作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第13巻経過報告:01(サンプルあり)(2018/1/22)
古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第13巻は多分二十八日とかそれくらいに発売予定。
今回は本編幕間三話が仕上がったので、そちらのサンプルをお見せできればと思います≫
(なお幕間はもう一話あります)
恭文「今日は雪がたくさん……だから庭先でかまくらを作って、あったかお鍋です。なのに」
シャンテ「恭文、もっとくっつこうね。それであたしを身体の奥から改めて?」
恭文「なんでおのれがいるの!?」
フェイト「私が奥さんなのにー!」
アブソル「むぅ……お父さん、取っちゃ駄目」
(蒼凪荘のアブソルさん、ちょっと膨れ気味)
シャンテ「えー、今日くらいいいじゃんー。だってさ、今巻はいよいよこのあたし! お嫁さんシスターなシャンテが大活躍」
恭文「しないよ」
シャンテ「え……」
恭文「しない……おのれの試合、次巻に持ち越し。それで熱闘編第一部は終了」
シャンテ「なんでさぁ!」
恭文「尺の問題だよ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『レディセット――ファイト!』
鳴り響いたゴングを迎え撃つ。その途端にデコ眼鏡はデバイスを右薙一閃――。
「アレスティングネット、展開!」
赤いミッド式魔法陣が背後に現れたかと思うと、四つに分裂。その途端に手錠型のデバイスが返され、逆風に震われる。
「捕縛開始ぃ!」
一つにつき三つずつ、合計十二の鎖付き手錠≪チェーンバインド≫が射出。赤い魔力でできたソイツらを、右拳を引いて迎え撃つ。
動きは鋭い……いちいち回避しても逃げ場がなくなって追い込まれるだけ。だったらぁ!
「は! 案外派手だが、こんな鎖如(ごと)き」
「甘いですよ、ハリー選手!」
そこで、背後に赤い魔力光がぼんやりと生まれる。横目で見やると、そこからは四つのチェーンバインドが……!
砲撃を放つ前に両腕をがっしりと捕縛して、モーションキャンセル。
ちぃ……転送と遠隔操作か。去年に比べて随分速ぇ!
「ホールドフィニィィィィィィッシュ!」
その間に、他のバインドも次々と着弾。オレの足や腕、足首……体に巻き付き、動きを封じてくれる。
「くぅ……」
「あぁ、鎖を引きちぎっても無駄ですよ? パニッシャーはむしろリングの方に高速効果があるんですから。逃れる方法はありません」
「アホがぁ! だったら――」
魔力を体内で練り上げ、身体を展開しているバリアフィールドに付与。ただし、チンタラやるのは愚策。
イメージしろ。一気に燃え上がる火薬を……力の爆発を!
「こうすりゃあいいんだぁ!」
燃ゆる炎のような……オレンジと赤が混じり合ったオレの魔力。フィールドが可視化されるほど高まった魔力が、瞬間的に爆発。
それが拘束力を持つパニッシャーを、その補助として働いていた鎖を全て引きちぎる。
「なぁ!?」
◆◆◆◆◆
デコ眼鏡はお尻から尻尾みたいにバインドを展開。
オレも右拳をかざし……!
「おりゃああああ!」
四連バーストバレット≪速度重視の連射砲撃≫をぶちかますが、あのちっこい身体を生かした速度で、ジグザグ走ってすり抜けてくる。
当たりそうなものはバインドを展開し、先をぶつけてたたき潰す……って、さすがにあれは悔しいぞ、おい!
そうしてこっちの懐へ入り、右ストレート……手錠を握って叩(たた)きつけるのは、正義を問う奴の行動じゃねぇ。
そう思いながらも左スウェーで回避すると、奴は脇を抜けながらも着地して反転。そのまま身を二度翻しながら左回し蹴り。
左腕でガードしてから右ストレート……避けられてすぐ、また奴の回し蹴りが飛ぶ。
こちらの死角を取るように回り込みながら、一発、二発、三発と跳ねるような動きで拳と蹴りの連打。
それを腕でガードしてから、足下に蹴り。ジャンプして避けられたので改めてハイキック。
が、デコ眼鏡は瞬間的に虚空を踏み締め二段ジャンプ。飛行魔法……じゃねぇ! 虚空に魔力を蓄積しての跳躍!
魔力テンプレートでの足場作りも禁止されてねぇから、ぎりぎりグレーゾーンって感じか!
驚いている間に、また奴は回転しながら左回し蹴り。両腕でガードするが……回転の勢いも加味されていて、くそ重ぇ。
◆◆◆◆◆
「でも恭文、どうして今更魔力変換の説明を?」
「リオと戦うかもしれないしね、改めてのおさらいだよ。……実は、魔力変換には裏技がある」
「裏技?」
「ただ、僕は使えなくて……リイン」
「はいです」
そう、僕は苦手……でもリインは使える。だからリインは両手を開いて息吹。
右手に空色の炎熱、左手に同じ色の氷結魔力を変換させた上で、胸元でパンと合わせる。
その瞬間、それぞれの属性魔力が相互反応を起こし、火花を走らせながら破裂……白い蒸気が周囲に立ちこめた。
「これは……恭文のホワイトミスト」
「結果は同じですけど、過程とその原理は違うです。これは炎熱と氷結を組み合わせて作る≪対消滅≫」
「ちょっと、それって……」
「そう、粒子と反粒子のアレと、原理は同じ。どちらも熱を操作する能力ですから、プラスとマイナスをぶつけ、相殺した際のエネルギーを活用するです。
なお、前に話した次元航行艦の対消滅もどきについても、この原理が活用されているですよ」
「今出したのは、初歩も初歩……霧の効果だね。それでりまが対処するのは、恐らくこっちになる」
今度は右手に炎熱、左手に電気を発生させ、合わせていく。すると、どういうことだろう……。
炎との揺らめきが電気によって芯を通されたようになり、電気もまた炎の熱を受けて、その輝きを強めていく。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、何やら新用語やら設定も出しつつ試合週刊は進みます」
シャンテ「え、嘘、嘘……本当にあたしの出番がない! どうして!? なんでぇ!」
恭文「尺の問題って言ったでしょうが!」
(ごめんなさい。それを含めるとあと二話は必要になる)
恭文「まぁ第一部のトリはおのれだし、別にいいじゃないのさ」
シャンテ「よくない! こうなったら……あたしの大活躍シーンを追加だ!」
アブソル「なら、わたしも出たい。お父さんと本編でもぎゅーってしたい」
ラルトス「ラルトスもー」
旋風龍「御主人様、蒼凪荘のメイドラゴンもお忘れなく!」
恭文「あ、うん……はい」
フェイト「ヤスフミ、押し切られていいの!?」
(アブソル達がいる関係で、強く言えないらしい)
シャンテ「だからまずはあたしだって! そう……こんな感じで!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
プライムマッチ終了の翌日――今日は学校の日。授業が終わって早めに帰宅すると。
「ただいまー」
「ただいま! ではおやつの時間だ!」
「その前に手を洗おうぜー」
「というか、お姉様は自重してもいいのでは」
「おかえりなさいませ、旦那様」
…………なぜか、三つ指突いて出迎えてくれた……エプロン姿の女の子がいて。
しかも、なぜか……ビキニの上から来ていた。跪(ひざまず)いて背中が見えなかったら、裸エプロンにしか見えない。
「あたしにします? あたしにします? それとも……あ・た・し?」
何の躊躇(ためら)いもなくドアを閉じて、そそくさとエレベーターまで戻っていく。
「何も見なかったことにしよう」
「だな」
「きっと幻覚だぜ。ホビーショップでもうろついて覚まそうか」
「賛成です。さすがはショウタロス先輩」
「ちょっと待ったぁぁぁぁぁぁ!」
外に跳びだしてきた裸エプロンのシャンテは、慌てた様子で僕の手を握って引っ張ってくる。
「なんで逃げるのー!? せっかく、全力のドキドキアピールをしていたのにー!」
「やかましいわ! というかフェイト……フェイトー!」
「あ、フェイトさんならジャンヌさん達を連れてお買い物中。双子達の散歩も兼ねてね。
つまり……今この家にはあたし達二人だけ! たっぷりアバンチュールが楽しめるよー♪」
「アホかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
◆◆◆◆◆
ゴングが鳴り響いた直後の襲撃。呼んでいたのでまずは回避から……それで、まず一つお披露目(ひろめ)!
ブランゼルに魔力を集束……鍔(つば)元の創成触媒を一枚消費しながら、その場で物質変換!
(見せます! みんなで練習した格闘戦技と、私のゴーレム創成≪クリエイト≫。
そして恭文さんの物質変換≪ブレイクハウト≫を重ね合わせた)
そのまま……生成された五メートルほどの拳を振り上げ、アインハルトさんにストレート!
(創成変換戦技≪マイストブレイクアーツ≫!)
当然アインハルトさんはガード……そこは分かっていたので。
「バーストォ!」
衝撃ダメージをキッチリ加えた上で、拳は瞬間的に破裂!
拳部分は散弾となり、アインハルトさんの全身を打ち据える。
手首から肘にかけての部品はより細かい塵となり、フィールド全体に渦巻いてくれた。
狙い通りの状況が生まれたので、着地した上で一旦下がり、粉じんから脱出。
足下の地面を物質変換で操作し、壁を生み出した上で……ブランゼルを掲げ、魔法陣展開。
「創成起動≪クリエイション≫――」
◆◆◆◆◆
『ラッシュラッシュラッシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥ! アインハルト選手の連続攻撃に、コロナ選手防戦一方! 見る間に体力が削られていきます!』
コロナとアインハルトの技術……格闘だけを見れば、圧倒的な差がある。
幾ら物質変換を駆使したって、直接的にアイツを叩(たた)けないんじゃ……!
「さすがに、格闘競技で物質分解は使えない」
「たりめぇだ……! くそ、押し込まれるとこうも弱いのか!」
まだコロナは、奥の手を出してねぇ。そのタイミングでもねぇ……それなのにここでやられたら。
「……はぁ!」
アインハルトの右掌底を受け、コロナの身体が宙を飛ぶ。
≪Rock Bind≫
だがそこでブランゼルが動く。鍔(つば)元が煌(きら)めいたかと思うと、いきなりアインハルトの両足がぼこっと……沈み込んだ。
いや、その身体が胸元まで、一気に落ちた。まるで落とし穴にハマったみたいに。
「……!」
アインハルトは咄嗟(とっさ)に脱出しようとするが、それは無意味。周囲が黒曜石に変化して、その身体を締め上げる。
「――叩(たた)いて砕け! ゴライアス!」
そうしてようやく……ゴーレム創成が完了。
ゴライアスはアインハルトの眼前に現れ、巨大な拳を振り上げ……というか、なんかドリルみたいに回転させてー!
「ギガントナックル!」
全力の殴打――衝撃で黒曜石と周囲のリングが破裂し、轟音(ごうおん)が会場中に響き渡る。
「……………………よぉっしゃあああああああ!」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
シャンテ「……あれ、あたしのシーンはあれだけ? またまたー、もっと濃厚な感じで」
恭文「あれだけだよ。しかも作者が哀れだからって、適当に書いたものが」
シャンテ「どういうことだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」
(まさかあれを、本気でやる奴はいないだろう。なお劇中季節は十月半ばを過ぎています)
恭文「あとは書き下ろしやディケイドクロスを何とかしていくので、お楽しみにー。
……さぁ、今日はお鍋だ! 暖まるよー!」
シャンテ「わーい! ……って、あたしの出番は!? 頑張るよ! あぶないシスターとして頑張るよ!」
恭文「その前に試合を頑張れ!」
フェイト「うんうん!」
(ごめんなさい。試合は次巻なので二月に頑張ってください。
というわけで、フルメタのスペシャル番組を見てのんびりしよう……。
本日のED:下川みくに『南風』)
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