[携帯モード] [URL送信]

作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第10巻経過報告:02(サンプルあり)(2017/10/28)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第10巻『枯れない花』



恭文「というわけで、明日(2017/10/29)幕間リローデッド第十巻が販売開始です。みなさん、何とぞよろしくお願いします」


(よろしくお願いします)


恭文「今回は幕間本編が六話、書き下ろしが二話、ディケイドクロスとISクロスが一話ずつとなっております」

古鉄≪……幕間で枠を取られた感じですね。クライマックス刑事リターンズ、残すところ30KBほどなんですけど≫

恭文「どっさりと……どっさりと……」


(時間もできたし、次巻ではエピローグももっと充実させる感じで……!)


恭文「というわけで、こちらでは書き下ろしの方をご紹介します。まずはアプリスクー」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「それで、街の人達から話を聞いたところ……ここっぽいんだよね」

「よかったー! これでミッションクリアだよ! あの、すみませんー!」


可奈が勢いよくノックしたところ、内から陰気な声が返ってくる。


『――合い言葉は』

「え? あの……志保ちゃん」

「そんなの聞いてないわよ……! あの、私達は天衣堂さんから頼まれて届け物に」

『合い言葉の分からないものは、入れることができない……』


それっきり、声は途絶えてしまう。志保も慌ててノックするものの。


――合い言葉の再確認は、翌日(ゲーム内時間で)にならないと行えません――

「何よそれぇ!」

「ノーヒントで合い言葉を当てろって、さすがに無理じゃ! ……いや、でもこんな町中でこのやり方は」

「場所は間違いないみたいだね」


真の言葉を首肯しつつ、一旦喫茶店に集まる。それでチャイを飲みながら休憩……ここのチャイ、甘くて美味(おい)しいんだー。

可奈と志保も気に入ったようで、早速二杯目を注文する。


「どうしましょう……」

「まぁ合い言葉を知っている”会員”を見つけて、何とか聞き出すしかないね。
以前ブラックマーケットを潰したときは、そうしていろんな人を訪ねたものだよ」

「そのリアル経験、できればゲームに持ち込まないでもらえますか……!?」


◆◆◆◆◆


杏奈は基本アタッカー……味方の支援も受けつつ生き延びながら、一秒でも長く全力で戦い、相手にダメージを与えていく。

だから――。


「……!」


ガーディアンに飛び込みながら、打刀アーツスキル≪抜之型 魔猪≫を発動……。

放たれるレーザーをスウェーで避けながら、ガーディアンの零距離に……でも、ここからがちょっと進化。

タックルダメージでスタンを入れつつ、逆風に抜刀……それからすぐに次のアーツスキルを発動。


≪抜之型 魔猪≫は……ただの突撃技じゃない。そこと繋(つな)げる二撃目がある……。

だから、逆風に打ち込んだ刃がガーディアンの股下を切り裂いた瞬間、新しく取得したスキルが繋(つな)がる。

薄紫色のオーラを纏(まと)っていた刃が、更にその輝きを増して翻る。そのまま、相手の肩口に袈裟の一撃。

それは一段目の事後硬直をキャンセルしての、神速の連撃……両断されたガーディアンは、HPを一気に半分以上減らして……爆散。


それにホッとしながら、襲ってくる事後硬直を受け入れ……二秒ほどの停止時間を経て、静かに納刀。


「うん……ラビちゃん、タイミングが掴(つか)めてきてるよ!」


別のガーディアンを蹴散らして、百合子さん……lilyknightが笑顔で近づいてくる。


「ありがと……でも、まだまだ。やっぱりタイミング、とってもシビアで……」

「だよねぇ……ラビちゃんでも苦戦してたし」

「普通のゲームと違って、身体……動かしながらは、難しい」


◆◆◆◆◆


そこで、私達はある事実を突きつけられる。

自分達がフィールド上に……敵も闊歩(かっぽ)する、自然の中にいるという事実を。


右側に赤い光を感知した瞬間には、身体はもう動いていた。ここまでの冒険があればこそというか。


「……!」


慌てて未央と卯月から離れると、頬に当てられていた光条≪ターゲットライン≫はこちらを追撃。

そのまま距離を取りつつ、発射元をチェック。……その瞬間、ラインに従い蒼いレーザーが放たれた。

さすがに未央みたいなバッシュ技術はないので、全力疾走で何とか回避。脇に発生した爆発で、卯月も我を取り戻し身構えた。


「――凛ちゃん!」

「大丈夫!」


デーゲンを抜刀しながら、狙撃手足るガーディアンを……その周囲にいるジーンアント達をチェック。

あれが、ジーンアントで間違いないよね。まだ距離は三百メートルってところだけど、何だかアリっぽい外殻だし。


「何あれ! ガーディアンの周囲に一杯!」

「リンク? でも、それにしては徹底しているような……」

「軍隊みたいです……」


そうだ、卯月の表現が適切だ。足並み一つ崩さず、二足歩行の虫人はこちらにどんどん進んでくる。

その様子が今までの獣人と違いすぎて、とても不気味に感じる。こう、生物的じゃないというか……ロボットみたいなんだよ。


いや、話は後……だよね。今はアイツらを蹴散らすところから。


「そこまでだ」


――でもそこで、走り込んでくる二つの影――それらはジーンアント達の二時方向から、弾丸を連射する。

咄嗟(とっさ)に散開して回避行動に移った奴らは、当然襲撃者の姿を凝視するわけで。


私達もそちらを見やると、二人は脇を駆け抜け、私達を守るように前へと出てくれた。


「こんな可愛(かわい)い子達に手出しするとは……最近のアリは凶暴になったもんだ」

「あんまりオイタしてると、俺達が害虫退治しちゃうぞぉ〜」

「鷹山さん! 大下さん!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、竹達さんとの再戦に向けて、杏奈と百合子も修行中。
僕がアーツスキル封印状態な分、侍の運用については杏奈が掘り下げる感じです」

古鉄≪……でもその代わり、あなたはやっぱりアーツスキルを使えず≫

恭文「言わないで……!」


(チェインを繋ぐのもなかなかに難しい……)


恭文「だから言うなー! と、とにかく次だ次!」

古鉄≪こちらはちょっとした短編……なお、主軸はこの人です≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「私を子ども扱いしないでください! これくらい、一人でできますから!」


事務所で響かせるその声には、大きくため息を吐くしかなかった。


「……なんですか、そのため息は」

「駄目」

「どうしてですか!」

「あのねぇ、静香……おのれが独立心溢(あふ)れるのは、よーく理解できたよ。でもね……」


そう、でも……それは納得できないので、机をバンと叩(たた)く!


「未成年であるおのれには! 会社として相応の配慮が必要なの!
だから僕も明日のロケは付き添うから! それで終わったら家まで送るから!」

「ですから、大丈夫って言ってるじゃないですか! あなたは子育てもあるんだから、早く帰ってくださいよ!」

「気づかいは嬉(うれ)しいけど、それなら人出をくれないかなぁ!」


はい……仕事の付き添いをすると言ったら、一人で大丈夫とゴネだしまして。なのでお説教……全開のお説教です!


「それにレッスン時間も短いです! もっと長く練習すれば、その分デビューに」

「……おのれ、765プロが摘発されてもいいの?」

「摘発!?」


◆◆◆◆◆


「よし……静香、一緒に何か食べようか」

「あ、はい」


……って、自然と返事しちゃってる! いや、別に不都合はないんだけど……でも、この近くにあったかしら。うどん屋さん。

そう思いながら辺りを見渡すと、恭文さんは実に微妙な表情を浮かべ始めて。


「……言っておくけど、近くにめぼしいうどん屋はないよ?」

「な……!?」

「なぜ分かったか?」


その通りなので、何度も頷(うなず)いてしまう。まさか、忍者的サイコメトリーで。


「……そんなの丸わかりに決まってるでしょ! おのれ、お昼も躊躇(ためら)いなく田舎うどんだったよね! コンビニのものだけど!」

「当たり前じゃないですか!」

「当たり前かぁ……もぐもぐ」

「……最上さん、もしかしてうどんの妖精か何かに呪(のろ)いをかけられているのでは」

「そんなことないわよ! というか妖精って……」


いや、しゅごキャラがいる時点で、もう否定しようがないのかもしれない。妖精は……いるのよ……! というか、それを考えると。


「いえ、いるかもしれない……声だって聞こえるし」

「「「「え……!?」」」」

「だってうどんは生き物ですよ? 耳を澄ませば声だって聞こえますし」

≪うわぁ……なの≫

≪これは、重症ですね……≫


え、あの……どうしてどん引きするの? というかの、恭文さん……ショウタロス達共々ずさーって引かないでください!

あなた、私のプロデューサーですよね! うどん県代表を目指そうって言いましたよね! なのになんですか、その態度はぁ!


◆◆◆◆◆


「うん、デニーズにもちゃんとうどんがあるね。マグロ丼とのセットだ」

「なら行きましょう! きっと素敵な出会いが待っています!」


というわけで、静香に引っ張って店内に。もちろん禁煙席で……すると、静香が小首を傾げる。

視線の先にあるのは喫煙席……あぁ、そういうことか。


「タバコ? 駄目駄目……匂いで居場所がバレるんだから。前に戦ったアサシンがヘビースモーカーだったんだけど、気配が消せてもそっちで丸わかり」

「そのリアルファイト経験は、封印できませんか……!?」


もちろん副流煙などの害もあるし、アイリ達もいるし……とにかく自分から手を出す理由がない。

それに、身体への負担も大きいそうだしなぁ。鷹山さん達もヘビースモーカーだったけど、加齢に伴い禁煙したし。

……その結果、衰えていたと思っていた体力が復活したそうなのよ。


あとはご飯が美味しくなり、加齢臭だと思っていたものも激減した。その辺りから全てを察してほしい。


そんな話もしつつ、僕達はやってきたウェイトレスさんにこう注文する。


「「ハンバーグカレードリア。ドリンクバーはなしで」」


――――――――あれ?

ん……んん!? あれれ、あれ……あれ!?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


古鉄≪というわけで、うどん目当てのはずがとんでもないことになりました≫

恭文「静香ェ……」

静香「一体何が問題ですか!」


(そこで登場。ミリシタ信号機トリオの青担当)


静香「というか……私にもするんですね、それ」

恭文「はい?」

静香「志保とかみたいに、気になるからいじめて楽しんで……本当に愛情表現が子どもですね」

恭文「そうだね。たった今、僕に意地悪しているおのれと同じだよ」

静香「違います! 私は大人ですよ! 精神的に!」

恭文「でもこの間やった精神年齢テストで、おのれの年齢……六歳児だって出たよね!」

静香「やめてください! あんな……ギャグ的なお手軽問題で、精神年齢なんて分かりませんからぁ!」


(なお、問題を提供したのは亜美真美コンビ……少女漫画の特集ページだったそうです。
本日のED:Gero『うどん』)







[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!