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幕間リローデッド第20巻経過報告:01(サンプルあり)(2018/8/23)
古鉄≪というわけで、鮮烈な日常Fourth Season第5巻の経過報告があれ以上出せないので、代わりに幕間リローデッド第20巻の方をお見せしたいと思います。
今回はあどべんちゃーのパイロット版から。こちらも一話書き上がっています≫
恭文「幕間も一話分書いて、書き下ろしも二話分……ここから頑張るぞー」
(頑張るぞー)
恭文「じゃあ早速いってみましょう」
古鉄≪あなたと違い、期待に応える様を見せてもらいましょう≫
恭文「やかましいわ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「まぁ冗談はさて置き……どういうことだ」
「……デジタルワールドは現在、とんでもないことになっています」
「とんでもないこと?」
「これを」
そこで見せるのは、テントモン……それと八神恭文くんからもらったメール。
「今デジタルワールドには、デジモンカイザーを名乗る人間の侵略者が暴れています」
「人間の侵略者ぁ!?」
「イービルリングと呼ばれるアイテムで捕まえ、洗脳し、それを戦力として自身の領土を拡大する……カイザーが進行した地域では、進化ができなくなると」
「なんだって!」
「テントモン……というより、アグモン達も混乱しているのが実情なんです。ただ、ヒントをもらいまして」
それがこの、八神恭文くんのメール。添付されたD-3の画像も含め、アップにしてみる。
「大体半月前――イースター本社が存在する、東京の均衡都市≪聖夜市≫にデジタルゲートが開きました」
「イースターって……確かヒカリがハマっている≪ほしな歌唄≫の所属してる」
「正確にはそこの芸能部門ですね。ゲートが開いたのは彼……八神恭文君が通う聖夜学園の初等部敷地内。
彼ともう一人の子は、ゲートから現れたデジモンに直接……この、D-3と呼ばれる新型デジヴァイスをもらい、パートナーになったんです」
「それって、あれか? オレ達が紋章を使って、デジタルワールドを安定させてから増えている……」
「いいえ。彼らはパートナーとなったデジモン達から……その子達を遣わした神の側近達から、依頼されたんです。
……デジモンカイザーを止め、デジタルワールドの安寧を取り戻してほしいと」
「……オレ達のときとはまた違うパターンだなぁ」
「どっかのRPGかよ」
言いたくなる気持ちも分かりますが、頭は抱えないでください。きっと僕達のときがわりとギリギリだったので、反省してくれたんですよ。
◆◆◆◆◆
玄関を出て、一応鍵も掛けて……マンションのエレベーターに。下降ボタンを押してしばらく待つと、僕がいる八階にエレベーターが到着。
中には僕と近い年頃の子どもが二人。
一人は紫髪ロングで、おでこを出す形で流している子。丸いフレームの眼鏡もあって、温和そうな印象を受ける。
もう一人は坊ちゃん刈り……って言ったら失礼かな。品良く整えられた栗髪に、利発そうな顔立ちの男子。
こっちは体型から三年生くらい……ということは。
「おはよう!」
「……おはよう」
エレベーターが出ないうちに乗り込み、簡単に自己紹介。
「僕、今度このマンションに引っ越してきた、五年生の高石タケルです。よろしく」
「あぁ……もしかして、お台場小学校!?」
「はい」
合点がいったらしい二人は、怪訝そうな表情を緩めてくれる。
「あたしは六年の井ノ上京。京都の『京』って書いて、”みやこ”っていうの。よろしく。……こっちは伊織」
「三年の火田伊織です。よろしくお願いします」
やっぱり同じ学校の子だったー。でも学年が違う……あぁ、だから京さんも大人っぽい感じなんだね。
納得している間に、エレベーターが動き出す。それが一回に到着したら、三人で安全確実……余裕を持って学校へ向かう。
――ここは東京都港区台場。今年の春から元いた三軒茶屋から、このお台場に引っ越してきました。
◆◆◆◆◆
「うあぁぁぁぁぁぁぁ!」
「逃げろ! みんな……逃げてぇ!」
響く悲鳴と騒音に引きつけられるように走り、林を抜けると……爆風に飛ばされ、地面を転がる相棒に直面。
オレンジ色の恐竜ボディを転がし、倒れ込むその子に、慌てて駆け寄って起こす。
「アグモン、しっかりしろ!」
「た、太一……」
進化……いや、駄目だ! 慌ててアグモンを抱えて、元来た道を戻る。
林へ駆け込み、迫っていた巨大な足音や羽音から離れるようにして……!
「アグモン、進化は」
「できないんだぁ……!」
昨日光子郎から聞いた話を思い出すが、それでもとデジヴァイスを取り出し、念じる――。
自分の可能性を、その心を信じ、トリガーを引く。そうすればアグモンは力を受けて、進化してくれる……はずだったのに。
「く……! 光子郎が言っていた通りか」
アグモンはアグモンのまま。緑の瞳で俺を見上げるだけだった。
「ぼく達のメール、届いてたんだね!」
「あぁ! だが、これは……!」
◆◆◆◆◆
「いや、お兄ちゃんもヒカリちゃんを妹みたいに可愛がっていてさぁ! 五月蠅かったんだよ! ヒカリちゃんに変な虫がついていないかーって!」
「変な虫ぃ!?」
「でも、大輔くんみたいな子が側にいたなら、心配なさそうだね! お兄ちゃんにも気持ちよく報告できるよ!」
そう、報告できる……変な虫がいたのなら正直に言うしかないけど、いないのならいないと報告する。
変な虫にならないようにという、言葉の裏に隠した警告。更に僕が傍観者にすぎないという宣言。
それにより大輔くんの敵意と疑念が、急速的に晴れていく。
「え、じゃあ……あの、お前……」
「大丈夫。僕の理想は小池栄子さんだから」
「年上好きか! お前!」
「何か問題かな」
小首を傾げると……大輔くんはこちらの意図が読めたようで、問題なしと自分から握手し直してくれる。
「ないな! タケル、これからよろしくな!」
「こちらこそ!」
「……あの、私を置いてけぼりで纏まるのって……どうなのかな。というか、何? 私はディスられているのかな」
「「いや、全然」」
というか、ヒカリちゃんが怖い……! 笑顔だけど目が笑っていない!
え、何……小池栄子さんは駄目なの!? いや、ここは処世術だもの! ほら、大輔くん……どう見てもヒカリちゃんが好きだし。
クラス内でさ、近い席で……全く縁もゆかりもない話題でぎくしゃくするのも嫌だし。だから……ね……!?
そんな、軽く胸元を押さえないで!? さすがにないから! 小学生のヒカリちゃんと、あの年頃の女性を比べるって!
「……大輔くん、ヒカリちゃんには……覚悟が、必要だよ……!?」
「み、みたいだなぁ……!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪はい……あどべんちゃーはHP版だとやってなかった一話からスタート。公式で配信していてよかったです≫
恭文「最初はタケルを狂言回しとして、大輔や京達も登場。……このときはまだ平和だった」
(ISとの絡みもあるから大変なのです)
恭文「ダイヤの件と並行であの序盤って……相当だよなぁ」
古鉄≪過労死しないよう、栄養ドリンクを差し入れしましょう≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「あれ!」
その中心……こんもり上がった土の塊。その上に置かれた、赤色のたまご。
いや、たまごっていうのもおかしいか。ザクみたいな角が生えているし、炎みたいな紋様が……!
「あれは……勇気の紋章!?」
「うん!」
中心に刻まれた、太陽のようなマーク。それはどう見ても……。
「ずっとここにあったみたいなの」
「あったって……でもどうして」
懐かしさと……この状況を覆す一手になりそうな予感で、静かに両手を伸ばす。
すると紋章のたまごは………………まったく持ち上がらなかった。
だがその代わりに炎の輝きを放つ。とんでもない熱量に思わず手を引くと、炎は揺らめき、紋章のたまごから離れ、三つの塊となる。
それもたまごみたいな形で驚いていると、それらは途端に空へと射出。空いていた穴へと消えていく。
紋章のたまごは無事だが、その光景に俺も、アグモン達も呆気に取られる。
「な、何……今の……!」
「俺に聞くなよ……!」
……そこでD・ターミナルに着信音。
「返信がきた! ちょうどいい、コイツのことも相談して」
慌ててモニターを開き、届いたメールを確認。
――メール、受け取りました。すぐに救援へ向かいます。場所を教えてください――
「……って」
――八神恭文――
「八神……八神ぃ!?」
◆◆◆◆◆
「――タケルー!」
「ヒカリィ!」
向こうからパタモンとテイルモン……少し遅れて、アグモンと太一さんがやってきた。
「パタモン!」
「テイルモン!」
飛び込んでくる二人をヒカリちゃんともども受け止めて、無事を確認……よかったぁ。いつも通りのパタモンだぁ。
「……あれ、テイルモン……」
するとヒカリちゃんが、テイルモンの尻尾を見て驚いた様子。……尻尾にかかっていたホーリーリングというアイテムが、消えていた。
「……カイザーにやられたの」
「カイザー?」
「そうか……まだ太一とヤマト、光子郎しか知らなかったんだ。実は今」
――そこで左側の林から、がさごそという音が響く。またヌメモンかなぁと思っていたら……全然違っていた。
右手に棍棒を持った、銀色で一つ目のロボット。それは無機質な動きで小首を傾げながら、じわじわとこちらに近づいてくる。
しかも一匹じゃない……二匹、三匹と、腰を落としながらにじり寄ってくる。
そうして頭を一回転……こちらを見据えたまま、頭を丸々回転させる! 合計十五体ほどの異形が一斉にそうするものだから、さすがに怖い!
「ハンターだー!」
「ハンター!? あれもデジモンなの!?」
「違う! デジモンカイザーが作った狩人……意志を持たないプログラムの人形!」
「「デジモンカイザー!?」」
それは一体……って、言っている場合じゃない! 慌ててテイルモン達を抱えながら、そのハンターに背を向け走る。
ハンターは名前の通り、こちらに凄い勢いで追撃を仕掛けてきた。うわぁ……ターミネーターに追っかけられている気分かも!
「パタモン、進化だ!」
「テイルモン!」
「駄目! ここじゃあ進化できない!」
「「はぁ!?」」
「テイルモンの言う通りだ!」
そこで僕達の脇につきながら、太一さんがアグモンを抱え全力で叫ぶ。
「そのデジモンカイザーってやつのせいで、みんな進化できなくなってる! その上でデジモンを狩って、洗脳……次々味方にしているんだ!」
「なにそれぇ!」
◆◆◆◆◆
必死に逃げて逃げて……でも、振り切るのは無理だった。
突然僕達の頭上を幾つもの影が通り抜けたかと思ったら、それらは次々と眼前に着地。
そう……足を止めたはずのハンター達だった。しかも全部じゃあない。
僕達の背後には、炎を飛び越えてきたのか……普通に追いかけてきた七体が……!
「どう、しましょうか……!」
「悪い、それは俺が聞きたい……!」
「く……!」
テイルモンがヒカリちゃんの腕から飛び出て、ガードするように構える。そんなテイルモンに……アグモンやパタモン達に、ハンターは一斉に飛びかかって。
≪≪Round Shield≫≫
突如生まれた、蒼い光の障壁に揃ってぶち当たる。
一つは金色の円形≪サークル≫型。
もう一つはダイヤ型を重ね合わせたような紋様。
それらは虚空で浮かび、柔らかく回転しながらもハンター達の悪意をしっかりと遮っていて。
「「バースト!」」
更にその障壁が破裂。僕達を挟むように爆発したけど、衝撃や風らしきものは一切こない。
その全てがハンター達に襲いかかり、奴らはみっともなく地面を転がる。
――そこで更に響くエンジン音……一体何事かと思っていたら、林を突き抜けルようにして、蒼いモタードバイクが飛び出す。
『――バイクゥ!?』
「伏せて!」
後部座席に乗っていた金髪の女性に言われるがまま全員で伏せると、バイクは僕達の前に着地。
バイクを操っていた小さな子は、右手で銃を取り出しその場で回転。地面にタイヤで螺旋を描きながら、弾丸をまき散らす。
頭上で閃くマズルフラッシュ。更に初めて聞く銃声にビクビクしていると、次々と響く着弾音。
ハンター達の一部が胸元を撃ち抜かれ、次々と倒れては爆散していくのが見えた。
バイクを運転していた子が素早く降り立ち、笑いながらヘルメットを外し、放り投げる。
◆◆◆◆◆
フォーミュラドライバーを腰にセットすると、左側からベルトが展開して腰に巻き付く。
右腰には変身用のコアをセットした≪コアホルダー≫も出現。
コアホルダーから蒼いヴァリアントコアを取り出し、ドライバー右側の≪チェンジスロット≫にセット。
≪――フォーミュラType【D】とのリンク開始≫
その途端に展開する空間モニター各種。僕に代わり、アルトが各々の処理を迅速に済ませる。
≪デバイス間のニュートロンネットワーク構築。
各駆動部及びシステム連動を確認。
各部作動効率、規定値を突破。
プログラムセキュリティ、問題なし。
動作負荷〇.五パーセント以下。
魔力バッテリー、消費効率正常――≫
それは数瞬で終了。そうして問いかけられる。
≪Get Ready?≫
準備はできたか……問題ないので、笑いながら右指を前に向けて、パチンと鳴らす。
「変身!」
音声コードを入力しながら、ドライバー左側のグリップ型パーツ≪クライマックススロットル≫を押し込む。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
古鉄≪というわけで、序盤はこんな感じで進みます。……これはあれですか。後半で『できてるよ』って誰かが言う振りですか≫
恭文「やめて……それ、僕が効く……僕のこころが痛い……」
(カズミン……げんとくん……!)
恭文「とにかく、いよいよ登場するフォーミュラードライバーの真価。
もちろん以前サンプルに出したものから変えています」
古鉄≪そうして増えるレンジャーキー≫
恭文「さすがに使わないと思うよ……?」
(なお、今回の話については幕間本編の『え〜すな日常/りふれくしょん』とも深く関係しています)
恭文「そっちのアミタ達と関わって、初めてできることだしねぇ。その辺りもまたサンプルを出せればなーと」
古鉄≪その前に書き下ろしの方でしょうけどね≫
(なお今回、一番活躍するのは多分……あのキャラ。
本日のED:『夕空の紙飛行機/モリナオヤ』)
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