作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第二十六巻経過報告:02(サンプルあり)(2014/10/9)
古鉄≪というわけで、ビルドファイターズトライ第一回の余韻も覚めぬまま幕間の経過報告です。
ただFate/Zero編も最終局面へ入りつつあるので、出せる話も限られますが≫
恭文「それでも経過報告は大事……ほら、スケジュールって一応あるから。それではどうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ハイアットホテルまでの道を歩いていると、突如バーサーカーが限界。また勝手に……そう思っている間に、全てが決着していた。
バーサーカーは俺に向かって放たれた、唐竹の斬撃を真剣白刃取り。不可視の刃を両手で取り、襲ってきた少女に衝撃を与えた。
更に隠されていた剣がその光を失い、闇に染まっていく。少女は慌ててバーサーカーを蹴り飛ばし、瞬間的に距離を離す。
二十メートルほど飛んで、その少女――セイバーは滑りながら着地。そうして刃を右に振りかぶり、虚ろな瞳を俺達に向けた。
「セイバー……噂の偽善者か。いきなりマスターを狙うとはな」
「……私には、叶えなければならない願いがある。そのために斬る……全てを、斬る」
まるで言い聞かせるようになにかを呟き……それには構わず、近くの影に身を隠す。
なんだ、アイツは。まるで別人のようにやつれ、妙な瘴気を……腐臭を漂わせている。
「私には正義などなかった。私には理想などなかった。私には騎士である資格からなかった。
もういい……もう、全てがどうでもいい。この世全ての悪になろうとも、いずれ消え去る運命(さだめ)。ならばいっその事」
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恭文「そう言えば昨日、ウェイバーがライダーとしてみゆき達を呼び出すというSSに出会ってさ」
古鉄≪みゆきさん達、いつ世界と契約を≫
あむ「サンプルガン無視で違う話するなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
恭文「あむ、お誕生日おめでとう! いぇーい!」
あむ「だから後夜祭はもういいって! なんでみんな継続していくわけ!?」
(みんな、キラキラのラブマジックが大好きなんです)
あむ「でもセイバーが」
恭文「残念ながらFate/Zeroは、別名セイバーフルボッコという名前でもあってね」
あむ「嘘つけー!」
古鉄≪でも一応、原作のイベントは踏襲してるんですよ? これとか≫
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奴はこちらへ集中砲火。甲高い着弾音と途切れない発射音、鼻先を掠める弾丸達になにもできない。
それでは、駄目だ。私は消えなければならない。全ての敵を倒す悪となって、必ず……必ず。
宝剣の切っ先を地面に突き立て、風王結界一部解除。その爆発力で乗用車を跳ね上げる。
その上で魔力解放――風王結界も全解除し、加速力に変えた上で再構築。ただし包むのは剣ではなく……乗用車のシャーシ部分へ体当たり。
車を風王結界で包んで盾とし、押し込みながらバーサーカーへ加速。魔力の風ならば、宝具でもたやすくは貫けない。
その読みは正しかった。奴の弾丸は弾かれ、私と車の両脇を突き抜けるのみ。車体を貫通する事はもうない。
そして奴との距離はゼロとなる。今――足を止め、そのまま飛ぶ車からほんの少し離れる。
引いていた刃に風王結界を纏わせ、不可視状態にした上で――車の車体ごと貫く刺突。
狙うはバーサーカーの頭部。車と結界が目隠しとなり、この一撃は奴には見えない。
刃は車体をたやすく貫き、その奥に確かな手応えをくれる。当たった……だが、浅い! 刃を引き、そのまま大きく跳躍。
バーサーカーは車を受け止め、脇へ放り投げてくれる。その動きは読んでいた……!
兜の額部には、先ほの斬撃でできたらしい亀裂。ならば、今度はその兜ごと両断するのみ。
懇親の力を込め、ただ勝利のために戦う修羅となる決意を込め、宝剣を唐竹に叩き込む。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
しかし奴はまたも……本当にまたも、たやすく真剣白刃取り。先ほどとは違う、完全に不意をついての一撃だったのにだ。
斬撃を受け止めた衝撃で、奴の足場が歪んで崩れる。更に宝剣もまた侵食を……舌打ちしながら奴に右飛び蹴り。
一気に距離を取った結果、奴は左手から細長い……ライフルと呼ばれるものを取り出す。
横に並んだ銃口二つが私を狙った瞬間、慌てて身を時計回りに捻り、銃口の先から退避。
現代の銃器は直線的に飛ぶ。それが常識だとこの二戦で学んでいた。……だからこそ避けられなかった。
短剣のような銃身から放たれ、ばら撒かれる散弾達を。赤黒い散弾は右腕と右足を貫き、更に一発が右目の表面を掠める。
目が潰れ、焼かれる痛みに豚のような悲鳴を上げ、そのまま床に倒れて回転。馬鹿……な、弾がバラけただと。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「え、えぐ……でも短剣のような?」
恭文「短銃身と言いたかったんだろうね。でもあれ、六世紀頃の人だから」
古鉄≪お母さんがゲーム全般をファミコンって言うのと同じですね≫
あむ「同じにしちゃ駄目じゃん!」
(そしてお母さんは訂正しても理解しません)
あむ「でも短い散弾銃って……あ、アニメとか映画であるか。片手で持てるやつ」
恭文「ソードオフ・ショットガンだね。銃身を切り落とした散弾銃でさ。
その分射程なんかは落ちてるんだけど、近距離での有効度や威力はむしろ上がってるんだよ」
あむ「威力が!?」
恭文「銃口を飛び出してすぐ散弾がばら撒かれるから、かなり危険なんだ。
……そんなもんが宝具化したら、そりゃあなぁ。ちなみに原作では出ていない武器です」
あむ「それ駄目じゃん! ていうかエグいのやっぱ作者じゃん!」
(でもせっかくだし)
あむ「せっかくの使い方が違うー!」
恭文「そしてそんなバーサーカーを操る雁夜さん、ヒーローとしての品格を見せていきます」
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路地裏に背を当て、痛みと苦しみで地面にへたり込む。はは……ははははは。いいぞ、バーサーカー。
もっとやれ……もっと、やれぇ。俺の全てをお前にやる、俺が贄だというなら喰らい尽くせ。
だがお前は勝たなければならない。勝って、俺に勝利を――聖杯を。そうして、桜ちゃんを助け出すんだ。
あの地獄から――蟲達しかいない世界から、取り戻す。桜ちゃんは最初、それを信じられないんだ。
――雁夜、おじさん?――
――大丈夫だよ桜ちゃん、さぁ行こう……お母さんと凛ちゃんが待っている――
戸惑う桜ちゃんには、時臣の首を見せる。そして桜ちゃんは喜ぶんだ。俺と一緒に喜んで、駆け出していく。
そして二人と笑顔で、はばかる事なく再会するんだ。場所は……よく三人が散歩に来ていた、市立公園がいいな。
――桜!――
――お姉ちゃん……お母さん!――
――桜、よく無事で……よかったぁ――
三人は抱き合い、絆を取り戻す。そして。
――ありがとう、雁夜くん……いいえ、あなた――
葵さんは幸せを取り戻し、俺の隣へ来てくれる。もう、あの頃とは違う。
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あむ「……なんか違う! おぞましいものがにじみ出てるんですけど!」
恭文「気のせいじゃない?」
あむ「んなわけあるかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
古鉄≪しかしセイバーさんは立ち上がり、健気に戦い続けます≫
(そう、健気に)
古鉄≪健気に≫
恭文「健気に」
あむ「あ、復活するんだ」
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友と、信じていた。例え鉾を交えるとしても、心根だけは通じ合っていると思っていた。
そんな絆は、私一人の甘えた幻想にすぎなかったのか。……誰も間違ってなどいなかった。
――なにがおかしい! 王となった人間が自分の事に構うなど……人の幸せを望むなど、あってはならない!――
誰もが正しくあろうとした結果起きた悲劇だ。そう思えばこそ私は王として、最期まで胸を張って戦えたのだ。
――いいえ、違います――
そしてカムランの丘に取り残され、血染めの戦場を見渡した時……この結末を!
理不尽だと叫んで天に正す事ができたなら! 正しい結末に至らなかったとしても、齟齬があったのは天の運気!
ならば……願望器の奇跡さえあれば! その運命は正せる! そう信じればこそ誇りを串けた!
そう信じればこそ戦えた! なのに……!
――王だからこそ、自分の感情を大事にするんです。民の心を、幸せを、不幸を、清濁合わせて感じ取るために――
これがあなたの本心なのか。そこまで運命に絶望していたのか。私を呪っていたというのか。
――そんなものは王ではない! ただの暴君だ!――
――でしょうね。でもこの金ぴか達は暴君だからこそ英雄だった。だからこそ憧れを抱かれたんです。
……自分すら捨てる王に誰が憧れますか、誰がそうなりたいと追いかけますか。あなたの治世は先に続くものがない――
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
あむ「……どこが健気!? 聖杯問答で言われた事思い出しつつ、フルボッコされてるだけじゃん!」
恭文「え、健気に自分から絶望おっかぶさってるじゃないのさ」
あむ「アンタいい加減怒られるよ!?」
恭文「そうだね、ヒドインのおのれより怒られるかな」
あむ「がはぁ!」
(許されない罪が、そこにはある)
古鉄≪それじゃあ今日はこんなところで締めましょう。セイバーさん大活躍になりそうですね≫
恭文「楽しみだねー」
あむ「不安しかないんだけど!」
(そんなわけで幕間第二十六巻、六話分完成です。
そして今回のリマスターは、以前アイディア頂いたメルとまの予定です。
本日のED:BACK-ON『セルリアン』)
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