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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第11巻経過報告:04(サンプルあり)(2017/11/27)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第11巻『洗礼の予兆』



古鉄≪というわけで、続いてはクライマックス刑事・リターンズ。
不定期掲載で長らくお待たせしましたが、いよいよ完結です≫

恭文「長かった……長かった……! でもその分頑張るぞー!」

古鉄≪あ、あなたは今回、バックスですから≫

恭文「はい!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「――いよいよこのときが来た! 世界は変わる――あと少しで、我々が待ち望んでいたカタストロフは発動する!
同志諸君! 新世界の扉はもう既に開いている! だがこれで終わりではない!
旧世界の人類達は、我らが開いた真実から目を背け、逃避の日々を貪り続けるだろう!
我々の戦いは――ここからだ! 全ての人類が覚醒し、真の悟りへと到達するまで……カタストロフは繰り返される!」

『おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』


瑞樹……我が愛するただ一人の女よ。お前にもこの光景を見せてやりたい。

そうすればお前も、解脱から逃れたその生き汚さを悔いて、曇った目を覚ますことだろう。

この声よ、瑞樹に届け。生きているならばそれでいい……新世界を望む者達の声よ、届け。


さすれば自らの愚かさから脱却し、真の聖母として覚醒するだろう。

さぁ、カタストロフよ……聖母を目覚めさせる福音となれぇ――!


――――――――だが、そこで。


「……旦那!」


まるで我々の勝利をあざ笑うかのように……突如として巨大な歪(ゆが)みが生まれ、そこから水が迸(ほとばし)る。それは雨のように我々を濡(ぬ)らす。

こちらを庇(かば)おうとしたギダテも”ただそれだけの攻撃”に驚き、停止……五十メートルに及ぶ、瞬間的な豪雨をその身に受けた。


「……なんだ、これは」

「奇襲……いや、それにしては」


この大型倉庫の扉を突き破り、一台の警察車両が飛び込んできた。それは後輪を滑らせながら、こちらに向き直って停止。

そうして笑いながらあの少年と猫、更に小さな少女と男が降り立った。


「どうもー、アストライアーのみなさん」


信じられなかった。

彼らは我らが本拠地に閉じ込められ、島村卯月共々爆死したはずだ。


それがなぜ、ここにいる――!


「リイン達のプレゼント、気に入ってくれたですか?」

≪それで馬鹿な熱も冷めると、嬉(うれ)しいんですけどねぇ≫

「馬鹿な……なぜ、お前達がここに」

「僕達があの程度で死ぬわけないじゃないのさ。馬鹿じゃないの?」

「陽動作戦で警察やリイン達の目を346プロに引きつけ、ミサイルでぎったんばったん……粗末なやり口なのですよ」

「そこのミサイルを使った計画は、お仲間からしっかり聞かせてもらったにゃ。おかげでまぁ」


346プロのことまで……だが、そちらの同志達からは何も。

……何も届いていないということの意味を、悟るべきだった。


「ボクも、本気でいけるにゃ……!」


◆◆◆◆◆


「チェンジスタンバイにゃ!」

「はいです!」

「エマージェンシー!」


ちびアイルーはライセンスを前に突き出しながら、上部スイッチを右人差し指で押し込む。

僕と良太郎さんもパスを右手で取り出し、待期音が鳴り響く中セタッチ。


「「変身」」

「デカレンジャー!」

≪Sword Foam≫

≪Vinculum Form≫


良太郎さんはプラットフォームに瞬間変身……更にレールに乗って現れたオーラーアーマーを次々装着。

デンライナーに待期していたモモタロスさんが憑依すると、電仮面が頭のレールに沿って登場。

火花を走らせながらも眼前に停車したそれは、パカリと開いて複眼となる。


「俺――」


モモタロスさんは右親指で自分を指差し、一気に見栄(みえ)斬り!


「参上!」


チビアイルーはライセンス内に納められていた、微粒子状のデカメタルがばら撒(ま)かれていく。


『チェンジモード発動に伴い、チビアイルーのライセンスから形状記憶宇宙金属≪デカメタル≫が微粒子状に分解されて展開。
それは身体の表面で定着し、デカスーツとなるのだ』

「フェイスオフ!」


それを全身に装着。スーツの色は蒼く、デザインは通常のデカレンジャーと同じ。左半身で『Z』を描いていた。

更にパトランプ付きのヘルメットを装備。ちょこんと耳が飛び出すとまた愛らしいー!


「――嵐の地平を駆け抜ける!」


ちびアイルーは身をぐるりと回し、左半身を構え……両腕から六本の爪を展開。


「刃の刑事」


両耳側にあるパトランプがけたたましく鳴り響く中、跳ねるように跳躍……そして着地。


「デカスラッシュにゃ!」


僕もリインと一つになりながら、髪と瞳をリインと同じ空色に染め上げる。

左右非対称な軽装鎧を装備し、左肩アーマーからはたなびくケープ。

弾(はじ)ける光は氷の羽となって辺りに舞い散り、久々なヴィンクルムフォーム……変身完了!


【「さぁ!」】


そのまま右手をスナップさせ、奴らに指差し。


【「お前達の罪を――数えろ!」】

「それがとうした」


御子柴はこちらをあざ笑い、すっと下がりながら僕達に指差し。その瞬間、リインの詠唱がスタート。

更にリインのサポートで僕も同じ術式を詠唱し……そして完了。


「たかだか刑事どもに……我らの聖戦は邪魔させん! 殺せ……殺せ殺せ! 殺せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」

『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!』


◆◆◆◆◆


【新たな動体反応……数は四十! イーガロイドなのです!】

≪ならサクッと片付けますか≫

「もちろん!」


右手刀で空を切り、音楽スタート!


≪The song today is ”RUNNING SHOT”≫


FN Five-seveNを左手で取り出し、御子柴に連射。走り抜けてきたイーガロイド三体が盾になるので、そこを狙って突撃!

アルトを抜刀し、平晴眼に構え……三体纏(まと)めて、牙突もどきで撃ち貫く。


その間にアウトレンジから他の奴らが、アウトレンジから刃を構えてエネルギーチャージ。

構えた銅色の剣で斬撃波を放とうとする。でもそこでリインが術式詠唱――。


【フリジットダガー!】


僕の周囲に展開した三十四本の短剣が一斉掃射。空色の刃は冷気をまき散らしながら、イーガロイド達の足下に鋭く着弾。

冷気の爆発を呼び起こし、その衝撃で全員がたじろいた。更に冷気がボディ表面に張り付いて、白い濁りを残す。


その間に僕も術式発動。二時方向にいた奴へアルトを……突き刺さったままのイーガロイド達を向けて、電磁レール形成。

イーガロイド達を超電磁砲≪レールガン≫の弾頭として射出……半プラズマ化した奴らは、仲間とディープキスを噛(か)ましながら粉砕。爆炎を上げる。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「はい! というわけで久々にヴィンクルムフォーム登場!
ちびアイルーのデカスラッシュも、同人版としては初登場です!」

ちびアイルー「頑張るにゃー。というか頑張ったにゃー」


(蒼凪荘のアイルー、ちょっと照れくさそうに両手で顔をくしくし……くしくし……)


恭文「そう、ちびアイルーは今回頑張っているんです。戦闘シーンも書き下ろしだったから」

ちびアイルー「そのおかげで、御主人より目立ったにゃー」


(注:拍手世界のちびアイルーは、蒼凪荘の居候であり家事手伝いです)


ちびアイルー「そう、目立った……ここからはボクのターンにゃ!」

白ぱんにゃ「うりゅー♪」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「にゃああああああ!」


跳躍しながらギダテへと飛び込み、両腕の爪を……専用装備を袈裟に打ち込む!


「ディースラッシュ・クロー!」


そのまま袈裟・逆袈裟と打ち込むも、ギダテはすっと下がり……三撃目の足払いも右足を上げて回避。

そのまま鋭く跳ねるような蹴りを打ち込むので、両腕でガード。それを好機と見たのか、奴は飛び込みながら連続蹴り。

こちらも下がって爪で払いのけ、着地したところで両爪での連続刺突。


ギダテもまたこちらに手刀を打ち込み、お互いにボディを叩(たた)きながら後ずさる。すかさず左手でSPシューターを取り出し。


「SPシューター!」


連続射撃……ギダテは光弾を袈裟・逆袈裟と切り払いながら、地面を這(は)うように突撃。

そこからすくい上げる形で右刺突を打ち込んできた。身を逸(そ)らして回避すると、それは袈裟の二撃目に繋(つな)がる。

デカスーツを切り裂かれると、今度は腹に刺突。衝撃から吹き飛び地面を転がったところで、ギダテが一気に跳び蹴り。


それを伏せて避け……ギダテに交差しながら、零距離でSPシューター連射!

奴の股間や脇腹などを撃ち抜き、火花を走らせながらまた地面に倒れ込む。


「つぅ……!」


ギダテも痛みに呻(うめ)きながら、さっきの僕みたいに転がっていた。でもすぐ起き上がり息吹……。

そんなギダテとにらみ合いながら左に走り、左薙・唐竹(からたけ)・逆袈裟と打ち込まれる手刀……その斬撃波を、置き去りにしていく。

向こうもSPシューターでの射撃を紙一重ですり抜け、僕達は近くのタンクや積み荷、車両などを飛び越えながら二十メートルほど移動。


素早く足を止めて飛び込み、お互いに刺突……クローと刺突を交差させながら振り返り、ガード体勢を取る。


◆◆◆◆◆


そこで衝突音……慌てて怪重機ってやつを見ると、青猫の野郎がもたれ掛かって倒れていた。


【ちびアイルー!】

「やべ……!」


ホタテとか抜かす奴に踏み込もうとしたところで、薄紫の一撃が走る。

それに土手っ腹を切り裂かれ、アーマーから火花を走らせながら倒れ込んじまう。


「ぐお……!」


慌てて左に転がって、打ち下ろしの一撃を回避。二メートルほど距離を取って振り返ると……あの兄ちゃんが、刀を持って構えていた。


【あなたは……!】

「宇宙が誇る妖刀影正(かげまさ)――その切れ味、その身を以(もっ)て試すがいい。……成敗」

「け、正義の味方気取りかよ」

「否(いや)……」


奴はマジだか冗談だか分かんないような目をしながら、刀を振り下ろす。


「私は正義そのものだ」


それをデンガッシャーで受け止め、つばぜり合い……って、やべ! この刀、なんか唸(うな)ってるんだが!

つーかイマジンでも何でもない、変身してない奴はやりにくくてしょうがねぇ! 良太郎も遠慮しちまう……それが狙いか、コイツ!


「モモタロスさん!」

「こっちはいい! お前は……」


だったらと、コイツの剣を押し込んで弾(はじ)き、右薙・袈裟……だったか?

ぶんぶんと振るわれる刀を、デンガッシャーで弾(はじ)きつつ下がっていく。そうして猫とホタテから離れて、離れて……!


「猫を何とかしろ!」

【お願い、恭文君!】

「……はい!」


だったら、コイツの好きにやらせた方がいい。一撃は食らったが、それだけでやられるほどじゃねぇ。

つーか俺が何とかしないとヤバいよなぁ……!


◆◆◆◆◆


……通常のデカスーツじゃ、センサーが追いつかないにゃ。

しかも攻撃力と防御力まで上を行かれたら……でも、奥の手はあるにゃ。


ふらふらと立ち上がり、SPライセンスをベルトの後ろから取りだして……。


「デカを舐(な)めるにゃ。――スワットモード、オン!」


ボクのコールにより、デカスーツがモードチェンジ。まずは頭部右側と左側のパトランプがせり出す。


右側は各種サーチシステムを搭載した≪感知システム≫。

左側は音声通信と映像・情報をチームメンバー同士で共有可能な≪SPインカム≫。

胸部に装着するのは、デカメタルを何層にも重ねた強化プロテクター≪スワットベスト≫。

脚部にはベストと同じ素材の≪レッグアーマー≫も装備。こちらはジャンプ力・キック力を底上げするにゃー。


両手に持つのは、上下二つの銃口を備える強化型ビームマシンガン≪ディーリボルバー≫。


そのまま驚くギダテを睨みながら、息吹……うっし!


「そいつは……」


SPDライセンスは右胸の専用スロットに入れて、変身完了!


「デカスラッシュ――スワットモード!」

『スワットモードとは、マッスルギアなどで強力化する武装アリエナイザーに対し、宇宙警察が対抗策として開発した強化装備である。
その高性能さゆえに扱いも難しく、専用カリキュラムでの習得が義務づけられている。
ちなみにスワットとは”Special Weapons And Tactics(特殊火器戦術部隊)”の略称だ』

「――空間感知システム、起動!」


感知システムを右指で触れて、スイッチオン。というわけで、ここからはボクのターンにゃー。


≪The song today is ”SWAT ON デカレンジャー”≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「はい! 同人版で初登場となるデカスラッシュ・スワットモードです!」

古鉄≪スワットモードは、デカレンジャー中盤で出てきた装備ですね。それでギダテに勝てるかどうか……≫

ちびアイルー「大丈夫にゃ。ヘヴィボウガンの要領でいけるにゃー」


(蒼凪荘のアイルー、尻尾をぶんぶん)


ちびアイルー「それじゃあ御主人、お散歩にいくにゃ。……夜でも目立つように、蛍光ジャケットは装備」

白ぱんにゃ「うりゅ!」

ちびアイルー「リードもばっちりにゃ!」

黒ぱんにゃ「うりゅ……♪」

カルノリュータス「カルカル!」

カスモシールドン「カスー」

恭文「よし、みんなでお散歩だー!」

古鉄≪えぇ、のんびり気分転換といきましょう≫


(というわけで、幕間リローデッド第11巻は……繰り返しになりますが明日(2017/11/28)発売開始です。みなさん、何とぞよろしくお願いします。
本日のED:サイキックラバー『SWAT ON デカレンジャー』)






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