作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第14巻経過報告:02(サンプルあり)(2018/2/25)
古鉄≪というわけで、とまと幕間リローデッド第14巻のサンプルです。こちらでは残りの幕間をさくっとお見せできればと思います≫
恭文「改めていろいろ勉強が必要だと感じた今日この頃――それではどうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
少しずつ起き始めている動乱の気配。改めてどう動くか……幾つかの想定を踏まえたところ、もう一つ確認事項がある。
「それともう一つ……こっちは美城とは関係なく、シアター計画に絡んだことなんですけど」
『あぁ』
「やっぱり765プロアイドルにも、ガンプラバトルでの活躍を……って要望は出ますよね」
『もちろんだよ。如月くんに続く形で……というのは、どこの思うところだと思う』
だよねぇ。やっぱ予定通りに動いた方がいいかなぁ。直前になって慌てるのも嫌だし。
『社としても、765プロアイドルには新しいバトルシステムの宣伝には是非協力してほしい。
……あ、もちろんそちらの運営理念と、君の教え方も分かっているので、アイドルに無理がない形で……だが』
「そう言ってくれると助かります」
『ただ、それについては大会運営の協議が済んでからだろうね』
「というと」
『実はニルス君と杏君、娘の提案で、世界大会を二つに分けられないかと……未成年者を対象としたものと、今までのようなオープントーナメントに』
「……フラナ機関の問題ですね」
『その通りだ。その場合、君がいろいろと複雑な立場に追いやられるが』
「いえ、それについては僕も賛成です」
フラナ機関の馬鹿によって、アイラは人体実験に等しいことをさせられていた。チーム・ネメシスもその後押しをした。
未成年者で、身よりもいなかったアイラを利用して、ガンプラバトルという興業で栄誉を掴(つか)もうとしたわけだ。当然許されていいことじゃない。
◆◆◆◆◆
「――アンケート!?」
「えぇ。今事務所に所属している未成年メンバーの親御さんを対象に。内容は今も言った通りです」
ギョッとする社長と専務達は気にせず、サクッと作った草案を見てもらう。
差し出した書類の内容を見て、二人は更に戸惑った表情を浮かべた。
「今後、ガンプラバトルは765プロアイドルの仕事として大きな比重を占めていきます。当然できるメンバーには、相応の結果も求められる。
世界大会などの結果も鑑みると、環境整備にはある一定のラインが存在します。
そこまでの環境整備を親として、家族として整えることができるのか……ざっくり言うとこんな感じですね」
「まぁ、そうだね。アンケートの中身もよく作られているし、聞きたいことは分かるよ。だがこれは……引っ越しも視野に入れてるじゃないかぁ!」
「えぇ」
断言した僕に戸惑いながら、専務が社長を見やる。
「蒼凪くん、私の方針としては、そこまで要求するのは認められないよ」
「分かっています。でもそれを、今のうちにデータとして作っておきたいんです」
「シアター計画に向けて……そう解釈しても」
「解釈してもというか、そのものズバリです。今までは身内ばっかりでしたけど、事業拡大に向けて新しい人も入ってきます。専務だってその一人」
専務が自分を指差すけど、すぐに『それはそうだ』とその手でおでこを叩(たた)いた。
「あー、うん……そういうことか。新しい人が戸惑わないよう、アンケートなどでデータを作り、指針≪マニュアル≫を改めて定めると」
◆◆◆◆◆
美城の改革は遅々として進まず、旧文明≪ディストピア≫の業が深いことを思い知る。が……私は決して負けん。
燃え上がる永遠の炎≪エターナルブレイズ≫は、崇高なりし神話≪レジェンド≫を紡ぐため。
正義≪ジャッジメント≫の志は折れぬ……決して折れぬ。それこそが、私の目指す美城だった。
今日もその決意の元、職務に勤めていると……一本の電話が入る。
「私だ」
『その、常務にお会いしたいという方がいらっしゃっているのですが……アポイントメントはなしで』
「誰だ」
『えっと、第一種忍者さんで……キンケドゥ・ナウ、さん?
何でも、シアター計画の件で至急説明したいことがあるとか』
「誰だ。アポイントメントくらいは取れと」
「それが、その……常務が政治家にガン無視されている理由も知っていると」
……その件は父にも言っていないことだった。受付の人間も戸惑い気味で、むしろ私に確認をしている様子。
妙な胸騒ぎはしたものの、このままその男を放置して、神話≪レジェンド≫の邪魔をされてもかなわない。
「通せ。あと……その男が言ったことは、今すぐに忘れろ。いいな」
『は、はい』
しっかりと威圧した上での返事に満足し、内線を切る。……しばらくして出てきたのは、黒髪で左目に傷を持つ男。
白いノースリーブスーツを颯爽(さっそう)と着こなし、右手には手袋。
だが恐ろしいことに……手袋と袖の間から、金属の節が見えていた。
「初めまして、美城常務。いやー、本当に突然すみません。何分急を要する話題でしたので……あ、これは資格証です」
身分証明……名刺代わりに資格証を出してくるので、それを受け取りチェック。……確かに本物のようだ。
一応こちらも名刺を渡すと、丁寧に受け取ってきた。
「で、どういう用件だ」
「結論から言いますと、あなた方のシアター計画参入は不可能です。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、十月頃ののんびりとした時期のお話です。第八回世界大会編に向けてのネタ振りもしつつ、変わっていく765プロの状況もお知らせ」
古鉄≪時間軸的にはミカヤさんが来る直前ですね。実は鮮烈な日常・第一部で、ちょっとしたネタ振りもしています≫
(ディケイドクロスが終わったから、穴を埋めようと頑張った結果……)
恭文「はいはい、それはさっき言ったでしょー」
古鉄≪次巻ではあれですね、ビルドファイターズA-Rの第六回世界大会編とかできたらいいですね≫
恭文「あぁ、あれもきちんと仕上げたいよねぇ……」
(原作とはいろいろ差異もできたので)
恭文「では、次巻の話はここまでにして、続きをどうぞー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『人生の門出に――冴木結婚式場』
テレビで結婚式のCMが流れた。煌(きら)びやかなウェディングドレス、恥じらいながらも美しい花嫁……それを見て僕は。
「やよいと星梨花もいずれ、こんなふうに結婚して……やよいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ! 星梨花ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
思いっきり蹲って、号泣……号泣! だって、だって……天使が、天使が幸せになってー!
「ヤスフミ、お前……」
「プロデューサーさん、泣かないでくださいー」
するとやよいは僕の左側から肩をポンと叩(たた)き、いつもの笑顔を浮かべてくれる。
「あの、大丈夫です! そのときは、プロデューサーさんにも必ず紹介しますから!」
「やよい……! そうだよね、義兄妹の契りは変わらないよね」
「はい!」
「いつそんな契りを交わしたの!? やよいちゃん、前にも言ったと思うけど……それはやめた方がいいわよ!」
「そうですよ!」
するとなぜだろう。小鳥さんと志保が実に不満そうだった。
「この人、確実に潰していきますよ! 自分に勝てないならーとか言って……赤の他人なのに!」
「赤の他人じゃない! 僕にとって二人は天使だ!」
「あなたはもっとも縁遠いところにいるでしょ!」
「おのれよりは近いよ!」
「なんて腹の立つことを言い切るんですか!」
◆◆◆◆◆
――――すると、そこで事務所のドアが勢いよく開かれて。
「た、たたたた……大変だぁ!」
「すみません、プロデューサーさん! トラブルの時間です!」
高木専務と春香が、慌てた様子で飛び込んできた。
「どうしたんですか、専務……春香も」
「そうですよ。確か雑誌取材だったんじゃ……あ、もしかして春香がどんがらして、また誰かを奈落に」
「とーっととととととととと! その、容易(たやす)く人のトラウマに触れるのはやめてもらえますか!? 違う、そうじゃないんですよ!」
「実は……ほら、常務」
「失礼、する……」
そこで専務が一旦外に出たかと思うと、強引に誰かを……というか、あの女を引っ張ってきた……!?
『――――――美城常務!』
そう、僕達に散々失礼を働いてくれた、あの無能専務だった。
「その……どうも」
『今西部長!』
更に今西部長まで………………部長だけじゃなくて、もう二人追加された。
「ごめん、恭文……お邪魔するね!」
「失礼するッス!」
「美嘉! 石川さんまで!」
あははは、これ何! 専務ー!
「プロデューサー、天海くんが言っていたんだが、君は海外事情にも詳しかったね」
「えぇ。あっちこっち回ってましたから」
「なら――」
◆◆◆◆◆
「海の幸の前菜盛り合わせ。スモークサーモン、キャビアのパイ、ウニのラビオリです」
ボーイさん……もとい、ウェイターさんが運んできた前菜。
品良くそれぞれ一口サイズに並べられた素材を見て………………ギョッとする。
「キャビア……!?」
(み、美嘉……美嘉ぁ……!)
小声で石川が話しかけてくる………………ちょ、石川!?
顔が真っ青なんだけど! その似合わない……というか、ほとんど意味を成していないオールバックが弾(はじ)けそうなんだけど!
(どう、しよう……)
(何が?!)
(キャビアなんて、食べたこと、ない……!)
(それはアタシも同じだよ!)
(というか、このフルコースな感じも……もう俺、ゴールしていいよな)
(駄目に決まってるじゃん!)
というかこれ、ナイフとフォークで……だよね! そんなテーブルマナーも覚えてないよ!?
うちは飽くまでも一般家庭で、こんな高級ぶった食事とか、ほとんどないから! ラーメンショップがお似合いの一家だから!
石川だってそうだよね! 本牧(ほんもく)ギャングでぶいぶい言わせていた頃から、全力で庶民派だったわけだし!?
ウェイターさんがこぽこぽと、みんなのグラスにワインを注(そそ)ぐ。……あ、もちろんアタシはミネラルウォーターです。
でもその、こぽこぽーって音が爆弾のカウントダウンみたいに聞こえる。どうしよう、こんなに怖い食事は初めてかも。
つーか美城常務ェ……!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「星梨花ぁ……やよい……幸せにね……ぐす」
古鉄≪あなた、いい加減元に戻ってくださいよ。なんで家族面なんですか≫
(気分は娘を嫁がせる父親)
恭文「なおどうしてこうなったかは、やっぱり本編をご覧になってから……奇麗だよ、二人ともぉ」
フェイト「何が見えてるの!? しっかりして! 現実に戻ってー!」
(閃光の女神、見かねてぽかぽか……ぽかぽかー)
恭文「フェイト、気持ちは分かる。でも送り出してあげよう? 二人は幸せへの第一歩を歩んで」
フェイト「私まで巻き込まれてる!?」
(蒼い古き鉄はこんな調子ですが、幕間リローデッド第14巻は明日(2018/02/26)販売開始。みなさん、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:星野源『Family Song』)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!