作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー とある魔導師と閃光の女神のえ〜すな日常/いんふぃにっとII 第5巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/11/4) 古鉄≪というわけで、本日の経過報告はいんふぃにっとU第五巻。 現在本編四話分が一応の完成。なお五話目が半分ってところですね。 ……え、なぜパイロット版で貯蓄があるのに、そんな状況か? それは簡単です……以前もお伝えした通り、根幹は書き下ろし多数だからです≫ 恭文「本編で言えば半分近くが……それもこれも、途中挿入された番外編のせい!」 (むしろこれをパイロット版で出していれば……!) 恭文「では、そんな書き下ろしの一部をお見せできればと思います。どうぞー」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 学園内には、悪いけど入れることはできない。もしかしたら……って可能性もあるしね。 なので専門家なタマモさんにも同席してもらった上で、二十人弱もの会談が開始。場所はどうするのかと思ったら……。 「カラオケボックス、便利よねー」 「御主人様もよく使いますしね。……あー、ハニトー美味しいー」 「これ、最高よね! 私も大好き!」 そう、現代の井戸端会議場≪カラオケボックス≫です。というわけで、ドリンクも行き届いたので……順二朗社長そっくりな方とご挨拶。 「みんな、紹介するよ。コイツが高木……高木順二朗の従兄で」 「高木順一朗だ。初めまして」 『は、初めまして!』 ……なんというか、アレよね。本当にそっくりすぎて……みんな、とても戸惑っているのよ。 「それと、順二朗と黒井、音無くんが大変な迷惑をかけてすまなかった」 「いえ! こうして来ていただいただけで、本当に有り難いんです!」 頭を下げかけた順一朗氏を、赤羽根さんが慌てて制する。その上でみんなも疑問な点を確認。 「それで、えっと……善澤さんから軽く聞いているんですけど、順一朗さんもアイドルプロデュースに携わっていて」 「それも、小鳥さんのプロデュースにも……ですよね。それで今は各地を回って、フリーのプロデューサーをしていて」 「その通りだ。おかげで善澤くん達にも、ずいぶんな手間を取らせてしまった」 「まぁ、それなりにな。だがお前……何だってブラジルにいたんだ」 『ブラジル!?』 ◆◆◆◆◆ ――そうして再び、世界は廻る。抗った、抗った、抗った……だが駄目だ。どうやっても、何一つ変えられない。 俺は勝利を手にできない。認めるしかなかった。最初の最初から勝利することなど無理。 あの偽者以上の成果を得ることはできないと。だが認められなかった……認められるはずがなかった。 そんなことになれば、どちらが本物か分からなくなる。いや、偽者にすら劣る存在と成り果てる。 そんなことは許されない。俺は織斑一夏……俺こそが織斑一夏なのだから。 だがそんな中、おもちゃとなり得る奴がやってきた。 「――えー、実は今日からこのクラスで、一緒に勉強をしていく転校生がいます」 山田先生の笑顔と言葉で教室が僅かにざわめく。 「どうぞー」 山田先生の明るい声を合図に、入ってきたのは金髪の”女”。男子制服を着ているのは、性別を偽っているためだ。 「フランスから転校してきた、シャルル・デュノア君です」 あぁ……また女だと公表させず、臨海学校までいたぶり尽くすか。 そうすればアイツに逃げ場はない。俺の側にいて、俺に愛されて、ただ幸せを噛み締めるんだ。 それがシャルにとっても幸せだろう? あははははは……本当に最高だぁ。 ――だが、その期待は。 その願いは、アッサリと裏切られた。 「え……ど、どういうことだよ!」 「どういうこと、とは?」 「シャル……シャルルが、八神と同室!?」 放課後……俺のところにシャルは来なかった。なぜか、八神と同室になって……! 「なんだ、同居人が欲しかったのか」 「あ、あぁ……ほら、みんなルームメイトとは楽しそうだろ? でも俺と八神は面倒な事情があったから……というか、個室でもないんだな」 「本来であればそうしたかったんだが……仕方ない、お前にも関係のあることだ。 デュノアのご実家――つまりデュノア社の情勢は、どうもよろしくないそうなんです。織斑、亡国機業というのは聞いたことが」 「……いや」 「戦前から存在している秘密結社――テロリストの類いだ。デュノア社内部にそのシンパが入り込み、社の掌握を狙っている。 そうしてフランスでの利権を掴もうとしているんです。まぁ簡単に言うと、一人息子であるデュノアは亡命してきた」 ……千冬姉の言葉で、ゾッとすることになった。 おい、それは違うだろ。現実では、この段階でそんな話をしていないぞ。 「父親であるデュノア社長はそのつもりで、あえて向こうが仕掛けた”三人目の男”という宣伝広告戦略に乗っかった。 社長もデュノアに伝わることを恐れ隠していたそうだが、偶然知ってしまったらしい。それで学園に着き次第、我々にSOSを求めた」 なんだよ、それ……親父さんとの確執は、この時点で解消されている? おい、どういうことだ……そんなはずはない! ◆◆◆◆◆ 二人を捨て置きシャワーを浴びているところで、急に頭が痛み出した。 一体なんだと思いながら壁に寄りかかると……この、光景は……そうだ、違う景色が見える。 しかもこれは千冬姉と山田先生? 教職員寮……千冬姉の部屋で、何かを話していた。 『織斑先生、織斑くんにデュノアさんが女性ということは』 『説明しなくていいだろう。向こうにも上手くいっていると思わせたいからな』 『ですね……』 『というか、八神のところにはヒメラモン達やらアルトアイゼン達もいるだろ。タマモも』 『そもそも隠し通せませんよね……!』 おい、女性であることまで……二人は、俺に隠し事をしているのか。 理屈は分かる。デュノア社の状況が分かっているのなら、シャルの性別だって……八神と同室なら、それがバレやすいのも分かる。 だが、それはこれが現実なら……ここは俺の夢だぞ! 俺が英雄だと証明する場だぞ! それでなぜ、思い通りにならない……それがいら立ち、壁を殴りつける。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「はい、こちらはパイロット版でもあったところを増強している部分ですね。……本当にダイジェスト的に、無印の話をやるという暴挙」 (ただ後半からは……えぇ、こんな感じで進みます。展開はともかく、話の流れは変える予定) 恭文「無印との共通部分は限界まで削った上で、だね。さすがにエンドレスエイトは無理。アニメ版は特に無理!」 (アニメも全部同じように見えて、作画は全て新規でアフレコも流用など一切なし。服装も細かく違う。 しかも細かく見ると、ループ開始から解決までの流れも分かるという拘りぶり……あがめ奉ります) 恭文「そもそも服装、学校内だから無理だしね」 古鉄≪ですね。では、続いては書き下ろしな番外編。IS学園メンバーが大変だった頃に起きていた、一夜の物語です。まずは冒頭部分になりますが、どうぞー≫ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ――どうしてあなたは不幸なのですか。 自分の夢が見つからないからですか。 どうしてあなたは不幸なのですか。 大事な宝物をなくしてしまったからですか。 ならばあなたは幸せですか。 探すことも失うこともない、『何もない』生き方ならば。 Frederica Bernkastel ◆◆◆◆◆ 「簪ちゃん、どうしたの?」 校門近くでお姉ちゃんとバッタリ。なおサラッとモノドラモンを抱えているのは、何だかんだで可愛いデジモンに憧れているせいみたい。 「お手紙出してたんだー」 「お手紙?」 「うん……四十九日用のお手紙。今出しておかないと、タイミングを逃しそうだったから」 まだひと月近く余裕があるんだけど、そこは届ける日時を調整してもらったし……うん、大丈夫。 ただ、お姉ちゃんは四十九日という話が出てきて、ちょっとギョッとしていて。 「簪ちゃんのお友達?」 「少し違う……HORIコンサルティングって分かるよね」 「えぇ。IS用のソフトウェア開発も行っている……あぁ、そう言えば今月の頭に創業者の方が」 「……倉持技研で、打鉄弐式の開発も手伝ってくれていたんだ。方針転換で撤退を余儀なくされたけど」 IT五奉行としてブームを呼び、ITベンチャー企業家の先駆けでもあった創業者≪堀正道≫さん――。 今月の五日、お仕事中に急性くも膜下出血で亡くなったの。まだね、四十一才……うちのお父さん達より若いのに。 堀社長は早くからITインフラの重要性に着目した人で、IS開発も最初期から……今も言ったように、ソフトウェア関係に携わっている人。 創業者として築いた資産も相当だと言われているけど、それも着眼点ゆえだったんだ。開拓記に名を馳せた偉人って感じ。 「それで、おれやかんざしにもすっごい良くしてくれたんだー。月村重工で再開発が決まったときも、お祝いを贈ってくれて……」 「……そういう社長さんって、クセが強い人が多いって言うけど、堀社長は……本当にいい人だったよね。 私達だけじゃなくて、社員さんや……奥様のためにも、一生懸命働いていて」 「そう言えば、訃報記事にも書いてたわね。社長のセンスや構成力はどのSEと比べても卓越していて、それゆえに引っ張りだこだったって」 「……うん」 私もメカとコンピュータに携わる人間として……大きな目標でもあった。でも、だからこそ……とも言える。 そんな人だから……自分のためだけじゃなくて、みんなのためにも頑張れる人だから。 過剰に働き続けて、なかなか自宅に帰れないとも言っていた。それくらい忙しい人だったから……結果、過労に気づかずそのまま。 打鉄弐式が完成したら、いの一番に見せるとも約束したのに。本当に残念でならない。 ◆◆◆◆◆ ――白昼の惨劇! 暴力団の内部抗争激化か!―― 六月二十四日午後四時頃、『大学病院の駐車場で数発の発砲音があり、女性が倒れている』と一一九番通報があった。 消防本部の救急隊員が、倒れていた女性を区内の別病院に搬送したが、意識不明の重体。 女性は大学病院に通院していた、広域指定暴力団≪園崎組≫組長代理:園崎茜。 警視庁では殺人未遂事件として捜査している。 東京都では先年に病死した、園崎組先代組長の後継を巡って、対立抗争と見られる事件が続発しており、関連を調べている。 調べによると園崎組組長代理は、背後の至近距離から発砲されたとみられ、弾丸が左胸などに命中していたという。 現場付近では数個の薬莢が見つかっており、凶器は自動拳銃とみられる。 犯行後、現場からは三十代前後の男が、白い車に乗って逃走する姿が目撃されている。 男は黒いジャンパー姿で帽子をかぶり、マスクとサングラスで顔を隠していたという。 警視庁が逃走車両を捜索したところ、現場から約一キロ北にある日用雑貨量販店の駐車場で、ナンバーなどが一致する車を発見。 警視庁は、男が別の車に乗り換えるなどして逃走したと見ている。 「……園崎組かぁ」 頭をかきむしりながら、一人中庭のベンチに座って、唸ってしまう。 山田先生達の話を終えてから、気分転換で散歩に出ました。そうしたらもう……ご覧の通りで。 ◆◆◆◆◆ ――東京に出てきたのは、去年の春だった。 自分はこんな田舎で燻っている人間じゃない。 父は公務員、母は専業主夫、地域の人間は全員顔見知り……僕の実家は、この平成の世にそんなものが成り立つほどには田舎だった。 だが、それ故に息苦しさもあった。雁字搦めの価値観……強固な人間関係の中で、上手く生きていくために必要なのは協調性だけ。 そんな狭い世界の中で一生を過ごすのかと、絶望的な気がしていた。 将来なんて見えない。夢なんて見てもしょうがない……それを示すように、父により地元の会社へ就職するところだった。 東京へ行けば、何とかなるかもしれない――。 ただそれだけを胸に、必死に勉強して、東京の大学を受験した。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「というわけで、京都行きを目前にちょっとした番外編スタート、サブタイトルは『宵越しにH』。 もしかしたら次巻に持ち越す可能性もありますけど、お付き合いいただければと思います」 古鉄≪次の経過報告では、こちらの本編をチョコチョコと紹介できればと思います。お楽しみに≫ (さぁ、頑張って書くぞー。 本日のED:BLUE ENCOUNT『VS』) [*前へ][次へ#] [戻る] |