作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
鮮烈な日常Fourth Season第3巻 経過報告:03(サンプルあり)(2017/12/18)
作者「というわけで、2017/12/17に鮮烈な日常Fourth Season第3巻が販売開始しました。
ご購入いただいたみなさん、本当にありがとうございます」
(ありがとうございます)
恭文「それで今回は、そんな第3巻に収録されている書き下ろしの方を……え、なぜ発売後に?
……作者がすっかり忘れていたからだよ! 作者ー!」
(そしてごめんなさい)
古鉄≪まぁ幕間の激闘編を調整していたせいもあるんですけどね。そちらの経過報告も次に出せればと思います≫
ドレイク「…………ところでマスター」
恭文「ドレイク? どうしたのかな」
ドレイク「いや、こんな手紙が届いたんだけど……えっと、差出人がフォン・レイメイ」
恭文「はぁ!? いや、アイツ何やってるのよ! 何……蘇って復讐とか!? 誰かしら人質にとって」
(フォン・レイメイ『冥界のメリークリスマス、冥界の入り口でスタンバってました』)
恭文「いつぞやの年賀状かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! つーかスタンバっても意味ないんだよ!
おのれが出られる状況じゃないよね! それくらい分かるよね!」
ドレイク「もう一通来てるよ。えっと……」
(リンディ(白)『異端なるセイレム、フォークを持ってスタンバってました』)
恭文「おのれがスタンバっても意味ないんだよ! つーか出たら台なしすぎだぁ!」
ドレイク「あ、それと桂小太郎ってのからも手紙が」
恭文「何! あの人はまたどこでスタンバってたの!」
(桂『あのエルキドゥとか言うの、俺とキャラかぶってるよね?』)
恭文「一欠片もかぶってないから安心していいよ! つーか銀さんに出してよ! なんで僕に出すの!?」
ドレイク「コイツに至ってはまだずらっと来てるよ。しかも年賀状を使って」
恭文「ついに時間軸すらすっ飛ばしてるし! えっと、何何……」
(桂『蘇る金狼、面白いですね』
桂『エルキドゥとのキャラ被りが著しい件について』
桂『透明人間最高』
桂『やっぱり藤咲なぎひこから潰すべきか』
桂『でもやっぱり蘇る金狼ですよね』)
恭文「だからキャラ被りはしてないの! つーか……チョイスが古!
何で日本テレビの……それも香取慎吾さんが出たドラマばっかりプッシュ!?
いや、蘇る金狼が二度出ているけど! でもファンだっけ! 気になる要素があるっけ! ……あれ、こっちは」
(フォン・レイメイ『一緒に藤咲なぎひこを退治しないかと、頭を二〜三度改造してそうな人に言われたのですが』)
恭文「桂さぁぁぁぁぁぁぁぁぁん! つーかフォン・レイメイも被っているっと思ってたの!?
髪が長いだけだよね! ただ髪が長いだけだよね!」
ドレイク「……マスター、もうすっ飛ばさないかい? 見ているだけで頭がおかしくなりそうだよ」
恭文「だね……! では、こんな馬鹿な人達はさて置き、サンプル紹介です」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「はい、ではチナに聞いてみようか。戦術の骨子とは一体何ぞや?」
「はい!? え、あの……わたし、ですか!?」
「そう。……セシリアも相応に教えているはずだよ?」
あぁ……委員長のおさらいも兼ねてるんだね。その趣旨は分かったので、医院長も表情を緩める。
「えっと……バトルフィールドやバトルのルール、対戦相手の情報です。それがないと、まず作戦の組み立てが難しいので……」
「はい、正解。……セシリアも厳しく教えていただろうけど、チナもよく勉強してる。すらすら出てきて感心したよ」
「あ、ありがとうございます!」
「まずは沙理奈達と卯月がバトルしたときのこと、思い出してほしいんだけど」
「先日のことですわよね。えっと……」
桃華ちゃんは仁奈ちゃん共々小首を傾(かし)げるけど、すぐにハッとして拍手を打つ。
「もしかして、蒼凪プロデューサーが仕掛けたペテンや、強さが変動する点ですの?」
「そう。実戦で特殊部隊やら、達人級の異能力者と戦ってきた人間としての意見になるけど……戦術なんて基本は難しくないのよ。
ようは相手を効率よく、楽に倒す手段を探せって話だから。……それが達成されるのなら、実戦では何でもありだ。
爆弾を使おうが、毒を使おうが、敵に偽情報を流して混乱させ、同士討ちを誘おうが……基本は生死を問わないってのも楽な条件だ」
「生死を……!?」
「生かして捕まえる方が面倒なのよ。相手だって必死で抵抗してくるし、捕まえても逃げる隙(すき)を常に窺(うかが)ってくるから」
恭文さん、言葉が重いです! みんながちょっと引き気味なんですけど! というか、委員長が唖然(あぜん)としてる!
◆◆◆◆◆
「お風呂……お風呂……!?」
具体的には……卯月ちゃんが震えながら、恭文くんに詰め寄ったところとか。
「分かりました……愛梨さんの宣戦布告、受けて立ちます! 頑張ります!」
「卯月ぃ!?」
「そうです、もう分かってました。恭文さんは大きい人が好きだって……でも、それでも私……!」
「待って待って! ……そうだよね、全部僕が悪いんだよね。ハーレムしてるし……優柔不断だし……ごめんなさい」
「謝らなくていいんです! ただ私は頑張りたいだけですから!」
「そうですよー」
だからちょっと寂しいけど、恭文くんから離れて……用意していたアップルパイをテーブルの上に置く。
「じゃあ、そんな優しい恭文くんに、お祝いのアップルパイをプレゼントしちゃいますー」
「アップルパイ……」
「あれ……もしかして、嫌いでしたぁ?」
「ううん、むしろ大好物だよ。でも愛梨、一体いつ……」
あぁ……会場からここまで直結で、近くにはケーキ屋さんもありませんしね。それで気になったんですか。
「あれから準備して、作ってみたんですー」
「「ホテル内で!?」」
「厨房(ちゅうぼう)をちょっとだけ借りたんですー」
「美奈子だな、これ……」
「はいー。さ、どうぞー」
恭文くんと卯月ちゃんに、アップルパイをワンピースずつ切り分けてあげて……しゅごキャラちゃん達の分も用意。
◆◆◆◆◆
それは、振り払えるはずのものだった。
それは、過去のこととして忘れ去っていいはずのものだった。
でも刻まれてしまった。それは無理だと……それは拭えないものだと、好みに刻まれた。
右手でそっと触れるのは、先日まで包帯に覆われていた自分の顔。額から鼻の上、右頬にかけて刻まれた痕は、触れるだけで雄弁に語る。
全てが終わった……全ての努力が無駄だった。肥だめから生まれたハエは、その誕生から悪性の雑菌に塗れている。
それでも変われると信じていたあの頃の自分が、とても愚かしく感じてしまう。少しずつ磨き上げられていった願いは、確かに輝いていたのに。
……あの人も、それができると言っていた。
この国でなら……私は、シンデレラになれると言ってくれた。
過去が私の足を引っ張ろうとしても、それは自分達の力でシャットアウトできる。
仮に漏れたとしても、それは私というシンデレラの努力を証明するものになる。
この国では、有能なるものにチャンスを与える。残酷な能力主義と言えばそれまでだけど、でもチャンスでもあった。
私のような……泥に飲まれかけた人間が、はい上がるためのチャンスに満ちていた。
……その話をされたとき、初めてこの国で生まれ育ったことを誇りに思った。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「はい、というわけで短編から一話ずつ抜粋……未来の話に絡むものもちらほら」
古鉄≪でもあなた、戦術って言って……本当に基本的なところを≫
恭文「初心者向けの講座だしね。まずは大まかなところからでいいんだよ」
(蒼い古き鉄もそこから始めました)
恭文「で、まだまだ……あるんだよなぁ……!」
古鉄≪それでもあなたに逃げる選択肢はありません。さ、どうぞー≫
恭文「はいー」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「……やっぱり、そっちからの利用感も纏(まと)めるべきですよね。ブックカフェにはその需要がありますし」
「そう言われると……あぁ、確かに……」
「これは、実体験が必要だと思うんです。じゃないとこう……芯が通らないというか」
そうして自然と見やるのは、赤羽根さんと並んで座る……私の、大事なプロデューサーさん。
「……蒼凪君、頑張ってくれ」
「え、なんでいきなり僕を励ますんですか? ちょ、待て……みんな、こっちを見るな! 百合子に釣られる形でこっちを見るな!」
なので立ち上がり、大きな机をぐるりと回って……恭文さんの両手を握って、しっかり……しっかり強く掴(つか)んで。
「恭文さん!」
「はい!」
釣られるように返してくれた恭文さんに、全力のお願い……勇気を、出して。
私は確かに、フェイトさんやフィアッセさんみたいに、大人の魅力というものには欠けている。
りんさんみたいなナイスバディじゃないし、そもそも……恭文さんは、私を担当アイドルとして大事にしてくれて。
でも、でも……デート、だから。
私も、恭文さんにドキドキしてほしいし、好きになってほしい。
お嫁さんにしたいって思わせるくらい、意識……してほしい。
そのためには、勇気を振り絞らなきゃ。もうここから、デートは始まっている。だから……!
「――――――――子作りしてください!」
全力の宣戦布告をした結果、なぜか恭文さんは派手にズッコけた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?」
◆◆◆◆◆
「お待たせしましたー! バーガーランチです!」
「ありがとうございます!」
店員さんからトレーを受け取り、瞬間的に漂う香ばしい匂いで一気に期待が高まる。
サラダにポテト、それと最近流行(はやり)の分厚いバーガーとドリンク……なお、トマト抜きは許しません。
「美味(おい)しそうですね!」
「うん。サラダの緑、フライドポテトの黄色……トマトやパテも交じったカラフルなバーガー。目にも鮮やかだ。……トマト……トマト……トマトの赤」
「駄目ですよ? お父さんなんだから、好き嫌いは」
「は、はい……」
ちょっとお姉さんぶった上で、まずはサラダから……うん、美味(おい)しい。
シーザードレッシングの風味もほどよく柔らかで、しゃきしゃきレタスや香草の味が引き立ってる。
フライドポテトは揚げたてで熱々ほくほく。そして……真ん中に串を突き立てられ、形を保っている極厚バーガーに挑む。
「……実は私、この手の……高さがあるお洒落(しゃれ)なバーガーって初めてで」
しかも、ナイフとフォークがついているの。どうしよう……抜けていた! お店の人にお勧めされるがまま、バーガーランチを選んで失敗だったかも。
「あー、そうだね。デートで奇麗に食べられた方がいいし、ちょっと練習してみようか」
「は、はい!」
◆◆◆◆◆
「お帰りなさいませ、御主人様」
「ただいま、ともみ」
メイド服を着て、恭文さんをお出迎え。十時愛梨ちゃんとちょっとお話をしてきた御主人様に、まずは冷たい麦茶を手渡す。
もちろん部屋へ入るなり、テーブルでごろごろし始めたヒカリちゃん達にも。
「ありがとうございます、三条さん……あぁ、生き返ります」
「やべぇよ、この暑さ。しゅごキャラがゆでたまごになっちまう……」
「ショウタロスに賛成ー。もう日傘が必要だ……性別とか関係なく、日傘が必要だ」
「お前は魔法があるだろうが……ごくごくごく!」
四人はごくごくと麦茶を飲み干し、心地よさそうに域を吐く。
『ぷふぁー!』
「お風呂の準備もできていますから、夕飯前に汗をお流しください」
「そうだね……じゃあ、有り難く」
御主人様が脱衣所に入るので、私も付き添って……。
「お背中、お流ししますね」
「うん……………………ともみ」
「はい」
「なんで、メイド服……!?」
御主人様が今更突っ込むので、ほほ笑みながらメイド服を脱ぎ去り……。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ともみ「御主人様、私も他の奥様達やメイドさんに負けないよう、頑張るね」
恭文「う、うん……」
(蒼い古き鉄、そうしてあーん……パンケーキを食べさせてもらう)
ともみ「旋風龍さんにもいろいろ教えてもらっているし」
恭文「………………うん、知ってた! 分かってた! なんか二人で話していたしね!」
旋風龍「ともみさんは素直で教え甲斐があります」
(蒼凪荘のメイドラゴン、凄まじい早業で更にあーん……蒼い古き鉄、抵抗の暇すらない!)
旋風龍「でもお風呂でお背中は、私もまだ……よし、やりましょう!」
恭文「それはいいから!」
ドレイク「難題、マスターはそういうのが好みかい? それならアタシがやってあげようか」
恭文「あ、うん……いや、待って」
ドレイク「なんだい、また遠慮かい? 欲望は解放しなっていつも言ってるじゃないかぁ」
恭文「そうじゃなくて……お風呂で思い出したけど、確かドレイク……一週間くらい前に言ってたよね。
露天風呂で一杯引っかけるアレ、やりたいって」
ドレイク「あぁ、よく覚えてたね。そうそう……あのトレーを湯船に浮かべて、ぐい飲みとお銚子が置かれてて……風情があって楽しそうなんだよねぇ」
恭文「それ、できるかも」
ドレイク「え!?」
恭文「温泉と露天風呂なら、ルー達のところにあるから。あそこは個人浴場だし、話を通せば」
ドレイク「あぁあぁ……言ってたね! アスレチックもあるから、トレーニングに最適だって!」
恭文「早速行こう! ルーにも話を通すし……というか、ごめんー! すぐに思いつかなかった!」
ドレイク「いいっていいって! じゃあ、一緒に温泉を楽しむとするかい!」
恭文「おー!」
旋風龍「……って、さらっと私のご奉仕から逃げようとしてるでしょ!」
ともみ「それは駄目……私も一緒だよ? 御主人様」
恭文「あ……は、はい」
(そうして蒼い古き鉄は、逃げ場などなく温泉を目指すのでした。
本日のED: WANDS『世界が終るまでは…』)
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