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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第16巻経過報告:02(サンプルあり)(2018/4/27)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第16巻『伝説の帰還』



古鉄≪というわけで、経過報告の続きです。こちらでは特別書き下ろしの方をお送りします≫

恭文「特別書き下ろしは四本……メシバナあり、バトルありで割とたくさんな感じに」


(やっぱりどったんばったん大騒ぎ)


恭文「それではサンプルの方、どうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



周囲の木々はその巨体を隠すほどに高くそびえ立ち、その背後に迫るグレー色の特殊車両もまた警戒を厳に続けていた。

そのままの状態で、上部コクピットハッチを展開。座席をお立ち台代わりに立ち上がり、望遠鏡で周囲を確認……。


『隊長、もうすぐ予定ポイントに到着します!』

「志保、索敵はどう?」

『反応なし……静かなものです』

『やっこさん、お引っ越しでもしたかねぇ』


2号機のヒロさんは、冗談半分でそんなことを言う。それに3号機のサリさんも乗っかる。


『それならそれで、仕事が楽になるんだがな。チューンアップしたコイツを傷付けて、整備班にどやされなくても済む』

『確かにね……』

『お二人とも、真面目にやってください』

『そうだよ。いつ敵が出てくるか分からないし……』

「そういうフェイトも真面目に運転しようね」


微妙に外れていく走行音が気になり、七時方向をチェック。するとそこには、森(もり)へと突っ込もうとする≪オアシス≫が……。


「……道、逸(そ)れてる」

『ふぇ!?』

『どうして外れるんですか! 後を追いかけていくだけなのに!』

「志保、おのれはフェイトのことがまだよく分かってないね。こちらと話すことにスイッチが入って、運転への集中が切れたんだよ」


そんなフェイトも元のルートに戻ったので、コクピットへと戻り、ハッチも閉じておく。


◆◆◆◆◆



道中は特に問題もなく、予定ポイントに到着。見えたよ……この密林の中、ひときわ盛り上がった山脈が。


『――予定ポイントに到着。オアシス、車体固定……ソナー開始。各機は警戒に当たってください』

「アイゼン1、了解」

『アイゼン2、了解ー』

『アイゼン3、了解だ。オアシスはデータを取得次第、こちらに回してくれ』

『オアシス了解……フェイトさん、機体を固定』

『あ、うん……えっと、ブレーキを踏んで、サイドブレーキ……あれ、どこだっけ』

『違いますよ!?』

『ふぇ!?』


……アンダーグラウンド・ソナーは、地中に埋め込むことで周囲の振動を探知する。

そのためにオアシスは車体をフロント&リアに搭載されたアウトリガーによって固定。

それから杭(くい)状のソナーポッドを、地面に打ち込む。


ミノフスキー粒子により長距離通信が困難な地域も多いんだけど、取り分け密林みたいな局地戦闘ではそれが顕著。

ホバートラックはそんな前線と司令部との中継役であると同時に、ソナーによる音紋索敵でモビルスーツ以上の索敵能力を発揮する。

特に視界が悪い地域だと効果は抜群。何度も志保の耳には助けられているよ。


『……音紋索敵開始…………アイゼン3、索敵データを送ります』

『アイゼン3、了解。よし、届いた……隊長、ヒロ、データを回す。確認してくれ』


するとサリさんからのデータを受信。鉱山基地の地図データとも照らし合わせ、幾つもの光点が生まれる。

距離にして北西五……いや、十キロ前後。そこからは大きくそびえ立つ鉱山エリアだ。


◆◆◆◆◆


衝撃で動きが止まったところで、2号機は反転。跳躍しながらの回転斬りで二体とも真一文字に断ち切られる。

1号機はスナイパー三体目の零距離射撃を右スウェーで回避し、コクピット目がけてシールドを叩(たた)きつける。

シールド先にある二本のクローは、電磁射出により飛び出し、鋭い切っ先でスナイパーの胴体を抉(えぐ)る。


そうして幾つもの爆炎が鉱山表面に生まれては消えて……俺も負けじと援護射撃を続けながら、オアシスと連携して二人の死角をカバー。


「よし……! 隊長とヒロが取りついた! 乱戦なら二人のペースだ! オアシス、ついてきているな!」

『はい! 移動完了――F9ポイントから索敵を再開します!』

『わぁ……ヤスフミ達、凄(すご)い! 数では二十倍近いのに、どんどんやっつけちゃってる!』

「まぁエース機もいないようだし、あれくらいはな」


180mmキャノンをもう一発撃ち、最後のスナイパーを撃墜。


「アイゼン3、スナイパー部隊とトーチカの殲滅(せんめつ)を確認!」

『オアシス、了解しました。アイゼン3は引き続き隊長達の――――――――待ってください!』

「どうした」

『――何、この音……凄(すご)く大きなものが近づいてる。ううん、せり上がっている?』


音……音紋索敵で何か引っかかったのか。しかも、大きなもの? おい、まさか……!


『この音紋パターンは、ザクとは違う。識別不能……パターン索敵、該当モビルスーツなし』

「……そういや、大隊長が言ってたな。ジオンはこの地域で、新型の開発をしているって」

『新型!? じゃあ、志保ちゃんが言う大きなものっていうのは……』

「単純に考えるなら……!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「……果たしてこの状況は一体何か。それはやっぱり本編で」

古鉄≪新しい陸戦型ガンダムを作りながら書いたんですよね≫


(やっぱり作りながらだといろいろアイディアが出る)


恭文「さて、続いてはメシバナ……ただし、こちらは新しいキャラが出て」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「どいてくれ。もう君達とは何の関係もない」

「そんなのないのです!」


慌てて前に出て、プロデューサーを止めるさくら。私と亜子もそれに続く。


「というか、それを言うたら竹達さん達とか完全アウトやないか! ここは考え直して」

「いいからどいてくれ……!」

「プロデューサー、私達はあんな人の方針には従いたくありません。もうそれでいいじゃないですか」

「よくない! いいからどいてくれ!」

「……お、見ろよ」

「噂(うわさ)をすればの矢吹くんじゃありませんか」


すると、向かいの曲がり角から……噂(うわさ)をすればの竹達さんだった。

それに遊佐さんと、瑞樹さんも……!


「聞いたわよー。プロデューサー二年目のあなたが、美城常務の企画説明会で大胆にやらかしたんだって?」

「いい度胸をしていますねぇ……美城常務と今西部長、顔が真っ赤だったらしいじゃないですか。また」

「俺も見たかったぜ。やるじゃねぇか、矢吹」

「や、やめてください! そんなこと言ったら……!」

「く……!」


私達を振り払い、プロデューサーはずかずかと歩いていく。というか、竹達さん達も押しのけるように……マズい!


「や、矢吹プロデューサーを止めてください!」

「止める?」

「辞表を出しに、部長室へ向かっているんや!」

「「はぁ!?」」


◆◆◆◆◆


「……ねぇ、やぶっち」

「はい……………………やぶっち!?」

「瑞樹さん!?」

「お好み焼き、作ってあげたわよね。それで一緒に食べて……もちろん泉ちゃん達にも」

「え、えぇ……」


でも瑞樹さん、そんな呼び方はしていなかったような……! いきなり人情派路線ですか!?


「要するに、みんなの威信を背負いながらもルール違反した自分を……泉ちゃん達を裏切った自分を、認められないのよね」

「か、川島さん……!」

「でもね、あえて……”強い人間”として言わせてもらうわ。ルールや指示を守るだけが人生じゃないの。
例えば私が好きなお好み焼きは、自由に作っていいからお好み焼きなのよ……」

「そやそや! プロデューサー、お好み焼きはお好みなんやで!? 何でもかんでも杓子(しゃくし)定規でえぇわけが」

「でもあのとき、川島さんはお好み焼きを作りながら亜子共々『指示書き通りに作るのが一番美味(うま)い』って言ってましたよね」


その言葉でズッコける大阪(おおさか)出身コンビ。竹達さんと遊佐さんがこちらを見るので……その通りと、頷(うなず)くしかなかった。

うん、覚えてる。すっごく覚えてる……! 確かに美味(おい)しかったわよ、お好み焼きセットの指示書き通りに作るお好み焼き。


「そ、そうだった……かしらー」

「しかもその流れで駄目押しのように」
――ついでに教えておくと……家で作るカレーも余計なことをしないで、ルウの指示書き通りに作るのが一番美味(おい)しいのよ――

「――とも言ってました」


◆◆◆◆◆


そう、あれは楓さんの自宅で……調理場のテーブルを挟み、僕達のバトルは過熱し続けていた。


――太麺系なら……紅しょうがと青のり、だし粉を一つにまとめた特製ふりかけ小袋が地味に優秀な、王道の『日清の太麺焼きそば』お好みソース味とか――

――……麺の太さともちっと感なら、僕はシマダヤの『鉄板麺』こそ鉄板だと思うけど」
「シマダヤなら、”肉天かす”と”だし粉”というレア系ダブル小袋でエッジを立てた、御当地系の『富士宮(ふじのみや)やきそば』があるじゃない――


愛を囁(ささや)くように、焼きそばの名前を連ねる僕達。そのスリルが溜(た)まらなく心地いい。

それは楓さんも同じなのか、左手をかざして妙にカッコつけたポーズ。


――マルちゃん焼そばで私のイチオシは……オールマイティーさという点では、ノーマルのソース味を超えるかもしれない……陰の実力者『塩』よ――

――ふふふ……スーパーで見かけた瞬間の”魅入られた感”なら、シリーズきっての謎ベクトル味『たらこ』を推しましょう!――

――やるわね……――

――楓さんこそ……――

「――まぁこんな感じに、マルちゃん焼そばで何味がいいかーってバトルを繰り広げていて」

「え、たらこ味なんてあるんか!?」

「……あるそうなの。というか、さっき話したスーパーで売っていて、ビックリした」

「我が社のトップアイドルが、何をやっているんですか……! でも、それは僕も聞いたことが……先輩達は」

「初耳だぜ。兄さん」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「めしばな刑事タチバナから……今回はチルド焼きそばのお話。果たしてそれで若きプロデューサーは救えるのか」

古鉄≪あなた、頑張らないと駄目ですよ? セミラミス様をお迎えできなかったからって≫

恭文「がふ!」


(蒼い古き鉄、何とか振り切ろうとしていたのにスタート地点へ戻る)


ジャンヌ(Fate)「マスター、安心してください……あなたには私がいます」

恭文「あ、うん……うん」

ジャンヌ(Fate)「なんで微妙な反応なんですか!」


(ルーラーであってアサシンではないから――。
というわけで幕間リローデッド第15巻、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:米倉千尋『FLAME』)





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