作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第20巻経過報告:02(サンプルあり)(2018/8/23)
古鉄≪というわけで、こちらでは書き下ろしのご紹介。以前も軽く見せたお話になりますが≫
恭文「本当はVivid編でやろうと思ってたんだけど、尺が……なお、とある漫画の書き下ろし短編が元ネタだったり」
古鉄≪今回はまるで火曜サスペンス劇場みたいですけど、まぁそういう流れからです。ではどうぞー≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
それは、夜のお散歩に出た帰りだった。
家から少し離れた、二階建てのアパート。その一室に……そして周囲に、パトカーや警官による封鎖線が敷かれていた。
街に凶悪犯でも出ると、うちのみんなが危ない。今はぱんにゃ達もいるからなぁ。
「ショウタロス達はここで待ってて」
「そうするわ。……コイツが吐くからな」
「吐くでしょうねぇ」
「誰のことだ…………もぐ」
また肉まんを抱え頬張っている、うちの穀潰し≪ヒカリ≫だと言ってやりたい……でもそんな暇もないのでスルーします。
まずはガード役の警官に資格証を提示し、手袋をした上で現場に入ると……。
「蒼凪さん!」
ジャージ姿の僕を出迎えてくれたのは、向島さんだった。
「どうされたんですか!」
「散歩中だったんですけど、ちょっと気になって」
ワンルームで玄関側に置かれたキッチン。どうも相当に争ったようで、家財や食器が倒れ、または破砕していた。
そんな中、確かに生まれていた血だまりを避けつつ、開きっぱなしのキッチン棚をチェック。
そこに置かれていた包丁……確か、フェイトが通販で見て、欲しいって言ってたやつだ。今度お土産に買って帰ろうっと。
「多分、今回はお声かけをすることもないと思います。……何せ犯人、もう逮捕されているので」
「現行犯ですか」
「というか、電話で自分から通報・自首したんです。相手方が包丁を取り出して、もみ合っているうちに……ぶすりと」
≪それでこの荒れ模様ですか……≫
◆◆◆◆◆
――――それから少しして……収録は休憩に入り、スタジオ前で愛梨と瑞樹さんに合流。
二人の控え室に入らせてもらい、かくかくしかじかと状況説明。
とりあえず佐々木ことみさんは、元気だったと伝えたところ。
「そう、ですかぁ。よかったぁ……!」
身体のラインピッタリなスーツ姿で、愛梨はホッと胸をなで下ろす。瑞樹さんもそんな愛梨の背中を優しく撫でた。
「あの、ありがとうございます」
「私からもお礼を言わせて。……ほんとありがと! 愛梨ちゃん、気が気じゃないってハラハラしまくってたのよ!」
「いえ。……ただ」
「えぇ」
「気になるところが数点」
……ここについては触れておいた方が……そう思って話を進めようとすると。
「……………………恭文くん?」
瑞樹さんがとても嫌そうな顔をしながら、身を引いた。
「瑞樹さん、皺が寄りまくってますよ?」
「余計なお世話よ! え、何……まさか、佐々木ことみさん、疑わしいところがあるの!?」
「え……! ど、どうしてですか! だって今」
「恭文くんがこういうことを言うときは、大体何か見つけたときなのよ!」
わーお、信頼が厚いねぇ。実はその通りなのでお手上げポーズを取りつつ、テーブルに腰を下ろさせてもらう。
◆◆◆◆◆
秋田――東北地方に位置する一県で、愛梨の生まれ故郷。
なんだけど……実は近年では、少子高齢化や経済的衰退の影響もあり、ここ秋田市でも一部がゴーストタウン化しつつある。
「…………なんか、閉まっている店が多くないか?」
県庁所在地にも拘わらず、微妙に寂しい風景……人通りも少ない状況に、ショウタロスも面食らっていた。
「えぇ……人気も少ないというか、活気そのものが失われているというか」
それはジャンヌも同じ。寂れた……なんて表現が生やさしい殺風景に、戸惑いを隠せない。
「人口も減少傾向にある上、商業的繁栄も他の市に奪われたしね。秋田自体は自然も豊かでいいところなんだけど……」
「そういうのを売りにするのも、上手くいってない感じか」
「試行錯誤はしているけどね」
≪そう言えば愛梨さんも言ってましたね。東京の大学に進学したのは、親の勧めがあったからと≫
「言ってたねぇ」
これでも昭和の辺りでは、商業都市としても栄えていたんだよ。でも東北新幹線開通後、盛岡市にその流れを奪われる形になって……それ以後はサッパリ。
それよりかは東京に出て、多くのチャンスを掴んでほしいってことだったみたい。実際、それは間違っていなかった。
アイドルに限らず、東京近郊に住んでいるってだけでも、それなりにチャンスは掴めるものだしね。
仕事然り、遊び然り……はっきり言えばゴーストタウンな街並みを歩きながら、市内にあるとある中学校を訪ねる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪はい、以前サンプルを出した、愛梨さんの友人が犯人という事件です。当然その結果は……≫
恭文「……はぁ」
古鉄≪この人がセンチになる程度には、重苦しく≫
恭文「まぁこれ以上はネタバレになるので、次に行こう……まだ書いている途中のINNOCENT編!」
古鉄≪小文君の活躍はいかなものか……楽しみですねぇ。なおまだ途中なので、地の文がないところもあるかと思いますが、ご了承ください≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……だが、その話をここでするということは」
「真正面から潰しにきた場合、即行で首を断ち切られます。何の迷いもなく、躊躇いもなく」
「ひ……!?」
「……だったら、それも受けて立ちます」
「やっぱりわたし達の伝えたいこと、ライブに」
「い、たぁ……!」
「アナスタシアさん……! あなた、いきなり何を」
「”この程度”も自力で防げない奴が、受けて立てるわけないでしょう」
「い、今の勢いで攻撃してくるってこと!? いやいや、幾ら何でも……ゲームだからって、仲間にそれは」
「塩見さん、何を勘違いしているんですか」
「勘違い?」
「ゲームだからこそ、そんな加減は必要ないんです」
「更に島村さんの実力なら、この四倍の速度で……苦しむ間もなく殺せます」
「は……!?」
「相棒≪デバイス≫は日本刀タイプ……島村さんが一番得意とする得物ですしねぇs」
「それは、鬼に金棒ではー!」
「よく分かりましたね、宮本」
『宮本ぉ!?』
「アタシだけため口!? あ、だったら名前でいいよー。お近づきになりたいってことなら」
「それは気持ちだけで十分……はぁ」
『距離を縮める気が皆無!?』
「では宮本も納得したところで、本題に入りましょう」
「何一つ納得してないよ! ……って、本題?」
◆◆◆◆◆
「……君、これは一体」
「彼女達は確か、別の店舗所属だったのでは」
「イベント時のMCテストも兼ねているんです」
「そういうことか。まぁ我々も世話になっている身だ、そこは受け入れよう」
「そう言ってもらえると助かります。ところで、美城常務は行かないんですか?」
「………………空中戦が、駄目なんだ」
「飛行を前提とした試合だと、間違いなく足手まといになる。なので……控えに回った」
「それはまた……」
「空を飛べるというイメージが中々できないそうなんだよ。頭が固いからねぇ」
「今西部長……!>」
「大丈夫ですよー。あの……ほら、アリサちゃんも同じようなものですし」
「「同じなのか!?」」
『――そ、それでは改めて説明します! まずはそれぞれバルーンを装着し、自分の陣地からスタート!
バルーンを残したまま敵陣地にたどり着くか、敵のバルーンを全て破壊すれば勝利です!』
『攻めに出るのか、迎え撃つのか……単純だけど読み合いが必要なこの競技。今回は初心者向けイベントのテストとして、特別ルールを採用しているわ』
『まずバルーンの総数は、SP側が二個。チャレンジャー側が五個……ハンデだよね、アリサちゃん』
『えぇ。更に敵陣へのゴールが得られるのはチャレンジャ
ー側のみよ。SP側が勝利するには、全員のバルーンを破壊するしかないの。
ただし……挑戦者側にかなり有利な分、SP側もだーいぶ本気で来ちゃうから! そこは覚悟しておきなさい!』
「なるほど……テストというのはこういうことだったんだね」
「えぇ。初心者開拓のためには、こういうイベントも必要かと思いまして」
「……確かに楽しそうだ」
◆◆◆◆◆
「相手も同じ人間なんだ。それに卯月達だって」
『きゃあ!』
『悪いね、お尻っ子! 天才剣士なのは理解したけど……ブレイブデュエルなら』
『私達の方が上です!』
「……卯月が苦戦してる」
「多分ですけど、異能力戦闘に対応しきれていないんです。島村さんの技能が特化しているのは、あくまでもリアルファイトに限られますし」
「あ、そっか……そうだよな。魔法とかを使うファンタジーバトルだし、剣術のノウハウだけじゃ無理なのか」
「だったら、次はわたし達……きっと、勝てます。みんなで心を一つにして、頑張れば」
「うん、アーニャの言う通りだ。そうすればきっと」
「あなた達じゃあ、百回やろうと無駄です」
「どいてください。次は私と鷺沢さん、神谷さん……宮本さんでいきます」
「アタシ!?」
「あたしも!?」
「責任を取りたいのなら、協力してください。あなたの直球馬鹿が必要なんです」
「……分かった! 何か作戦があるなら、じゃんじゃん言ってくれ!」
「そうしてくれると助かります。じゃあ行きましょう」
「……待ってよ」
「あなた達に足並みを乱されるのはゴメンだって言ってるんです」
「まだ何も言ってないよね! というかほら……作戦の打ち合わせ、しなくていいの? そんなすぐ始めちゃったら……」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「……ないところっていうか、全くない!」
古鉄≪えぇ……ないんですよ≫
恭文「項垂れるなぁ! おのれが振ったことでしょうが!」
(バルバトスルプスレクスボディの真・主人公、愛らしく耳をくしくし)
恭文「まぁこんな感じで進めていきますので、お楽しみにー」
古鉄≪愛梨さんとのことも、期待に応えていきましょうね?≫
恭文「思うんだけど……本編で全て応える必要、ないよね……!?」
古鉄≪はぁ……≫
恭文「ため息を吐くなぁ!」
(本日のED:高橋真梨子『ごめんね…』)
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