作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/あどべんちゃー 第6巻経過報告:02(サンプルあり)(2019/2/20)
古鉄≪というわけで、え〜すな日常/あどべんちゃー同人版第6巻が明日(2019/02/21)販売開始となりました。みなさん、何卒よろしくお願いします≫
(よろしくお願いします)
古鉄≪そんなわけで、こちらではまた本編の一部をご紹介。
今回パイロット版は二話だけだったので、いろいろ追加しまくっています≫
恭文「というか、カイザーは怪我をして一旦離脱したはずなのに……それでもやられっぱなしな八神の僕や選ばれし子ども達」
古鉄≪世の中を犯罪行為で動かす知能班的なのを考えていたら、いつの間にかこうなりましたね≫
恭文「そんなわけで、今回はある意味次の展開への下地作り。デジタルワールドは想像以上にとんでもなかった……」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……次はオレが行く」
「それでどうするんだよ」
「決まってるだろ。
調子づいているなら、伸びた鼻をへし折ってやるんだよ」
ヤマトはそのままの勢いで、右拳を平手に叩きつける。
魂を引き締めるような快音が響くと、ヤマトの目が光り輝いた。
「選ばれし子ども達には、それらしい戦い方ってのがある。
空もそれを諭そうとしただけだ。だったら……」
「だったら恭文君のやり方は問題ないよ」
「丈!」
「はっきり言っておくよ? 彼の不満は、僕の不満そのままと受け取ってくれていい」
珍しく丈が強く……けんか腰と思えるほどに言い切る。
ヤマトは二の句を紡げず、停止してしまう。
「だからこのメールについても、従う必要がない……というか、不愉快極まりない」
それも当然だった……。
怒り心頭で丈が見やる携帯には、朝一で届いたメールが表示される。
――選ばれし子ども達へ……神の座を預かる三大天使≪オファニモン≫による勅命を授けます。
八神恭文を討伐し、キメラモンとしゅごタマモンを奪い返しなさい――
「人をどれだけ馬鹿にしたら、メールで討伐指令なんて送れるんだ――!」
◆◆◆◆◆
光子郎が困り気味にノートパソコンを開き、かたかたと叩く。
「やっぱり世界情勢は、危惧通りに進んでいますね……。
アメリカによるアルカイーダへの報復戦争も……というかですね」
「何か気になるのか、光子郎」
「向こうの抵抗も激しいそうで、想定以上に進んでいないそうです。
あまり長引くと侵略にも取られかねない状況なのに」
「長引くとどうなるんだよ」
「……冷戦以後ぱたりと途絶えた、世界大戦の勃発」
静かに告げられる終末予想図に、背中から怖気が立つ。
「そうなれば、より”兵器”が求められる……!」
「もちろん簡単な話ではありません。既に戦争という選択肢は、僕達市民に委ねられています」
それについては……あぁ、俺にも分かる。
第二次世界大戦の日本で言えば、無理ゲーなのに軍部や政府が暴走し、挙げ句核まで落とされたからな。
その辺りの原因は、自国内での情報・意識操作。島国って辺りで、海外の情報が入りにくかった点だ。
が、既にそういうことはなくなっているとか。
「いわゆる”お国のため”が当然で、協力しないのは非国民……そんな状況はもう時代遅れ」
「ネットもそうですし、メディアの情報伝達力もありますからね。
その辺りは湾岸戦争……いえ、ベトナム戦争より以前から当然になっています」
「相応の正当性が示せないのであれば、国民はそもそも政府を支持しない……戦争なんてできない」
「もちろん兵器の新開発や量産も。
こちらは冷戦以後から続いている、軍縮の流れでも分かるところです」
「でも逆を言えば、市民が一定レベルの危機を……戦争や兵器の必要性を認めるなら、通ってしまうんだけどね」
丈も苦い表情で、光子郎の脇からモニターを覗く。
その……戦争絡みのニュースやら、画像を真剣に。
◆◆◆◆◆
「いやどうも……すっかりお待たせして」
「いえいえ、こちらこそ突然すみません」
「………………ああああああああああ!」
中にいた黒コート姿の子どもに、つい絶叫しながら指差し。
「お、お前は……確かいつぞや、俺を蹴り飛ばしてくれたクソガキ!」
そうだ、怪獣騒ぎを……デジモンを調べようとしていたから、追い返そうとしたら……!
「クソガキとは無礼ですねぇ。
人を邪険に……暴力を伴って払おうとした分際で」
「大人に口答えをするな! 大体……局内を大騒ぎにしておいて、なんで入ってこられるんだ! 話すことなら」
「今回は全て吐いてもらいます」
そう言いながらクソガキが出してきたのは、IDカードだった。
それもただのカードじゃない。そこには確かに、第二種忍者と描かれていて。
「第二種忍者として、石田ヤマト及び高石タケルの実父であるあなたを尋問します」
続けて出してきたものを見て、怖気が立つ。
それは、タケルがパタモンといる写真。
それに、光子郎君や空ちゃんも、それぞれのパートナーと映っていた。
「僕も最近、デジモンのパートナーになりまして。その絡みで顔を合わせたんです」
「し、知らないなぁ! デジモンってなんだ! 新しいアニメか!?」
「……この期に及んで、そんな言い訳が通用すると思うなんて……」
「誰が言い訳だ! そっちこそ、子どもらしく大人に敬意ってもんを持て!」
「じゃあこうしましょう。この場で僕のデジモンを出しますよ。
メタルグレイモンとやらくらい大きいですけど」
「だからやめろ! ここを壊すつもりか!」
すると、奴は俺を見ながら吹き出した。
「何がおかしい!」
「……どうして”ここが壊れるくらいの大きさ”だと分かったんですか」
「――!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、襲い来る最悪の事態に備え、リアルでの下地作りに奔走する八神の僕」
古鉄≪選ばれし子ども達が兵器扱いされかねない情勢……それだけが原因ではなくて≫
(デジモンカイザー、想像以上にヤバかった)
恭文「まぁ当の本人、今回はほとんど出ないんだけどね!」
古鉄≪まぁそんなご本人様のことはともかく、どんどん行きましょう≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ここまでのあらすじ――恭文が、俺や空の一家を馬鹿にしにきました。
「――太一さん達には今後、自由が一切ない……という話の前に、一つ解決すべきことがあります」
「なんだ、そりゃ」
「”どこの国の戦力になるか”という問題です。
しかも太一さんの場合、三年前に世界規模の脅威を払った実績がある」
「野球のドラフト会議みたいになるのか!」
「当然その将来も、国の厳重な管理下に置かれます。
それもまた一つの前例として、他のパートナー達を徴兵する理由になる」
≪普通ならそこで、実運用テストと言いたいところですけど……あなた達の場合、それはすっ飛ばせますからね≫
もう嫌だ……俺達の冒険、悪い方向に利用されすぎだろ。
「……そうして私達は……ヒカリ達は、兵器とされる」
「ニートにならなくて済むね、よかったね」
「それで全部解決はおかしいからね!?」
「というか、選ばれし子ども達システムそのものが”デジモンとパートナーの兵器運用に冠する実例”になっていますからねぇ。
……シャーリーも言っていましたよね。このシステムは最低最悪な徴兵制だって」
「言っていた、なぁ……」
でもあのときはそこまで…………言っていたよなぁ。
「待ってください。それでは空や太一さん達は、もう……その」
甘さを噛み締めていると、空のお母さんが険しい表情で問い詰めてくる。
「現時点で完全に手遅れ……立派な生体兵器です」
◆◆◆◆◆
「全能者の逆説≪パラドックス≫ってのがあってね。
全能者……何でもできる人が、”誰にも持ち上げられない石を作れる”と思う?」
『なんでもできるのなら、可能なのでは』
「…………」
ダイヤは質問の意図に気づいたらしい。
人形を撫でつつ、その無表情な顔をしかめた。
「その石を、なんでもできる人は持ち上げられるのかしら」
『どういうことだ、ダイヤ』
「だって持ち上げられたら、それは”誰にも持ち上げられない石”じゃない……」
『…………恭文!』
「ダイヤの言う通りだよ。
かと言って持ち上げられなかったら、これまた全能者のレッテルが嘘になる。
で、そう考えるとデジタルワールドや選ばれし子ども達はどうなるか」
右指をパチンと鳴らし、改めて空間モニター展開。
今までの記録映像を指しつつ、その答えに触れる。
「結論から言えば、この矛盾を解決することは可能だ。
全能者が持ち上げるときだけ、石が軽くなればいい」
『だが、それでは結局前提の一つが嘘に……』
「嘘だと気づかせないのがテクニックだ。
選ばれし子ども達システムに洗脳の側面があるって言ったのはね、子ども達が神様の代理人でもあり、力を示す象徴でもあるからだ」
実のところ呼び出された時点で……明らかに”デジモンじゃない存在”がこの世界に降り立った時点で、仕事の七割は終わっていた。
「自分達が見たこともない異世界から、異種族が呼び出され、この世界のために戦ってくれる。
それも無償で……自分達には対抗できない敵を、容易く駆逐する英雄だ。
そんなお膳立てをした神様に対して、市民は敬意と畏怖を抱く」
『それがテクニックであり、だからこそ選ばれし子ども達は死刑執行人たり得る……』
◆◆◆◆◆
池袋とは都内屈指のターミナル。
若者も集まるし、きっと何か情報が集まるはずだ。
では、情報収集の基本は何か……当然聞き込み! そして足!
聖夜市からも直通電車が出ているここなら、庭も同然だし、とにかく歩いては人に聞き回る。
これぞ探偵のお仕事。なんていうか、こう……あれだよね。
「……ハードボイルドだね」
「あぁ、ハードボイルドだぜ」
サンシャイン60のエレベーターロビー。
その一角に背を当て、ついショウタロスとほくそ笑んでしまう。
「つーかよ、オレはこういうことがやりたかったんだよ!
ヤスフミ、やっぱ探偵の基本はフィールドワークだぜ!」
「だよねだよね! なのに最近、馬鹿どもへのお話で大変だったしね!
なので今日は、放課後まで聞き込みしまくりだー!」
「おっしゃー!」
え、なぜ夜までじゃないかって?
それは当然……ガーディアンでの浄化任務があるから!
だって浄化できるの、僕だけになったし! あむは相変わらず役立たずだしね!
「ショウタロスはともかく、お兄様まで……」
≪徹夜続きでテンションがおかしくなっていますよ≫
「「そんなことはない! ハードボイルドだから!」」
なぜか呆れ気味なシオンとアルトにはそう断言しつつ、軽く腕組み。
「ここはやっぱり、僕達の出番ってことだね……」
「だな」
「……誰の出番ですって?」
……突如右側から聞こえてきた声。
「えいやー!」
それで逃げる間もなく、思いっきり……ぎゅーっと抱き締められた。
以前触れたときより一回り大きくなった、柔らかな双山。
甘く柔らかい香りと、翻る黒髪の美しさ。
荒波のように襲い来る魅惑の数々に、一気に意識が奪われて……。
「あらま……あなたは」
「鮮花! なにしてんだよ!」
「お久しぶり、恭文くん! ショウタロス達も元気そうでよかったー!」
そう、僕を抱き締めるのは……僕より十センチ以上大きいお姉さん。
暖色系のジャケットにスカートという出で立ちで、僕を思いっきり抱き締めていて。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで……二〇〇二年当時の情勢なんかも含んだ結果、単なる勇者召喚では済まなくなりつあるわけだけど」
古鉄≪本編世界でここまで拗れなかったのは、やっぱり事件から相応に時間が経っていたのと……ISの存在ですね≫
恭文「白騎士事件とかは特に大きいからなぁ。
もちろんデジモン絡みでも、お台場やらの一件があるし」
古鉄≪ただドキたまをリマスターするのなら、この辺りの要素はきちんと触れておきたいですよね。
現地警察のみならず、管理局の力を振り回せない理由作りにもなりますし≫
恭文「何よりテクノロジーの暴走も含んでいるからねぇ……おねだりCDとか、×ロットとか」
(もちろん最後のアレもその極み)
恭文「そんなわけで、血と暴力の時代の一歩手前を描くえ〜すな日常/あどべんちゃー同人版第6巻、明日販売開始です」
古鉄≪ようするにセカンドシーズンからはヒャッハーします≫
(というわけで、何とぞ世紀末へと落ちていくあどべんちゃーをお楽しみに…………って、落ちていくの!?
本日のED:TOM☆CAT『TOUGH BOY』)
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