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とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第6巻経過報告:02(サンプルあり)(2018/1/18)
古鉄≪というわけで、いんふぃにっとII第六巻の経過報告です。こちらは宵越しにG本編のご紹介となります≫
恭文「……でも、疲れたー。話が終盤に差し掛かるとスケジューリングもタイトだから、追加の話ってのもなかなか難しくて」
古鉄≪それこそBLEACHとかみたいに、潔く『あ、次回から番外編なんで!』とか宣言しないと無理ですよね≫
(実はちょくちょくやろうかと考えていた罠。でもそれはそれでストレスが溜まる……)
恭文「あれも凄い堂々とした迂回ルートだよねぇ。リアルタイムで見ていてびっくりしたもの。NARUTOとかもさ」
古鉄≪まぁおかげで幾つか思いついたものもありますし、そちらもまた次回お見せできればと思います。
なお、次巻分どころか次の次……第八巻が三話目の中程まで完成という有様≫
(合計すると九話くらいプラスされたからなぁ)
恭文「では、早速お見せしましょう。どうぞー」
レナ「恭文くん、お仕置き……忘れないでね?」
フェイト「そっか……うん、そうだよね。レナちゃん、ヤスフミとも仲良しだし。奥さんとしては改めてお話」
レナ「しなくていいですから!」
フェイト「どうして!?」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「そういや、十和田も別の友達に似てるね」
「え……私、ですか?」
「あぁ。分校を爆破するくらい……一人で思い込んで突っ走るところとか」
「ちょっとぉ!?」
「それ、竜宮礼奈のことかよ! というかアンタ、その亡くなった友達って……」
「昔の話さ」
……園崎さん、あの分校爆破で亡くなった子達と親しかったのか。亀田投手と同じように……いや、不思議はない。
何せ園崎……そう、園崎だからな。
「魅音さん、分校を爆破って……」
「なんだ、アンタは知らなかったのかい。……大災害が起きる前日……竜宮礼奈って子がとち狂って、ここの分校を占拠したんだ。
この村は宇宙人によって支配されている。それを阻止する……協力しなきゃ、分校を爆破するって脅してね。
でもその竜宮礼奈は中学二年生くらい。幾ら生徒を人質に取っているからって、そんな真似(まね)が……と思っていたら」
「県警の特殊部隊が間抜けにも、威嚇射撃を行ってさ。本当に……爆発したんだよ」
園崎さんはカップの中で揺れる、透明な酒をまた一口飲み、苦い笑みで頷(うなず)く。
「元々雛見沢(ひなみざわ)の分校はきちんとした学校ではなく、営林署の一角を間借りした学年混同型。
ゆえに営林署の資材などもあり……竜宮礼奈はそれを利用し、分校にガソリンを循環……それでドガンってのが通説だな」
「酷(ひど)い……!」
「あぁ、大惨事だ。分校生徒はただ一人逃れた生徒以外全滅。あとは生徒の親族と席を外していた教員二人って有様だ。
……それも事件の処理や事後調査がきちんと終わる前に、大災害が起きて……なんだが」
連鎖的に起きた悲劇……美雪ちゃんとも話した富竹ジロウ達の一件から含めると、ある意味悪夢のホップステップジャンプ。
その悲惨さに、乙部も目を丸くし、不快感で口元を押さえる。
◆◆◆◆◆
「ここって、お祭りの道具が仕舞(しま)ってあるはずですよね。なのに、ちょっと……おかしくないですか?」
「暗黒面って言っただろ。そもそも綿流しって祭りについても、ちょっと変わっているんだよ」
壁にはのこぎりやら、ナタっぽいものもかけられている。そういうのを見て怯(おび)える乙部は、実に正しい感性だ。
大工の倉庫ならともかく……いや、それでも納得できないか。拘束台なんてあるからなぁ。
「雛見沢(ひなみざわ)でお祭りって言ったら……鬼が人を食らうときのお祭りを言うんだ。綿流し……つまり『ワタ』。臓物を流す儀式ってことだ」
「え……!」
そう、これらは単なるオブジェじゃない………………かもしれない。実際に使われ、人の血を吸い取ったものかもしれない。
「ただ、さっきの……園崎さんの話を鑑みると、それすら正解じゃない可能性もあるが」
「さっきの? 龍ノ介さん」
「園崎さん、古手梨花……つまり最後の頭首が存命時に、話を聞いていたそうなんだよ。
古手家がこういった歴史の遺物を管理・伝承していたのは間違いないが、それも過去の事件や事故、戦争で消失。
そのせいで雛見沢(ひなみざわ)の正確な歴史を、そんな役目を背負った古手家でさえ正しく語れないってな」
「だとしても、これは……乙部くんが言うように、お祭りの道具には見えませんよ」
「……まぁな」
少なくともこういったものが、この寒村で必要になった……あれだけの扉で隠す必要があった。
そういう時代が、出来事があったのは間違いない。ただ、その詳細が俺達には計りかねているだけだ。
美雪ちゃんはそんな詳細を見据えるように、鋭い視線で道具の一つ一つをチェックする。
それはただただ震え、視線を行き場なくさ迷わせる乙部とは対照的だった。
◆◆◆◆◆
「実際、残っている伝承ではそうだ。雛見沢(ひなみざわ)には特殊な掟(おきて)があってさ。
掟(おきて)を破った村人は、見せしめに酷(ひど)い殺され方をしたんだ」
「どういう掟(おきて)なんですか?」
「外界との交流断絶だな。村に入るな、村から出るな……人の流れを雛見沢(ひなみざわ)周辺と断ち切るための掟(おきて)だ」
「それってもしかして……さっきの話から考えると、半人半鬼の血を守るため、ですか?」
「……まぁな」
実際俺もそう思っていたし、乙部もそれならばと納得する。ただ……園崎さんの話が、どうにも引っかかってなー!
それだけ宇宙人の影響が大きいってことなんだが、鬼の話もそれとどっこいと言われたら……うん。
「なら、完全にオカルト抜きで考えるのって無理なんですか?」
すると、乙部が不思議なことを言い出した。
「完全にか?」
「はい」
「それでこんな掟(おきて)を作る理由なんて、狂信主義でもない限りは考え辛(づら)いんだが……」
それもある意味オカルトだ。それほどにこの村の環境は厳しかったのか……そんな想像に思いを張り巡らせていると。
「……………………ぁ」
「龍ノ介さん?」
ぽつりと声を漏らし、さっきまでの話を……鬼を祀(まつ)る神社絡みをリピート。そうだ、俺……はっきりこう言ったじゃないか!
――そもそも鬼ってのは、一種のスケープゴート。
自分達ではどうにもならない不幸や天変地異に対して、何かの仕業と考えられ……それに対する畏れを形にしたもの――
「……説明、したよな。鬼がどうにもならない不幸や天変地異に対しての、畏れを形にしたものだって」
「え、えぇ。スケープゴート、でしたよね」
「そもそも……鬼自体は、日本(にほん)独自のものなんだよ。だがそういう超常的な『魔なるもの』……不運の象徴はどこの国にもいるものだ。
つまりだ、雛見沢(ひなみざわ)で言う鬼が……当時の村人達では解決もできない”何か”を表す言葉だったとしたら……!」
「あぁ……なるほど。そういう考え方はあるかもしれませんね」
美雪ちゃんも険しい表情で口元を撫(な)でながら、鋭い瞳で呟(つぶや)く。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「こちらでは前巻同様に、荒川さんが主軸。カーティスも基本は正体不明な”幽霊”として振る舞います」
レナ「いや、あれって」
恭文「しー!」
レナ「その必要あるのかなぁ! もう丸バレだと思うよ!?」
(それでも、しー!)
恭文「しかし、夜はまだまだ続きます。それでいよいよ……出るものが出て」
レナ「え、お化けかな……かなぁ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……っと、そうだ。園崎さん」
「なんだい?」
「捜し物って結局なんだったんですか」
「これさ。まぁ有り体に言えば、お宝の地図ってところかね」
そう言いながら園崎さんが楽しげに出してきたのは、古い巻物だった。
……それがどういうものかは、とりあえずはどうでもいい。ここが大事な切り出しポイントだからな。
「なら……これから自分の車に乗って、お宝探しか?」
「はい?」
「いや、アンタの車だよ。まさかこんなところまで、歩きだけで来たわけじゃないだろうし」
「まぁ、そうだね」
「そういや、車はどこに」
「神社の前にある道……石段の近くさ。もっと村の方よりだけどね」
ビンゴ……! だったら、この手が使えるはず……………………え?
「神社の前、石段の……近く?」
「あぁ」
おい、待てよ。村の方寄りとするなら……いや、石段の近くぅ!? それは……!
「確認するがその車って、いわゆる軽自動車か? 練馬(ねりま)ナンバーで」
「練馬(ねりま)ぁ? そんなわけないって。というかそれは」
「……私の車ですね」
だよなぁ……! ついさっき確認したし、あれが十和田さんの車なのは間違いない。
だが、そうなると……おかしいところがあるわけで。……ちらりと美雪ちゃんを見ると、実に怪訝(けげん)そうな顔をしていた。
「あのね、園崎さん……あなたの車らしきもの、どこにもなかったの」
「……へぇ」
◆◆◆◆◆
論より証拠。素早く印を組んで。
「分け身の術」
左隣にポンと煙が弾(はじ)けて……現れたのは魅音さん! それに全員がギョッとして、分身と魅音さんを見比べる。
「なんだそりゃあ!」
「忍術です」
「忍術ぅ!?」
「じゃあ、わたしの姿をしているのは……」
「獲物が野山を駆けまわれば、自然と全員が集まってくれるかなーって」
「想像以上に最低な理由だった!」
「それを確かめるためにも、レッツゴー!」
”魅音さん”は笑顔でダッシュ! そのまま集会所の玄関を出てから……まずは夜闇の中、全力で真正面の奴に接近する。
位置がバレている、そう言わんばかりの突撃で、奴らは慌てて身を起こし、銃を構えて乱射。
その様子はリアルタイムで僕に届いてくれるので、素早く直角に曲がって弾丸回避。
で、更に挑発……ここは大胆な感じで!
「ほらほら! わたしに追いついたら一発やらせてあげるよ! こっちにきな、粗(ぴー)どもぉ!」
「お前は何言ってんだぁ!」
「あ、つい口に出て……」
「アンタ、わたしに何てことを言わせるつもりだい……!」
周囲のことは気にせず……分身の効果は絶大だった。雨の中でも響き渡る銃声と、男達の怒声。
それがいつの間にか取り囲んでいた、異様な状況を浮き彫りにする。
まずは集会所を反時計回りに回る。連絡を受け、進行方向上に待ち受けていた奴らが弾丸を連射。
しかし甘い……そんな、温(ぬる)い射撃で僕(の分身)が捉えられるとでも? 射撃を鋭いスラロームで切り抜けると、男達の動作が変わった。
銃を適当に放り投げ、こちらに左手をかざす。……そのとき、雨の雫が震える。
それで見て取れた力場……放たれるプレッシャーを十字方向に走って回避。
不可視の衝撃波はぬかるんだ地面を抉(えぐ)り、容易(たやす)く突き抜け、木々を押しのけながら突き進んでいく。
◆◆◆◆◆
『出ていけ……』
……すると、そこで声が響く。
どこからともなく……降り注ぐ雨に紛れながら、地を這(は)うような声が響く。
『出ていけぇ……この村から、でていけぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ』
その声はまるで怨霊のよう……だが姿は見えない。いや、姿どころじゃない。
いつの間にか集会所の灯(あか)りやら、神社の風景すら見えなくなっていた。俺達はただ、真っ暗闇の中にいて。
『我はオヤシロ様……この村を見守りし神……神……神ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!』
「ふざ、けるな……」
『この村に人はいらない! 鬼がいればいい……しかし鬼すらいない……だから滅ぼした。だから殺し尽くしたぁ』
「どこだ! どこにいるぅ! 姿を……姿を表せぇ!」
『なのに、人がいる……お前らがいる……これでは眠れない……これでは、安寧(あんねい)が崩れてしまう……くけ』
だが、闇の中には誰もいない。俺の声を……俺達の慟哭(どうこく)をあざ笑う声だけが、響き渡る。
『くけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけけ』
そこで一つ……一つだけ、見えるものが生まれた。
「け……!?」
……それを見た瞬間、俺達は揃(そろ)って叫び、混乱し、意識を捨て去った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、廃村なのに銃を持った奴らが乱入……まぁいつものことだね」
古鉄≪そうですね、よくあることです≫
レナ「ないよ! どこにもないよ! それはただ恭文くんの運が悪いだけー!」
恭文「失礼なことを言うな。僕は幸運そのものだ! 今日だって朝ご飯は美味しかったし!」
フェイト「あ、そうだね。今日焼いた鰺の干物、よくできてたから」
レナ「そういうことでいいの!?」
(蒼い古き鉄的には問題がないようで、いい笑顔です)
恭文「というわけで、襲ってきた奴らが何者かとか、みんな一体何を隠しているかとかは……本編をお楽しみに!」
古鉄≪でもまたまたドンパチですかぁ≫
恭文「やっぱこう来なくちゃねー」
レナ「だから、ドンパチ好きなんだよね……!?」
オリオン「分かってたことだろ? 嬢ちゃんー」
アルテミス(Fate)「マスターとこてっちゃん、いっつも楽しそうに暴れるしねー」
(やっぱりドンパチは素晴らしい。そんな二人を見ながら、コタツに入ってほっこりする蒼凪荘の面々であった。
本日のED:西川貴教『Bright Burning Shout』)
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