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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間第9巻、作業進行中です&サンプルもあるよ(2012/11/14現在)



古鉄≪というわけで、幕間第9巻ですが……作業進行中です≫

恭文「そこはじっくりのんびりですね。というわけで、サンプルどうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あれは僕が忍者資格を無事に取得した直後――フェイトと一緒に、ミッド南方にある美術館へ行った。

クラリス美術館――ミッドの中でも有名な美術館。今日は休日という事もあって、来場客も多い。

やや無機質で無骨な印象を抱かせる館内は、ミッドでも若手な芸術家の作品が並べてある。


ただ若手と言っても50代〜60代の画家さんも珍しくないけど。だけど……まぁいいか。

薄暗い照明とか、絵と周囲の環境が合っていない事とか、気になる部分はあるけどそれでも足を進める。


「ヤスフミ、待ってっ! いくらなんでも早すぎるよー!」

「……しー」


フェイトがうるさいので人差し指を立て、『静かに』のポーズを取る。フェイト、慌てて口を押さえても遅い。

『美術館ではお静かに』が基本なのに。ギャラリーの目を集めるのは気にせず、僕はフェイトの手を引っ張って更に奥へ進む。

そうして目的の絵に到着――キンキラキンの額縁に納められているのは、それとは正反対に落ち着いた風景。


街角で雨が降る中、一人の少女が傘を差していた。雨は薄い青で描かれ、点描的に赤も混じっている。

街は灰色を基調として描かれ、窓や影などは紫・緑などで描かれていた。そんな中、少女は純白。


白でシルエットだけが描かれているんだけど、雨の中はしゃぐ少女のシルエットが際立っていた。

そこから引いて街全体を見ると各々の色使いが、不思議と調和が取れている事に気づく。

それだけじゃなく各所が点描で描かれているためか、雨で街全体がぼやけている様子が思い浮かんだ。……やっぱいいなぁ。


夜とも昼ともつかない世界で、雨の中楽しげに傘を差す少女。そこには確かにドラマが存在している。


「これが見たい絵?」

「うん」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


古鉄≪というわけで書き下ろしです。ここはひーろーず・Battle24でも出したところですね≫

恭文「以前読んだ漫画なんかにインスパイアされて、絵画関係のミステリーを描いてみました。
ここはもちろん拍手のアイディアが元になってるんだけど……まずはその一話目」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「おぉ、よく来てくださいましたっ!」


そう言ってこっちへ来るおじいさんが、この美術館の館長さん。結構ふとましい感じで、どすどすって音がしてる。

白いスーツに高そうな腕時計や指輪……気になるところはあるけど、頭の寂しい館長さんとしっかり握手。


「ありがとうございますっ! ありがとうございますっ!」

「いえ。それでその」

「ご連絡した通りですっ! ……こちらを」


館長さんは私から手を離し、懐から白い封筒を取り出す。それを受け取り。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


古鉄≪早速フェイトさんが……ポカやるんですね、きっと≫

恭文「本人は否定してたけど、とまとのフェイトは……ねぇ?」

フェイト「なにが言いたいのかなっ! 私、これでもしっかりしてるんだからー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


本来なら僕が干渉する理由など皆無。でもあの絵は、フェイトとの思い出でもある。それがいきなり偽物へ変化?

さすがに納得できないので、サリさんを呼び出してもう一度あの絵の前に立つ。……もう違和感とかじゃない。

この絵は真っ赤な偽物だ。この美術館はそれに胸を張って、いろんな人に公開している。


でもどうして誰も気づかないんだろう。僕もちょっと首を傾げたけど、一発で気づいたのに。


”――で、俺にそこを調べてほしいと?”

”えぇ”

”お前……そのためにここまで呼び出したのかよっ! こっちは仕事中だっつーのっ!”

”しょうがないでしょ? 生絵を見ないと分からないでしょうし”


こういうのはデータだけじゃあ、ちょい辛いところがあるもの。サリさんもそれが分かるから、腕を組んで軽く唸る。


”確かに。これ……元絵と全然違うぞ”

”分かります?”

”俺もこの絵、見に来た事があるしな。金剛”

”……おかしいですね、サーチの結果では問題なしと出るのですが”

”そうか。だがタッチの力強さや、絵の具の色が違うんだよ。よく見ると、最近描かれた絵だと分かる”


そう、そうなのよ。元の絵は繊細ながらも力強いものがこもっていた。でも今の絵はそれが弱くなっている。

あとは絵の具も若い……っていうのかな。元の絵はもっと静かな感じだったと思う。でもこっちはやや棘がある。

ここはいわゆる経年変化に近いところがあって、それが絵の味になるわけよ。もちろんそう見えるように偽装してはいる。


いるんだけど、門外漢なサリさんでも分かるレベル。つまり……これ、遅かれ早かれ騒ぎになるんじゃ。


”デバイスのサーチすらもかいくぐる贋作ですか、我が身を考えるとゾッとしませんね。
ですが蒼凪氏や主が気づいたという事は、芸術に造詣の深い人間――鑑定士などであれば”

”一発で分かるレベルだ”


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


古鉄≪こうなるわけですか≫

恭文「おぉフェイト、ぽかしてしまうとはなさけない」

フェイト「ち、違うよっ! ほら、別の事件な可能性もあるしっ!」

恭文「残念ながら、そんなのはない」

フェイト「あるよー!」


(ぽかぽかぽかー)


恭文「それではまた別のお話です」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


依頼主はヘンリー・シンプソン――性別は男性で、年は30歳。それが今回の依頼主。

現在売り出し中の画家で、実はクラリス美術館にも絵が飾られていた。……世の中って狭い。

そんな彼が探しているのは、彼が売れる要因となった女性の絵。でも盗まれたわけではないらしい。


あくまでも紛失届とか、そっち方向なのよ。だからこそ局もこれを事件にするつもりはない。

だけどその捜索担当となったギンガさんは、どうすればいいかと頭を悩ませている。

自分は絵画知識もさっぱりで、話を聞いても不明瞭なところが多い。……僕からすると、ギンガさんが不明瞭だよ。


どういう事かと聞いても、『自分が話すより本人から聞いた方が早い』って言うだけだし。

とにかく問題の絵はネットで調べたところ、意外と早く出てきた。タイトルは『愛する人』。

キャンバスの中で金髪ストレート髪の女性が、キンモクセイの樹の下で空を仰いでいた。


画像だけでも鮮やかさと儚げさ同居している色合いで、実に素敵だった。絵全体が、金のシャワーって感じかな。

改めてそこを携帯で確認しつつ、ギンガさんと二人住宅街の中を歩いていた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「こちらも書き下ろしとなっています。まぁ当然他にも書き下ろしはあって」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「プロデューサー、すみません。なんだか私達に合わせてもらっちゃって」

「大丈夫よ? こっちも初心者だし、むしろ練習させてもらって助かる」

「……はい」

「そこの辺りは……銀さん」

「まぁ任せとけって」


当初の予定通り銀さんは春香達とチームを組む。なのであとはお任せなんだけど……なんか不安だ。

銀さんは自信満々に胸張ってるけど、元プロデューサーとしては若干の不安がある。


「これでも俺はゲーマーだからな、ウィザードリィで何度壁に閉じ込められたか」

「せめてガンダムゲーの話をしてくれますっ!? ……てゆうか銀さん、今日はなんかおとなしいですね」

「さすがの銀さんも、アイドルの前だから自重してるのかなー」

「してねぇよ。てーかあれだ、俺達はもうツーカーだぜ? ゲームのPVでコラボしたしよ」

『はぁっ!?』


それが例のすごろくだと気づくのに、僕達は数秒かかった。結果……ハリセンでバシッとやっちゃった♪

銀さんに春香達を任せ、『セクハラしたら八つ裂きにする』としっかりお願いもした。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「プロデューサーさんっ! コラボですよ、コラボッ!」

春香「プロデューサーさんまで真似しないでくださいー! あれ、PV見てびっくりしたんですよっ!?」

古鉄≪さすが銀魂、本人にはリアルドッキリですか。
まぁガンプラビルダーズのお話も……今回でおしまいです≫

恭文「元々3話で終わるOVAだしね。しかも一話15分前後」

古鉄≪そんな中、あの人達は≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「――だからな、やっさんの事だし『初心者の練習中心だから』ーとか言って、序盤はあんま攻撃してこないわけよ」

「は、はぁ。まぁその、そう言ってましたよね。ね、千早ちゃん」

「えぇ」

「そこを狙って集中攻撃ですよ、集中攻撃」

「私の口癖取らないでくださいっ! あと声真似はいらないっ!」


……ご覧の通りです。私達の練習に付き合ってくれる感じなのに、とんでもない裏切り行為をかませと仰ります。

というか……この人駄目じゃないっ!? 大人として、こう……余裕とかっ!


「というかそれ、卑怯じゃ」

「あぁ? おいおい、なに言ってんだよ」


千早ちゃんの一言で、銀さんは見るからに悪そうな顔をして鼻で笑う。


「向こうは進んで練習台になろうとしてくれてんだから、その気持ちは受け取らなきゃなぁ。
てーかあれだ、これはチーム戦の練習だ。俺達は連携を頑張るだけなんだよ。
頑張った結果、さくっと勝っちゃうだけだからね? 俺達。汚い事なんてなにもしてないんだからさぁ」

「訂正します。卑怯というか外道じゃないですか」

「大丈夫大丈夫。……勝てばいいんですよっ! 勝てばっ!」

「だからいちいち私の真似をしないでー! あれですか、コラボしているからですかっ!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「なんて外道なっ!」

古鉄≪あなたにだけは言われたくないと思いますよ? あなただって十分鬼畜外道でしょ≫

恭文「失礼な。僕は清く正しい天使だって、読者のみんなは知っているよ。
……さてさて、書き下ろしの話はここまでにして……本編行きましょうよ、本編」

春香「もはや自然に真似されてるっ!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


萩原雪歩――765プロ所属のアイドル。年齢は16歳で、気弱で男性恐怖症気味な子。

僕との距離も少し縮んだけど、まだまだで……そんな雪歩には一つ大きな問題があった。

それは父親が、アイドル活動に反対しているという事。ではなぜ事務所に所属しているのか。


なんでも雪歩から事務所の門を叩いたらしい。臆病な自分を変えたいから、アイドルになりたいと。

社長はやっぱり『ティン』ときたらしく、その場で採用を決定。そして今に至る――が、ここで父親の存在が出てくる。

それで今すぐ事務所を辞めさせるとかなんとか言い出して、社長へ詰め寄ってきたらしい。


外へ出ていたのはそのためかと納得しつつ翌日――僕は社長とともに、萩原『邸』へやってきた。

そこは都内にあるかなり大きな和風邸宅で、庭もかなりの面積。雪歩、やっぱり箱入りお嬢様かぁ。

ただ問題があるとするなら、その箱が若干おかしい事だろうか。……門のところに『萩原組』って書かれてるのよ。


「……社長」

「なんだね、プロデューサー」

「いつからこの事を」

「うむ、萩原くんのご両親とお会いした時だね」

「そうですか」


へぇ、そうなんだ。そこ知った上でこれなんだ。ほんと、どんだけ神経図太いんだろ。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


春香「……プロデューサー、またフラグ立てるんですね」

恭文「まだ分からないよ、これっ!」

春香「じー」

古鉄≪疑われてますよ、思いっきり≫

恭文「しょうがない。春香、バナナあげるから」

春香「私は子どもですかっ! そんなんじゃ買収されませんよっ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「……さすがにその、アイドルに混ざって踊るのはキツい」

「いやいや、外見的には違和感ないっしょー。兄ちゃん小柄で、女顔だしー」

「うっうー! プロデューサーさんも一緒で、とーっても楽しかったですー!」

「誰が」


ヤスフミはそこで亜美ちゃんの背後へ周り、両拳で頭をぐりぐり挟み込む。


「マイクロブラックホールだって……!?」

「そんな事言ってないー! 兄ちゃん、体型気にし過ぎだってー!」

「なんだろ、この編成はどっかで」

「えぇ、私もどこかで」

「シルビィさんもトレーナーさんも、どうしたんですか?」


私がそう聞いても、二人はただうーうー唸るだけ。そうして数秒経ち。


「「岡女っ!」」


二人は顔を見合わせ、お互いを指差し合いながらそんな事を言う。


「おか……はい?」

「岡女よ岡女っ! 岡村隆史さんが、モーニング娘とかと踊ってるのっ!」

「そうだ、アイドルグループに混じって男の人が踊るって、まんま岡女だわっ!」


岡女……なんだろう、意味が分からない。そもそも岡村隆史さんって誰?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで僕、岡女になります」

春香「意味が分かりませんっ!」

恭文「春香、どうしてそう全ての物事に意味を問おうとするのよ。
世の中にはそうして分からない事はたくさんあるよ? これはその一つだ」

春香「どんな言い訳ですかっ! つまり意味がないんですかっ!? イミフなんですかっ!?」

恭文「そうですねー」

春香「やる気を出してー!」

やよい(スマプリ)「春香さん、そんなんじゃ駄目ですっ!」

春香「いきなり新キャラ出てきたっ!」

やよい(スマプリ)「ここは妹キャラな私におまかせをっ! ……お兄ちゃん、やる気出してほしいなー♪」

恭文「帰れ」

やよい(スマプリ)「拒絶されたー!」

春香「それも迷いなくっ!」

古鉄≪あざとイエローだからですね、分かります≫


(というわけで、幕間第9巻をお楽しみにー。
本日のED:天海春香『乙女よ大志を抱け』)





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