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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とまとのグルメ第1巻経過報告:02(サンプルあり)(2018/3/30)




古鉄≪というわけで、本日発売したとまとのグルメ第1巻、ご購入いただいたみなさん、本当にありがとうございます≫


(ありがとうございます)


恭文「本当はもう一つサンプルを出す予定だったのに、作者がとまかの最新話の描き直しで力尽きたから……」

古鉄≪相変わらずスケジュール管理がガタガタですねぇ。まぁそんなわけで、ようやく暇な月末に入ってサンプルです。
こちらでは前回の経過報告から、いろいろ追加した部分をお見せできればと思います≫

恭文「それではどうぞー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


世界は灰色だった。
温かいものも、優しいものもなくて……僕は、一人で。


「ちくしょお、あのガキ……どこ行きやがった!」


両親は離れていった。ただお金だけが、僕の元に残る。

後は……ちょくちょく、暴力的な奴らに絡まれる毎日。


「大人を舐(な)めやがって! 弟の敵は」


……コンクリートブロックを両手で持ち、フルスイング。そのとき、イメージする……それが命中すると。

本来なら子どもは大人に勝てない。でも、想像する……自分が勝利する未来を描く。

そうすると、未来の方から近づいてくれる。いつもそうだ……だから確信している。


これは、命を奪わない程度に……奴の心を挫(くじ)く一撃になると。僕にはその光景がもう”視(み)えている”。


「な……」


投てきしたコンクリートブロックは、パンチパーマの脊髄に見事命中。それを砕きながら、地面に倒した。

続けて疾駆――狙いはスーツ姿で、二メートルはある巨体。


「てめぇ!」


その伸びる両手をすり抜け、右掌底。股間を強打すると。


「う……」


男が呻(うめ)いて倒れるので、すかさず右足を両手で引っかけ、うつぶせに倒す。


◆◆◆◆◆


それは、ちょっとした遊びのつもりだった。


うちの組にいる若い奴ら、そのうちの一人が相談してきた。

粋がっている弟が返り討ちに遭い、仲間十数人と揃(そろ)って歩けない体になった――。


しかもそれをやったのが、十歳にも満たないガキ。

正当防衛が成り立っているため、警察にも頼れない。

しかもネットや周囲に噂(うわさ)が広まって、メンツも完全に丸つぶれ。


それで乗り出したわけだ……うちの組にもメンツがある。舐(な)められっぱなしは筋が通らない。

調べてみるとガキの家は、結構裕福だった。大富豪ってわけじゃないが。

両親はうちに寄りつかず、学校でも嫌われ者。やたら口が立つ上、嘘が通用しない。


結果一人ブラブラとしている、捻(ひね)くれた不登校児。

……ちょうどいいチャンスだ。そのガキを痛めつけ、金をゆする。

組もでかくしたかったし、ちょうどいい……そう思っていた。


そう、侮っていた。一人、また一人……梅雨が明けたばかりで降り注ぐ、そんな雨の中……うちの組員が”消されていく”。

やられた奴の傷を見て、ようやく理解する。


(……コイツはプロの仕事だ)


◆◆◆◆◆


その子は、とても優しく……絵のセンスが酷(ひど)いこと以外は、よく笑う明るい子だった。

保育園から幼稚園、今に至るまでずーっと一緒。でも……それが変わったのは、あの子のお父さんとお母さんが離婚してから。

明るかったのに、笑わなくなって……優しい子だったのに、どんどん酷(ひど)いことを言うようになって。


何日も同じ服を着ることもあったし、匂いが気になることもあった。それに、怪我(けが)をしてくることも……明らかに変だった。

でも、先生や警察の人に相談しても、誰も何もしてくれない……学校で話しかけても、もう笑ってくれない。

そのうち、あの子を疎む子が現れて、いじめがあって……それで、あの子は反撃をする。


……相手の子が怯(おび)えて、学校に来なくなるくらいに。

しかも親が文句を言ったら、やり返しただけど……徹底的に論破する。

大人のはずなのに、あの子に言い負かされて、逆ギレして暴力を振るって……返り討ちに遭う。


それは先生達も同じ。それで、そのうちあの子は学校にもこなくなって……悪い噂(うわさ)が流れ始めた。

高校生や大学生……悪い大人達が絡んできて、喧嘩(けんか)して……それも返り討ちにしてるって。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

恭文「え、何よ。唯世の誕生日でお友達的扱いを受けたのがショックだったの? おのれの自業自得なのに」

古鉄≪猫男と二股状態、変わらずですしねぇ≫

あむ「そうじゃないし! ご飯を食べる話はどうなったの! これはなんなの!」

恭文「まぁどっかで言ったと思うんですけど、現在はいろいろ試行錯誤中。
基本は一話完結、または文量を二つに分けての短編二話完結って体ですけど、これはその一つ」

古鉄≪こんな状況から、果たして出てくる食事は何か……これはある意味次からの話へのネタ振りとなってもいます≫

あむ「そうなの!?」


(そうなの。時間が……年や環境が変われば、食事風景やそこに至るまでの流れも変わるのです)


恭文「まぁこのシーンの意味や流れは、本編を読んで頂ければすぐ分かると思います。
それで続いては……作者が”初めての〇〇〇〇”を敢行して、何とか書き上げた本作オリジナル短編です」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


そのお店は、346プロの最寄り駅近くにあった。

駅から五分もかからず、一車線道路の脇に佇(たたず)むチェーン店。でも、初心者な私には敷居の高い印象。

マンションの一階部分なんですけど、入り口がちょっと奥まったところにあるんです。これだけで、隠れ家的な印象が……!


それでも勇気を出して、一歩一歩かみ締めるように進み……その重たいドアを開く。


「いらっしゃいませー」


その途端に明るい声が掛けられる。時刻は十七時三分。お店は開店直後で、人の気配は店員さん以外一切なし。

店内は証明がやや抑えめで、実に大人な雰囲気。木造の床やテーブルもシックな色合いで、つい息を飲む。


(いえ……)


でも足を踏み出す。堂々と……こういうの、慣れているんですーって感じで!


(私は、大人の女になるんです!)


臆してはいけない! ふだんの……家の近所にあるお店と全然違うけど、ここは堂々と!

私は、ただお肉を食べたいだけなんです! ただの肉食女子高生なんです! はい!


◆◆◆◆◆


「……園崎くん、一応聞くが……これは、どういう趣旨で」

「ふ、疑問ならばお答えしましょう! 我が部の精神とは、この過酷な現代社会を如何にたくましく生き残るために」

「ようは精神修行ですよー。勝つために鍛えられ、負けても過酷な罰ゲームで鍛えられ……一石二鳥なんです」

「ちょ、レナー!」

「そのために私、諸星くんに頭を撫(な)でられたのかぁ!」

「「「はい」」」

「断言するな馬鹿者どもがぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


はい……今回の罰ゲームは、みんなが思いつくままに書いて、負けたらそれでくじ引きって感じでした。

そうしたらまぁ、揃(そろ)いも揃(そろ)って遠慮なしで……!


凛ちゃんはきらりちゃんの物まねを今日一日やるハメになり、その結果美嘉さんと石川さんの前で披露させられ――。

未央ちゃんは鼻から牛乳を飲もうとして、危うく溺死しかけ――。

みりあちゃんはガラスの引っかき音をヘッドホンで聴かされ――。

かな子ちゃんは『お菓子一週間禁止(調理含む)』と言い渡され――。

莉嘉ちゃんは長山専務の頭を撫で撫でしろと、突撃させられ――。


他にもエトセトラエトセトラ……誰も彼も一切の加減なしで書いてしまった結果が、この有様です。


「とにかく! 趣旨はまぁまぁ分かったが……他部署に迷惑を掛けるような行為は一切禁ずる! あと、上役にいろいろ誤解を呼ぶようなこともな!」

「了解しました。つまりそれ以外はOKということですね。本日は御迷惑をおかけしてしまって、大変申し訳ありませんでした」

「うむ……え、あの……ちょっと待ってくれ」

「どうしました、専務」

「その解釈の仕方、凄(すさ)まじく不安なんだが……!」


◆◆◆◆◆


黒く分厚い表紙を開き、色鮮やかな肉達と御対面。

いよいよ……いよいよ、私も大人の仲間入り! 一人焼き肉デビューなんですね!


大丈夫、予定はキチンと決めています。まずはネットで見た『大皿』を注文。

大皿は二千円前後で、いろいろなお肉をちょっとずつ食べられる。食べ放題よりもちょっと安いんです。

焼き肉屋さんの量も分からないし、それでお試しって感じで……! あとはご飯! 絶対ご飯!


焼き肉にご飯は……あ、でもすぐお腹(なか)が一杯になりそうだし、最初はお肉だけでいいかな。


それじゃあ大皿を……!?


(あれ……)


メニューをパラパラとめくりながら……何度もめくりながら、ゾッとする。


(あれあれ、あれ?)


タン、カルビ、ロース、ホルモン、飯・麺類、スイーツ、食べ放題コース………………いろいろあるけど、その中に、ない。


(大皿が、ない……!?)


いきなりのトラブルにゾッとしながらも、と、とりあえず挙手……挙手ー!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あむ「卯月さんが一人焼肉!?」

恭文「なぜこうなったかは、やっぱり本編をチェックチェック!」

古鉄≪でも卯月さん、よく入れましたよねぇ。焼き肉屋って大体夕方からですし、学生一人はキツいでしょ≫

恭文「しかも卯月、童顔で幼く見えるしね」

あむ「いや、アンタにだけは言われたくない!」

恭文「はぁぁぁぁぁぁ!? 僕はキアヌ・リーブスそっくりなダンディーだっつーの!」

あむ「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


(そしてどったんばったん大騒ぎ………………の裏では)



志保「………………まぁ、恭文さんと日奈森さんはいつものこととして……今日は福田のり子さんの誕生日。
本編内ではまだ顔を合わせていない私達ですけど、それでもお祝いということで盛大に」

のり子「ありがと! でも……うぅぅぅぅぅ! まさかプロデューサーやみんなが、欲しかったバイク用荷台にテント、シュラフをプレゼントしてくれるなんて!」

奈緒「ゆるキャンの影響、受けまくっとったからなぁ……」

志保「ただ、実際に女性一人でキャンプは危ないかもしれませんし、最初は複数人で……となると、やっぱり」

美奈子「恭文くんー、出番だよー。ほらほら、喧嘩してないで一緒にご飯を食べようよー」


(なお本編軸でのり子が出るのは、美城動乱編以後……そう、シアター計画です。
というわけでとまと同人版の方、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:かぐや姫『神田川』)






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