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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第6巻経過報告:01(サンプルあり)(2018/1/17)
[TOMATO] とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとU 第6巻『明日に向かって』


古鉄≪というわけで、いんふぃにっとII第六巻の経過報告です。本編七話・特別書き下ろし三話という形でフィニッシュ。
なお書き下ろし三話は全てぐだぐだ本能寺……最終決戦です。
発売日は恐らく明後日(2018/01/19)。登録完了いたしましたらトップにてご報告いたします。みなさん、何とぞよろしくお願いします≫


(よろしくお願いします)


恭文「それで今回、全開からスタートした番外編『宵越しにG』が終了……なおその話数、六話!」

レナ「……え?」

恭文「本編中六話!」


(つまり、パイロット版からは一話のみ収録。他は全て……今回書き下ろし!)


恭文「まぁとあるシーンがHPでも使ったところなので、そのほんのちょっとだけ流用だけどね」

レナ「どこ!?」

恭文「それについてもサンプルにてご紹介を……どうぞー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「……話す前に、一個だけ言っておきたいことがあるの」


レナはそう言いながら圭ちゃんを……みんなに中心にいたあの子を見やる。

全体に向けて言っているだろうけど、自然と圭ちゃんが代表みたいになっていた。


「レナは、正しい努力をしたと思っている。……人って、幸せになるために、どれだけの努力が許されるのかなぁ……。
だからね、私、魅ぃちゃんの部活って好きなの。ほら、優勝のためには何でもしようって考え方、そういうのって素敵だと思う」


動揺などもなく、言い訳がましい迷いもなく、レナは毅然(きぜん)と言ってのける。


「だって、世の中が奇麗事で縛られていて、やっていい努力が僅かだけに決められていたなら――。
幸せじゃない人達は、ますます幸せを勝ち取れなくなる。不幸ってね……連鎖するものだと思うの。
一度続き始めると、なかなか抜け出せない。そこから抜け出すには、運とか、人の助けとか……他力本願なものだけじゃ足りない。
自分でももっともっと努力しないといけないと思うの。それも、本当に本当の精一杯。
……そこまでして、やっと掴(つか)めるのが……幸せってものじゃないかなって」


レナは一度区切り、深呼吸……空を見上げて、言葉を続ける。


「でもね、みんなに理解してもらおうなんて……思ってない。……だって、本当に汚らしいもの。
みんなだって、ついさっきぼう然としたでしょ? それはつまり、そういうことだよね……」


自虐的な、痛々しい笑顔。レナとの距離感が凄(すさ)まじく広がる……鉄格子に阻まれてたかのような拒絶すら感じる。


「でも、仕方ないよね。そういうふうにできている世の中だもの。……多分私が逆の立場でいられたなら……同じように唖然(あぜん)とした。
無責任で無慈悲な同情を浮かべていたに、違いないもの」


その、傍観者達に対する皮肉に、わたし達は何も言えなかった。そう、わたし達は傍観者。

仲間だと言いながら、ここまで……ここに至るまで、何一つ気づけなかった傍観者。


……横目で見やるのは……二つの”もの”。

初夏ということで鼻につく匂いを漂わせる、二つのもの。

生きていたはずのそれは、鮮血に塗れ、目を見開いたまま横たわっていた。


◆◆◆◆◆


「――交戦規定はちゃんと覚えているね! 被弾時の申請だけは正直に! 被弾した人は撃っちゃ駄目! 当てても無効!」

「魅音、被弾の定義を再確認したい背」

「水鉄砲で撃たれたものが被弾……くくくくくく!」


圭ちゃんが何を考えているかなど、手に取るように分かる。なので意地悪く笑い、宣告!


「捻(ひね)くれた圭ちゃんのために、更に補足するなら……水鉄砲という”容器”から出た水が、最初に触れたものが標的であったとき、被弾する!
つまり! 水鉄砲を経由した水を、バケツに溜(た)めてぶっかけても無駄ってわけ!」

「……つまり、調整中ってことか。理解したぜ」

「おいこら待てぇ!」

「さすがにそれを調整中は、苦しいのではありませんこと?」


く、やっぱりそういう手を使おうとしていたか! しかもサラッと流そうとしたし! 解釈の違いだけで押し通すつもり!?


「直接攻撃以外は駄目ってことだね。沙都子ちゃんの驚異が少し薄らいだかな」

「おーほほほ! トラップにもいろいろございましてよ? レナさんなんか、一番初めに餌食といたしますわよ!」

「あはははは、それは無理!」

「なんですってぇ!」

「……沙都子ちゃん、明日からずーっと差し入れしてあげるね。カボチャ、インゲン、ブロッコリー、カリフラワー」

「ひぃ!?」

「ははははは! レナが売り言葉の上に威圧とはねぇ! こりゃあ本当に面白くなりそうだよ! ね、圭ちゃん!」

「対して面白くねぇと思うぞ? 俺とレナか……どっちに潰されるかを選ぶだけだからな!」


ならば上等……全力で潰してやる! そう不敵に笑いながら。


「じゃあ全員散開! くじで決められた場所に移動してね!」

『はい!』


予(あらかじ)め全員がくじを引いて、各々の場所でスタートという話になっていた。

至近距離でいきなりドンパチとか楽しくないし、ここは遭遇戦を演出する取り決めだ。

というわけで、運動会時に使う合図用ピストルを大きく掲げて……!


「三! 二! ……………………一!」


引き金を引き、音を鳴り響かせる!


◆◆◆◆◆


「……魅音、正直に吐け」

「え、何……かな」

「なんで、教室の各所に麻雀の牌(はい)を隠してるんだ……!」

「魅音のイカサマが原因なのですよ」

「やっぱり自業自得かぁ!」

「あ、あひゃひゃ……あびゃびゃばびゃー!」


レナが早めに帰った関係で、四人でできる部活を……と思い、麻雀を取り出したまではよかった。

が、いろいろあって麻雀の牌(はい)を教室各所に隠して……あと三つ! 三つなんだけどなぁ!


それが見つからないとゲームにならない……!


「よし、なら牌(はい)を探すのが本日の部活」

「アホかぁ! そもそも教室にあるかどうかも怪しいんだよな!」

「先ほどは自宅に持ち帰って、洗濯機の脇に置いた……などとも言っていましたしねぇ」

「何よー、牌(はい)探し対決じゃ不満?」

「イカサマの後始末に部活を利用するなぁ! お前が暇なときに探せぇ! あの方のように十字架を背負ってなぁ!」

「ぶーぶー! ……じゃあ、他に何かあるかなぁ」


とはいえ、そう簡単に出てこない……だってほら、ほとんどはおじさんが主権で決めちゃっているからなぁ。

こういうのも改めていかないと……後々、この文化は後世に託していくんだから。


…………あ、待てよ。宝探し……おぉ、そうだ! 一つ思いついて、拍手を打つ。


「ならみんな、同じ宝探しなら、もっとでっかくいこうよ! レナの宝探しゲーム!」

「ということは、ダム現場のゴミ山か!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、ダイジェストではありますが罪滅し編もやることになりました」

レナ「なんで!?」

恭文「おのれの魅力をみんなに分かってほしくて……」

レナ「嘘だよね! 少なくともそれは嘘だよね! 朗らかな笑顔が明らかに嘘だよね!」


(ソンナコトハナイヨー)


恭文「HP版から流用したのは、澪尽くし編の冒頭でちょろっとやった回想ですね。
そこは原作でもあったシーンなので外せなかった……あ、なお駆け足なダイジェストなので、二話程度で終わります」

レナ「二話!?」

恭文「昨日今日で一気に書き上げた……疲れたー」

レナ「そりゃあ疲れるよ! 五万文字近くを引きこもって書いてたらさぁ!」


(それで本編の校正も……眠い)


恭文「では作者が寝ないうちに、さくさくと次に行きましょう。
まぁ当然ながら、宵越し編は後日談の一つでもあります。
だからこそ……後の流れはこうなってしまうわけで」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


圭ちゃんから改めて状況を確認した上で、婆っちゃにも相談。

まぁ改めて相応のお叱りを受けたんだけど、それもさて置き……その日の夜、圭ちゃんに連絡。


『レナがまだ帰ってない!?』

「うん……レナは自宅を出て雲隠れしているみたい。……それと、これはさっき届いた話。警察がレナの行方を捜しているみたい」

『何だって……!』

「何でも、レナの自宅前には覆面パトが一台張り付いているらしい。村の中にも、サイレンなしのパトカーが数台うろついてる。
あと、公由本家にも警察から電話があって、レナの所在を至急確認したいので、懲戒連絡網で確認してほしいって連絡があった」

『まさか……俺達の隠したものが、見つかった……!?』

「ううん、それは百パーセントあり得ない。私が保証するよ」


圭ちゃんが訝(いぶか)しげに息を漏らす。まぁ百パーセントだからねー。……ただ、これも根拠があって。


「実はあれ、園崎家の方で秘密の場所に処分させてもらったんだ」

『おい……!』

「まぁまぁまぁ! ……実はわたし達が隠したあの山林……後でよくよく聞いたら、今年の夏に大規模な伐採計画があるって分かったの。
だから、わたしの方でちょっと手を回させてもらったってわけ」

『そういうことか……だが、それならそれで相談くらいはしてくれよ……! もし、レナが死体を掘り返しでもしたら』

「……やっぱ、ビックリするかな」

『するに決まってんだろ!』


だよねー! おじさんもまさかこんなことになるなんて、夢にも……違うか。

うん、それは違う。だって圭ちゃんは……ちゃんと警告してくれて。なのに、それを押し切ったから……。


「……とにかく、警察が動いているのは……正直分からない。鉄平達が竜宮家を食い物にしている話は、裏の界わいではちょっと知られていた。
そっちの角度から、レナが浮上したかもしれない。とにかく容疑者って扱いではないんだけど」

『くそ……!』


◆◆◆◆◆


「――誤解、ですか」

「はい。まずこちらが竜宮礼奈を探していたのは、葛西の落とし物を届けたいと……彼女に言われてのことでして」

「私には覚えがありませんでしたが、それなら余計に直接話が必要かと思いまして」

「で、園崎本家まで動いていたって言うんですか。そりゃあ筋が通らないでしょう」

「えぇ……最初はそれでした。ですがその過程で、とんでもない情報を手に入れまして。
……先日焼死した鷹野三四は、村に潜む……殺人ウィルスを研究する奴らによって謀殺された」


サクッと本題に触れると、大石の目が……隣の熊谷ともども鋭くなる。それには構わず、こちらの方で手に入れたスクラップ帳を差し出す。


「言いたいことはいろいろとお有りでしょうが、まずはこちらを見ていただきたいんです」

「これは……」

「鷹野三四が残したスクラップ帳です。残念ながら竜宮レナに手渡したと思われるものは含まれておりません。
ですが、前原圭一が聞いた内容と……そしてあなたが聞いた内容と、遜色はないと考えます」

「前原さんが!?」

「今回、我々は彼の代理人でもあります。……彼は、彼女を蝕(むしば)む”病魔”にいち早く気づいた目撃者でもありますから」


暗に、圭ちゃんは潔白とも宣言。大石達は訝(いぶか)しげにスクラップ帳を取り、ぱらぱらと捲(めく)る。

……その表情は面白いことに、一ページ一ページ読み進めるごとに、驚愕(きょうがく)の表情へ早変わり。


同時に呆(あき)れ果てた様子だった。もう嘘(うそ)っぱちも甚だしいからねぇ。


「え、あの……これは、本当に鷹野さんが残したもので」

「はい。もちろん指紋・筆跡鑑定も御自由にどうぞ。その際の責任は、全て園崎家が背負いますので」

「大石さん、これ……とんでもない空想っすよ! 冥界と現世が衝突して、霊魂が流入って!」

「あ、そっちは冥界なんですね。こっちはえっと……異次元生命体が雛見沢(ひなみざわ)にやってきて、それがオヤシロ様って書いてますよ」


分厚くも色とりどりなスクラップ帳を捲(めく)り、大石は舌を巻く。


◆◆◆◆◆


校門で控えていた園崎組の若い衆に声をかけ、後を追わせる。


「あ、お疲れ様です。今のところは異常は」

「そっちじゃない! 今出ていった車、追いかけて! 急ぎで!」

「は、はい! 了解しました!」


いやー、レスポンスがよくて助かるよ。なのでレッツゴー……というところで、圭ちゃんが走り込んできた。


「魅音!」

「圭ちゃん!」

「レナが見つかったのか!」

「知恵先生に連絡してきたみたい。今すぐ後を追うから……」

「俺も行ってくる!」


……そこで少し計算。レナの警戒心は半端ないし、やっぱりここは圭ちゃん任せ? うん、それでいこう。


「よし、じゃあ速く車に。……いい? レナは警戒心の固まりだから、絶対に油断しないで。それで捕まえたら、本家へゴー!」

「はい!」

「お願いします!」

「気をつけてねー!」


慌てて飛び出す車を見送り、ホッと一息……そのまま教室に戻り、沙都子や梨花ちゃん、他の生徒達に自習を伝える。


(いやぁ、これで何とかなるかな。レナにタッチダウンできれば全部解決)


――そう思ったとき、教室のドアががらがらと開く。

おトイレに行っていたはずの子が……顔面蒼白(そうはく)にしながら、一歩……また一歩と入ってくる。


それも当然だ。首筋に、六〇センチ程度のナタを……その刃を突きつけられているんだから。


そんな真似(まね)をしている子は、やや薄汚れた顔で笑う。瞳に殺意と怒りを滲(にじ)ませながら、硬直するわたし達に笑いかけ続ける。


「みんなー、起立起立ー。教室の真ん中に集まってー」

「レナ……!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「やっぱ竜宮さん、マジパネェッス」

レナ「やめて!? その……不良の先輩を崇めるようなの、やめて!?」


(蒼い古き鉄、ビクビクしながら平服)


レナ「恭文くんがビクビクする理由、ないよね! 恭文くんの方がもっとぶっ飛んだことをしてるよね!」

恭文「え、覚えがないけど」

レナ「嘘だッ!」


(そのとき、電流走る――)


レナ「いいよいいよ。嘘吐きで意地悪な恭文くんには、またお仕置きするんだから」

恭文「そうか、では手本を示しておのれがお仕置きされようか」

レナ「ふざけてるの!?」

恭文「僕はいたって大まじめだ!」

レナ「そうだったー!」


(そんなわけで、いんふぃにっとII第六巻はパイロット版にはなかったお話で一杯。
みなさん、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:FLOW『Sign』)






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