作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
豪快な奴ら第8巻経過報告:03(サンプルあり)(2018/12/24)
古鉄≪というわけで、豪快な奴ら第8巻が本日より販売開始。みなさん、何卒よろしくお願いします≫
(そしてご購入いただいたみなさん、本当にありがとうございました)
恭文「というわけで、こちらでは特別書き下ろしを一部ご紹介……今回はミリマス勢中心で」
古鉄≪あなたがハ王として頑張るわけですね≫
恭文「違うよ!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
――二〇一二年十月・聖夜市内≪私立球磨美大学≫
「ここか、ヤスフミ……」
「うん」
私立球磨美大学――聖夜市の西側に位置する大学。
偏差値もそこそこ高く、いわゆるお嬢様学校と言うべきか。
そんな大学になぜやってきたかというと、39プロジェクトのアイドルを探すためです。
……一応スカウト担当だから、こういう仕事も必要でねぇ。
というか、翼をスカウトしたことからこう、専務とかから期待をより集められているようなー。
とにかく作り込まれたアーチをくぐり、学内の中へ。
うん、今日は部外者も入れるんだ。
なにせ学園祭の真っ最中だからねー。
「ここはミスコンが有名なのですよね」
「フラグを立てるなよ……もぐ」
「立てないから! つーかスカウトに来ただけで、どうしてそんなことに」
「おーっほっほっほっほっほ!」
……え、何。
この白蛇のナーガみたいな笑い声。
『きゃああああああああ! 千鶴さん、素敵ー!』
『頑張ってくださいー!』
そして何! この地を揺るがすような歓声は!
◆◆◆◆◆
「…………765プロの……39プロジェクト、ガンプラプロデューサー!?」
「または警備員とも言う。
……今765プロは事業拡大のため、新しいアイドルを募集しているんだ。
この学校、ちょうどミスコンがやっていたから、いい人がいないかと思って」
「……あなた、もしかして運が悪いのですか?」
「おのれにだけは言われたくないわ」
「それもそうですわね」
彼女は苦笑しながらも名刺を仕舞い、右手を胸に当てる。
「自己紹介が遅れましたわ。
わたくし、二階堂千鶴――この学校の二年生です」
「蒼凪恭文です。
……でも残念だったね」
「そう、ですわね……わたくしを推薦して、応援してくださった方々もいましたし。
ただ、あなたのおかげでそう言った方々にも怪我一つなかったようですし……改めて、お礼を言わせていただきます」
「ううん、こっちも見過ごせなかったし」
「……だがヤスフミ、どうするよ」
そこでショウタロスがすっと出てきて、困り果てた様子だった。
「これだとスカウトが……」
「何も言わないで……!」
◆◆◆◆◆
「……え、待って。私のことすっ飛ばされとるような…………まさか!」
すると笑顔だった奈緒が、慌てた様子で僕に身体を預けてくる。
「千鶴さん、アカンからな! 順番があるんやから!」
「なんの話!?」
「そうですわ!」
「そうだよ、千鶴さん……」
そこでゾクッとした寒気が走る。
というか、いつの間にか美奈子が……重箱片手に、つや消しアイズを浮かべていてー!
「御主人様……私のお弁当も、食べてくれますか?
というか、そんなにテンションを上げてくれたこと、ありましたか?」
「え、何時もテンションマックスだけど」
「……本当ですか?」
「うん……量で引くことはあるけど、いっつも美味しいご飯を作ってくれて……感謝してる」
「なんで量で引くんですか……!? そこがキモなのに!」
「……一般量を飛び越えているから」
「ん……?」
美奈子、そこで小首を傾げないで……!
そういうところ! そういうところが、ね!? ちょっと引いちゃう理由だから!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「そして美奈子は、今年のクリスマスもチキンをたっぷり……たっぷり……」
古鉄≪……夜は覚悟しておきましょうか≫
(『シャケもあるよ!』)
恭文「というわけで、続いてのサンプルは……そんなシャケは出ないんだけど」
古鉄≪こんな人達の話となっています。どうぞー≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
――アタシがあの子と知り合ったのは、表参道を歩いているときだった。
「にゃはははははは! それほんと!? すっごく面白いじゃん!」
そんな話を友達と電話でしながら、のんびり……秋の空気を楽しんでいると。
「あ……彼氏から電話? ん、じゃあまた後でねー」
友達との電話が終了。
それじゃあまた一人で、ウィンドウショッピングでもーと思っていると。
「あのー」
アタシより一回り小さい……黒コートにスラックス姿の”女の子”が、後ろから話しかけてきた。
「え……アタシに用?
あ、もしかして道に迷っちゃったとかー! にゃははは、それなら仕方ないなー。
いいよ、道案内してあげる。どこへ行きたいのかな」
「……おいヤスフミ、コイツ」
「初対面なのにかなり気さく……アリだ!」
するとあの子は、しゅごキャラちゃんと相談してガッツポーズ。
というか……わ、珍しー。三人も生んでるんだ。
「僕、こういうものなんです」
その子が名刺を渡してくる。
まるで大人みたいに………………と思っていたら、大人だった……!
◆◆◆◆◆
最近、HGUC ディジェをバトルで使うことが多くなった。
なんかねー、こう……今の波長に合うっていうかー。どっしりとしたボディラインは安心感があるというかー。
稼働もイフリート系方式でがしがし動くし、何よりアムロ乗機という点からゾクゾクしっぱなし。
ただ、そんなお気に入りなディジェ絡みで、ちょっと不満がある。
いや、ディジェ本体ではないのよ。ディジェ本体は使っていて楽しいのよ。
では何が問題かというと……。
「………………なぜドダイ改のプラモが出ないんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
「今までの流れをすっ飛ばして、いきなり何を言ってるんですか……!」
「本当だよ!」
「「「「うりゅー!」」」」
お散歩がてら遊びに来ていたぱんにゃ一家にもツッコまれてしまい、お話の切り替えには失敗……どうしてこうなった!
でも言いたいの! これだけは言いたいの! 一体どうなっているんだ、バンダイはー!
「恭文さん、それで逃げるのは不可能だと思いますよ?」
「うりゅりゅー」
そして、そんなぱんにゃ達を優しく撫で撫でする女の子。
落ち着いたブラウンの髪を、今時珍しいくらいのストレートヘアーで纏めた子。
スレンダーで大人っぽい雰囲気……ううん、学校の委員長的な印象を抱かせるこの子は、≪田中琴葉≫。
◆◆◆◆◆
「――それで、ガンプラバトルで決着を付けることになったの!?」
「うん……」
夕飯を食べ終えて、ゆったりとした時間の中……作業を手伝うと息巻いていたフェイトも引っ張り、うちの工作室へ。
昼間は作れなかったベースジャバーを弄りながら、フェイトの今日のことを話すと、それはもう驚かれて。
「恵美は本気だった……! というかわけが分からない! 僕、明確にダサいわけじゃないよね!」
「まぁ、うん……ただあの、センスが独特だから不安はあるんじゃ」
「どこが!? 僕のセンスが高いのは、おのれも知っていることでしょうが!」
「ヤスフミ、認めて? センスが高いんじゃなくて……独特なの」
フェイトに諭されただと……! それも全力で!
「というか、どうしてガンプラバトルに……」
「……そのままだと、マジでスキャンダルだから」
「あの、大丈夫。私は奥さんとして宣戦布告するし、恵美ちゃんともちゃんと話して」
「違う、そうじゃない!」
「でもほら、響ちゃんやあずささんも」
「それでも恵美は……みんなは、大事な時期だもの」
恵美だけの話じゃない。
みんなだって、新しい一歩を踏み出したばかりで……なのに、その邪魔はしたくない。
特に恵美や翼、のり子……僕がスカウトしたみんなには、より重い責任があるもの。
みんなを彼女にしたいからスカウトしたわけじゃないし、そこは……うん、ちゃんとしたい。
◆◆◆◆◆
恭文さんの挑発というか、作戦にまんまと乗った恵美さん達。
「おぉおぉ、やっぱ派手に撃っちゃってー」
「若いねぇ……あの子達も」
ロッテさん達は頬杖しながら、呆れた様子で無駄攻撃を見続けていた。
……なお、そんな攻撃に対して、恭文さんの評価は。
『煽り耐性のない奴らだねぇ……』
実に冷淡なものだった。
「言うにこと欠いてそれですか……!」
「煽った当人が言うと、非常に腹が立つねぇ……」
『――勝利の法則は、決まった!』
しかもそれは、小文君のー! なんですか、勝負が始まってまだ三分も経ってないのに、もう勝利宣言ですか!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「志保がまた情緒不安定に……」
古鉄≪あなたのせいでしょ≫
恭文「僕は何もしてないよ!」
志保「いいえ、しています。そうやって私を何度も弄んで……」
恭文「人聞きの悪いことを言うな!」
(突然登場するメイドさん……というか、サンタな北沢さん)
志保「まぁそこはいいです。今日は私が大人になりましょう」
恭文「なんで僕が子どもみたいな言いぐさなのよ……!」
志保「今日の私はサンタでもありますから。……先んじて、プレゼントを届けに来ました」
恭文「そうなの? ありがとう……じゃあアイリ達が起きないように」
志保「あなたに届けたいんです……!」
恭文「僕に?」
志保「……そうやって聞くのは、やっぱり意地悪です。
でも、いいです。これからたっぷり……堪能してもらいますから」
(というわけで、とまと同人版の方何卒よろしくお願いします。
本日のED:稲垣潤一『クリスマスキャロルの頃には』)
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