作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とまと幕間リローデッド第26巻経過報告:02(サンプルあり)(2019/4/29)
古鉄≪はい、というわけで明日(2019/04/30)発売の幕間リローデッド第26巻です。
作者が作業ペースを間違えた関係で、今回はパイロット版ナシとなりました≫
(慌てふためいた……あ、太陽が黄色い)
古鉄≪まぁそれはそれとして、今回は書き下ろしの一部をご紹介します。
メシバナの短編などが多い感じなんですが、そうでないシリアスな話も≫
環「おやぶんー! あねごー! こっちに来てたまきと遊ぼうよー!」
古鉄≪……今、お仕事中なんですけどねぇ≫
恭文「……実は今日、大神環(ミリシタ)の誕生日。シアターでもパーティーが行われています」
環「なにしてるのー?」
恭文「環の誕生日を、ウォズみたいに祝っているんだよ」
(祝え!)
恭文「とにかくそんな環も出てこない書き下ろし、どうぞー」
古鉄≪出てこないんですね≫
恭文「そこは正直、失敗したと思っている」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
まず、前提から入らなければならないだろう。
『――レトルトカレーというのは、価格差が非常に大きい商品です。
あれが美味い・これが最高と無制限で言うと、ついヘヴィ級ボクサーの打ち合いになりがちです』
いつぞやの……赤羽根さんが言っていた『いくら入りおにぎりが最高』じゃないけど、そういうのはどこのジャンルにもある。
その美味しさ自体は否定しないけど、日常飯はかかっているコストが全てじゃない。
時にそれを覆すアイディアや刺激があるのも、また楽しさなのよ。
『でも日常的に買い込んで、食べるたびにさり気なく”値段以上の満足”を味わうあの連中の感じもまた……レトルトカレーの真実でもあると思うわけですな』
『……』
ギャラリーのみなさんが力強く頷いてくれたところで、手ごたえを得る。
『で、いろんなカレーが出ていますが……私にとってこのゾーンと言えば、なんと言っても……』
ここからが大事……後半の盛り上がりのため、積み木を一つずつ詰んでいく。
『一九六八年、世界初の市販用レトルトカレーとして誕生した……大塚製薬≪ボンカレー≫。
一九七八年生まれ、ハウスの≪ククレカレー≫。
王道の昭和カレーを貫くボンとククレなしに、私達のレトルトはあり得なかった!』
「おぉー!
「そうだそうだー!」
『そうそう、細かいことですが……私が言う現在のボンは沖縄地域で残る元祖版ではなく、後継者の≪ボンカレーゴールド≫になります』
……いや、仕方ないでしょうが。さすがに元祖版は……あの……生まれてから近くになかったし。
そうそう、あとアレも言っておきたかった。
◆◆◆◆◆
「これも出会い……いざ」
店内へ入ると、小柄ながらも人柄のよい御主人が笑顔。
「いらっしゃいませー」
壁を確認すると、めにゅうが紙で張られていた。
昔懐かし中華食堂の味わい。しかもほとんどのメニューが五百円以下。
なかなかの良点だと、心沸き立ちながら着席。
「……らぁめん一つ」
「へい、ラーメン一丁」
なお、ここのらぁめんは五百円ピッタリだそうで。わんこいん……実にお財布に優しいです。
とんとんと小気味良い調理の音を、ただ一人……静かに聞いていると。
「おまちどぉ!」
のりにめんま、ちゃあしゅう一枚……シンプルな縮れ麺。
昔懐かしき醤油らぁめんに心が躍りつつ、丼を受け取る。
「ありがとうございます」
割り箸を取り、箸を割って……両手を合わせ。
「いただきます」
早速ずるずると啜ると……うん、これはなかなか。
標準的なあっさり醤油らぁめんながら、実に丁寧に作られています。
すぅぷは煮干し、かつお節、昆布、豚の背ガラ辺りがべぇすでしょうか。
しかし臭みは一切ない。
一つ一つの素材を、適切な時間煮込んで、臭みや雑味などが出る寸前で止め、まとめ上げている。
旨味だけをしっかりと引き出すこの手前……この店主、かなりの達人と見ました。
しかしこの、魂に響くような直球の味は心地いい。毎日食べても飽きないらぁめんとは、こういうものでしょう。
◆◆◆◆◆
というわけで、お店がある代々木付近まで移動。
というか、まずは新宿に降り立ってみる。
相変わらず騒がしい街を代々木に移動しつつ、めんめん食堂付近のラーメン店や、他のお店をチェックしていくつもり。
「代々木だと……ドラゴン亭だけじゃなくて、日高屋なんかもあるわね」
「ハンバーガーショップやコンビニ、富士そば、松屋もね」
「お兄ちゃん、ハンバーガーとかは関係あるの?」
「ほら、マクドなんかは問題になっている価格帯≪三八〇円≫に近いでしょ。
コンビニの弁当やラーメンも、その前後だし」
「そう言えば……じゃあライバルってこと?」
「ジャンルこそ違うけど、価格帯から狙える客層も被るしね。
得に代々木だと、専門学校生が多いから……その価格帯の客は非常に多い」
一昨年、カレーのことでいろいろあったときも触れたけど、代々木は学生が多い街だ。
代々木ゼミナールもあるし、代々木アニメーション学院、日本ナレーション演技研究所などもあるから。
「しかもライバルで言えば、新宿のお店もある」
「……それ、桃子も気になってた。歩いて十分もかからないよね。
そっちの安いお店とかもあるのかな」
「それが今から行くところ」
というわけでおじゃましたお店は……お洒落な感じではない、屋台っぽい雰囲気のお店。
同じ五百円の価格帯のラーメンなら、やっぱりとんこつラーメンの≪博多天神≫。
さくっと注文して、サクッと出てきたラーメン……それに桃子が目を見開く。
「こんなに早く出てくるの……!?」
「細麺で茹で時間も早いしね。ほら、早く食べないと冷めるよ」
「う、うん……頂きます」
『頂きます』
白いスープにプリプリの細麺……それを一気に手繰って啜ると、もう口の中が幸せで一杯。
博多に行ったとき食べた、おやつ代わりの軽いラーメンを思い出す。
「ん……!」
それは桃子にも伝わる味だったようで、夢中になって食べ始めた。
その姿をほほ笑ましく見守りつつ、僕も……あぁ、癖になるー。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、というわけで書き下ろしの一部……なおラーメンの方は、ラーメン発見伝からになります」
古鉄≪貴音さんが久々に出てきたと思ったら……やらかすんですね≫
貴音「あなた様……わたくしはあなたと共に」
恭文「おい馬鹿やめろ! 巻き込む姿勢全開でくるな!」
(お店の経営は難しいというお話です)
恭文「じゃあ次の書き下ろしをチラ見……チラ見!」
古鉄≪こんな人が初挑戦します≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……よし、決めた!」
魅音さんは鳥肉の野菜巻きを一つ食べる。
それをしっかり味わった上で……不敵に笑う。
「李衣菜! それに卯月、凛も加えて、料理対決と行こうか!」
「えぇぇぇぇ!?」
「私達で、料理対決!?」
「あの、魅音さん……部活ってことかな」
「違う違う。実はバラエティーの担当から相談を受けていてさ」
「お、あれだな! アイドルが料理で対決する番組を作るってやつ!」
「確か、スケジュールが合うのは卯月ちゃんと凛ちゃんで、あと一人誰がいいかーってところだったよね」
あぁ、それで李衣菜ちゃんが……李衣菜ちゃん当人は、軽く震えてしどろもどろですけど。
「いや、あの……って、仕方ないかー」
「そうそう、仕方ないんだよ。でね、テーマの方も迷っているようで、何かアイディアがあればーって言ってたんだけど……」
そこで魅音さんが掲げるのは、自分の弁当箱だった。
つまり、その……!
「テーマは弁当! まずはリハをやっていくから、自分なりに試作してみるといいよ!」
「了解! ……卯月、凛、負けないからね!」
「私だって負けません! 当然のように、これも部活勝負になるでしょうから!」
「当たり前じゃんー。負けた方は罰ゲームだよー?」
「「はい!」」
「あの……待って」
……するとそこで、凛ちゃんが悲しげに挙手してきた。
「私、料理……ほとんどしたことがなくて」
「「やるぞー!」」
「きらり達も楽しみだにぃー♪」
「流さないでぇ! 助けて! ヘルプミー! スクランブルー!」
◆◆◆◆◆
「じゃあ未央に教えてもらえ!」
「だから未央も…………あれ?」
え、なんで未央なの?
いや、別に未央が嫌とかじゃない。スケジュールも私達と似たり寄ったりだから、そこは問題ない。
ただ別個で名前が出たのが気になって。
「あの、どうして未央が……」
「本人は”やればできる程度”とか言ってたけど、前に作ってくれたチキンカレーは絶品だった」
「なんで未央の作ったカレー、食べているの!?」
「逆ギレボイコット事件で未央の両親を説教したとき、ご相伴に与った」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
「あれ……聞いていないの?
今度はおのれや卯月達に作ろうかなーとか言ってたんだけど」
なんにも聞いていないので、慌てて頷く。
「ヤスフミ、もしかしてアレじゃね? ちょうど梅雨時期だったから……」
「あー、そっかそっか! お弁当とかで持っていくのも危ないしね!」
「確かに……私、未央の家に行ったこととかもないし」
「346プロで料理をする機会もないなら、仕方ないでしょうね」
「……でも、そんなに絶品?」
「それはもう。思わず未央に結婚を申し込みかけたし」
「それ絶対駄目な奴だよね! というか、そのせいだよ! 未央が蒼凪プロデューサーと付き合ってもいいーとか言いだしているの!」
◆◆◆◆◆
「特に多田さんは凄いですよね……。
お母さんがしっかりした人で、小さい頃から家庭の味をいろいろ教えてもらっていたそうですから」
「前に食べさせてもらったアジの南蛮漬けときんぴら、里芋の煮っ転がし……店で出せるレベルだったな……」
「だから、なんで知っているの……!?」
CPメンバーとの距離感がおかしい……いや、それを言えば私もなんだけど。
「卯月も料理や掃除……家事が苦手とか言っているけど、普通にはできるんだよなぁ」
「前に卯月が作った鯖の味噌煮、家庭的でなかなかの味だった……」
「だから、なんで知って……いや、卯月についてはもう仕方ないけど!」
メイドさんで御奉仕とかやっているし!? いや、誘惑だっけ!?
それを滅茶苦茶幸せオーラ全開で報告してくるから、こっちも砂糖を吐くし!
でも……でも……やっぱり距離感がー! ここに相談に来ている時点で、私も相当だけど!
「でも凛ちゃん、恭文くんの言う通りよ」
疑問に苛まれていると、音無さんが宥めるようにそう言ってきた。
「番組内での料理対決なら、やっぱり制限時間もあるわよね。
それならある程度速度も求めなきゃいけないし……」
「……あんまり手の込んだ、凄いものは元から無理」
「でも簡単にできる、お弁当向きのおかずもあるから。
そういうのを中心に作ってみればいいんじゃないかしら」
「……あとは、お弁当に何を込めるかだね」
「それは大事ね! 今回は自分用じゃないもの!」
蒼凪プロデューサーが、仕方ないなぁと言わんばかりに頭をかく。
どうやら協力してくれる、感じみたい。
「お弁当箱に込める……やっぱり料理の中身とかかな」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪李衣菜さんの料理、お店みたいで美味しそうなんですよねぇ≫
恭文「だよねぇ。得に煮物系が……使い古されているけど、あれだ。いい奥さんになれるって言いたくなるアレだ」
フェイト「私、あの里芋の煮っ転がし……レシピを聞いたくらいだしね」
(閃光の女神、ひょいっと登場)
フェイト「それに未央ちゃんも……前にメイドできたとき、作ってくれて。
……あの、ヤスフミ……未央ちゃんについてはちゃんと、考えないと駄目だと思うよ?」
恭文「なにを!?」
(というわけでとまと同人版の方、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:『彼女は前だけを見て進む』)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!