんでもなく≫

「僕ってわけだ」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


――幾つものバトルに胸躍らせ、ついに僕達の番がくる。ただ問題があるとすれば。


「いぇい!」


なぜかりんが、ウェディングドレス姿だったこと……! 予想はしてたけど、マジって!

そうしてベース越しに、キリエ達と対じ。


あぁ、怖い……キリエの目が厳しい! でも僕は悪くない!


「……旦那様、どういうことなの」

「どういうことと、言われましても……!」

「てーかキリエ、恭文を旦那様呼ばわりはアウトだよ」


そう言いながらりんが、僕の左腕に抱きついてくる。

昨日もいっぱい触れた柔らかさが、ドレスでもくっきり見えている谷間が、腕に押しつぶされ、温かい感触を伝えてくる。


「彼女としては、あたしの方が先輩なんだから! まずは順序を守る! OK!?」

「何の挑発!?」

「そう……なら、下克上よ!」

「おのれも返すなぁ! というか公共……公共の場ぁぁぁぁぁぁぁ!」

≪Beginning【Plavesky particle】dispersal. Field――Dessert≫


粒子により、荒れ果てた大地と岩山(いわやま)が形成。地形を活用するのが吉と見た。

僕達の周囲にも計器類とモニター、操縦スフィアが展開。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、キリエとのバトル――AGE-1ではなく、インパルスとなりますが」

古鉄≪またまたインパルスの超機能が明らかになります。やっぱり楽しいですねぇ、この機体≫

恭文「コンセプトが初代ガンダムに近いから、僕としても扱いやすいしね」


(蒼い古き鉄、『アレ』も扱う関係から初代ガンダムについては熟知しています)


恭文「対して346プロはどうなるか……実は、こちらは暗雲生まれまくりで」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


今週の土曜日には、デビューイベントという運びになった。

鉄は熱いうちに打て――かなり急なスケジューリングには、理由があって。


「まぁ今更言うまでもないが、シンデレラプロジェクトの評判は……最悪だ」


朝一番で呼び出され、今西部長のオフィスへ――。

応接用のソファーに座り、千川さんも交えて打ち合わせ。

そんな最中言われた一言に、全ての答えがある。


「外部からの抗議や問い合わせも、少なからずあってね」

「やはり蒼凪プロデューサーが考えた通り、取引先や局にも話が伝わっているようです。
結果無関係な部署も、その件について聞かれたという報告が」

「それに伴い、高垣くんや川島くん達のプロデューサーからも、抗議がきている。処分が軽すぎるのではないかという声がね」

「……申し訳、ありません。全ては私のミスです」

「なので上から、改めてお達しだ。蒼凪プロデューサーと片桐くん達もしっかり注意しているが、再発防止を心がけるようにと。
そしてチームCPと銘打ったからには、相応の結果を出すようにとね」


諸星さんの単独出場だったのが、いつの間にかCP全体の話になったこと。

それも、やはりあの件が関係している。……救いがあるとすれば、遊びの領域を守り切れていることだが。


「君には申し訳ないと思ってるよ。悪評を覆す意味でも、デビューを急がせてしまったからね」


そう……表舞台には出ていない我々は、図らずも他の方々を盾にしている。

その状況を避けるため、当人達が出ろ……乱暴に言えば、そういうお話で。


ただそれは、いい意味でも悪い意味でも、話題性が高まっている状況でもあった。

上手(うま)く取り返せるのなら、あの件も……問題ない形で終わっていくと思う。


「ただね、一部では……諸星くんと双葉くんを下げ、デビューメンバーを戦わせるべきだという声もある」

「待ってください、それは」


◆◆◆◆◆


アイドルデビューは間近……どうもいろいろな段階が、前倒しになっているようです。

まさか、発表されてから二週間でデビューなんて……! 何だか凄(すご)いことになってます!


「じゃあお一人ずつ、CDデビューに向けてのコメントを頂けますか?」


そして今日は朝から、雑誌の取材……吉澤さんというベテランの記者さんと、カメラマンさんとお話です。


「島村卯月です! あの……とにかく、頑張ります!」

「渋谷凛です。……まだ実感ないけど、頑張ります」


凛ちゃんが苦もんの表情!? いや、その……分かりますけど! でも笑顔! 笑顔です!

あとちょっとでデビューするのが嫌な人になります!


「リーダーの本田未央です! みんなに私達のCD、聞いてほしいです! ライブとか一杯やりたいし、ファンイベントとかも!
テレビの歌番組も楽しそうだし……あ! バラエティとかも楽しそう! あと、ドラマも……それから、それからー!」


そして未央ちゃんはてんこ盛りです! あ、でもだからこそリーダーなのかも!

……私はやっぱり、新しいこととか考えて、始めるのが苦手で……だからこそ基礎を積み重ねていくことが、一番得意で。


だから瞳を輝かせる未央ちゃんが、羨ましくもあって。
とにかくこんな感じで、雑誌取材は終了。

CDの販売自体はもうちょっと先ですけど、それに向けてイベント目白押しです。


それにワクワクしながら、プロジェクトルームに戻り。


「……しまむー」

「はい」

「私、超人になった気分……!」

「私もですー」

「人間……二週間で、これだけできるんだね」


ソファーにもたれかかりながら……凛ちゃん達とへらへら笑っちゃう。


「レコーディング、ダンスレッスン、雑誌取材……もう、何が来てもどんとこいって感じ。でも、まだ喋(しゃべ)りたりないような」

「でも未央ちゃん、いっぱい喋(しゃべ)ってましたよねぇ。さすがはリーダーです」


◆◆◆◆◆


私とアーニャちゃんのユニットもデビュー目前。

デビューイベントをこなし、その上でPR……そうして話題性を高め、CDデビューという流れになった。


アイドルデビューで、決まると忙しいんだなぁ。……これは、自信がないなんて言ってられない。


「はい――プレッシャーはもちろんあります。ただそれも、できる限り楽しんでいけたらと」

「危険とトラブルは、パーティのように楽しむ……ヤスフ……ある人が、言ってましたね」

「……アーニャちゃん、それについては後でまた詳しく教えてね?」


恭文くん、アーニャちゃんに凄(すご)いことを教えてる!

いや、あなたはいいわよ!? 第一種忍者で、そういうドンパチも好きそうだし!

でもアーニャちゃんは駄目ー! これは、パートナーとしてしっかり監督しないと!


「ヤスフ……あぁ、765プロのデンジャラス坊主か」


吉澤さんもお知り合い!? しかもデンジャラスって!


「あそこの社長とは長い付き合いでね、彼とも顔を合わせているんだよ」

「あぁ、それで」

「そう言えばラブライカのお二人は、彼からガンプラバトルを教わっているんでしたね。
それでチームCPとして、プロジェクトメンバーとも出場中」

「私達はあくまでも控えで、メインファイターはまた別の子ですが」

「そして第二ブロックのトーナメント表を見る限り、このまま勝ち抜けば準決勝でぶつかることになる」


準決勝……慌てて頭の中で、確認したトーナメント表を思い出す。

次の対戦相手は、アルヴァアロン使いの吉富さん。それを超えれば……そう、なるわね。


実際問題、私達は……アシムレイトが使えるみくちゃんも含めて、恭文くんに勝てたことは一度もない。

模擬戦での加減された状態ならともかく、本気の勝負では……その重さを察して、アーニャちゃんと顔を見合わせる。


「あなた達は控えとのことですが、選手権に向けての意気込みなどは」

「……強敵だと思います。恭文くんのみならず、準々決勝に残ったどのファイターも。
でもチームの一員としても、全力を尽くしたいと思います。それで今度のミニライブも、みんなの期待に応えたいです」

「Наша песня――わたし達の歌、ファンの人達に……夢、たくさんあげたいです」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「よし、返り討ちにしてやろう」

エリザベート「マスターは遠慮ないわねー!」

アストルフォ「いや、むしろ本気じゃないと失礼ってやつ?」

恭文「そういうことにしておいて」


(蒼い古き鉄、ようは楽しいバトルがしたいだけである)


恭文「というわけで、卯月達のデビュー話も加速……てーか二週間って。そんなうちの社長じゃあるまいし」

古鉄≪大企業の権力ってやつですか。気に食わないですね≫

恭文「そうしてみんながてんやわんやな中……ついに、あの一件が」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


汗もシャワーで払って、しっかり体を拭いて……衣装部屋へ。

待ってくれていたプロデューサーさんに挨拶しつつ、衣装合わせです。


なお衣装の名前は【エボリューション&レボリューション】。……やっぱりコードネームがあるんですね。

赤と白を基調とした、軍服の意匠を取り入れた服。でも威圧的ではなく、王道なアイドル路線を目指したとか。

でも軍服……だから帽子もそれらしいんですね。


リボンの色もそれぞれ違い、フリルもついていて、とても可愛(かわい)らしいです。


「おぉ……しぶりん似合ってるー!」

「……思ったよりも動きやすい。アイドルの衣装って、もっとフリフリで踊りにくいと思ってたんだけど」

「楽曲との兼ね合わせもありますので、一概には。
今回の場合、ダンサブルな曲でもありますし」

「その分動きやすく、なんですね。ヒールでのダンスは慣れないと」


でも、この間とも違う感覚……それにドキドキしながらも、練習したステップを踏んでターン。

……うん、今度は引っかかることなくできました! これならいけそうです!


「サイズなど、キツいところがあれば、また衣装スタッフに相談していただければ」

「それは大丈夫」

「この衣装を着て……またステージに立つんだね! あのときみたいに!」

「しかも今度は、私達三人です!」

「いえ……あのときとは」

「わぁ、素敵ねー」

「ハラショー!」


プロデューサーさんが何かを言いかけたところで、ラブライカの二人が登場。


そうだそうだ……アーニャちゃんと美波さんの衣装合わせもありました。

占有してても迷惑なので、二人に譲って一旦退室。


プロデューサーさんも男の人なので、退室……男の人って、いろいろ大変です。


そう感じながらもお着替え終了――。


「……プロデューサー」

「何でしょう、本田さん」

「二人は……若干、アダルティではないでしょうかー」


未央ちゃんが頬を引きつらせるのも、無理はない。

二人は襟と帽子にファーをあしらえた、純白のドレスタイプ。


肩もしっかり出ているそれは、【ピュアホワイトメモリーズ】。二人のイメージにピッタリな、アダルティ衣装です。

アダルティ……アダルティ……アダルティ……大人の、魅力……!


「私達、子どもっぽくは」

「いえ……適切な配置だと思います」

「どういう意味だこらぁ!」


◆◆◆◆◆


ここまでのあらすじ――衣装合わせの最中、プロデューサーさんが地雷を踏みました。


……でも未央ちゃん、仕方ないの。

あなたはまだ、大人の階段を上るのが早い。私が早すぎただけなの。


でも今更だけど、私達……アイドルになるんだ。


アーニャちゃんと顔を見合わせ、これからの期待感で胸一杯になる。


「あの、何か問題が」

「まぁ、それなりに……というか」


プロデューサーさんが首裏をかく中、凛ちゃん達と注目するのは。


「子どもっぽい……やっぱり、十七才でバージンは遅い」


卯月ちゃんだった。あぁ、卯月ちゃんもいろんな意味で壊れ始めてる。

でもあの、私達をちらちら見ないで? ほら、巻き込まれたくないから。


「……つまり美波さんだけでなく、アーニャちゃんも……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


ちょっと、私だけじゃないって何!? 何を考えていた……もう丸わかりだけどー!

でもどれだけ威圧されてるの!? むしろ心配よ、卯月ちゃんの周辺が!


「……卯月がまた壊れた」

「……これは、一体」

「蒼凪プロデューサーを呼んできて」

「どういうことですか……!」

「わぁ、ミニライブの衣装だよね! すてきー!」


そこでかな子ちゃんときらりちゃん、智絵里ちゃんが登場。

でもあの、羨望の眼(まな)差しを受けると……いろいろと気恥ずかしいです。


「可愛(かあい)いにぃー!」

「あ、あの……私も、応援しかできないけど……見に行くから」

「お菓子も差し入れするね!」

「ありがと!」


でもつい照れる私と違い、元気いっぱいな未央ちゃんはガッツポーズ。


「みんなのトップバッターとして、頑張るから! さぁ……行くぞ池袋(いけぶくろ)! 莉嘉ちゃんのホームタウン!」

「話は聞かせてもらった!」


……でも突如、恭文くんの声が響く。

それで全員が凍り付き、慌てて周囲を見るけど。


「ここここ」


その声は上からしていた。

見上げると……天井に、逆さま状態で足を着け、直立している恭文くんがいた。


『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?』


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


春香「プロデューサーさんがただの変質者ー!」


(跳び蹴り!)


恭文「コペンハーゲン!? ……な、何をする」

春香「当たり前でしょ! なに不法侵入を噛ましてるんですか!」

恭文「不法侵入じゃ、ない」

春香「説得力がありませんよ!」

恭文「というか、それは春香……なぜここに」

春香「私は堂々とお呼ばれですよ!」

風魔小太郎「やりますね……甘いところも見受けられますが、その年と体格ならなかなか」

春香「忍者の頭目様は黙ってて! とにかくお説教……お説教だー!」


(そして春閣下、荒ぶる……七月も後半なのに。
本日のED:BACK-ON『The Last One』)




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