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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第9巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/9/24)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第9巻『侵略』



古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第9巻の経過報告です。
こちらは鮮烈な日常Fourth Season第二巻が途中詰まった関係で、割と早めに書き進めていました。
現在幕間本編三話、特別書き下ろし一話、そしてISクロス一話が半分ほど書き上がっています≫

恭文「幕間本編は、いよいよ”赤”陣営殲滅作戦開始。サーチ・アンド・デストロイ……サーチ・アンド・デストロイだ!」


(サーチ・アンド・デストロイだ!)



古鉄≪ではどうやってサーチ・アンド・デストロイするか? 当然――不意打ちありの完全封殺です≫

恭文「チャージなどさせるものかー」

あむ「それ違うキャラじゃん! というか、やり口が完全に犯罪者の鎮圧とかじゃん!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


”あと……分かってはいると思いますけど、テッキイッセンマンにはならないように”


あれ、フィオレから念話が……おかしいなぁ。


”あなたの仕事は、五体満足で天草四郎まで到達すること。聖杯による人類救済の鍵である彼は、当然大聖杯の近くにいるはずです。だから”

”いやいや、テッキイッセンマンになるも何も……僕はテッキイッセンマンじゃないもの”

”その設定、まだ押し通すんですか……!”

”それに、意外とあっさり通してくれるかもしれないよー。フィオレ、突撃前に少し喋らせてほしいんだ”

”何をするつもりですか”

”うーん、嫌がらせ?”


愉しげに笑うと、フィオレが呆れた様子でため息。


「あ、それと……”黒ウサギ部隊”から荷物が届いていますよ」

「本当に!?」


黒ウサギ部隊――忍さんや恭也さん達とも親しい、ドイツ軍の特殊部隊でね。なお女性のみで構成されている。

ちょっと縁があって、僕も仲良くさせてもらっているのよ。……フィオレは小型のトランクケースをどこからともなく取り出し、それを手渡してくれる。


「ありがとう、フィオレ」

「いえ。でもなんですか、それは」

「庭園内部では分身による広域探知もできないからね。でも周囲の状況探知ができないのは不便でしょ。……マスター達も助けたいし」

「まさか、そのための? ですが庭園には認識阻害の魔術もかけられているでしょうし」

「備えあれば憂いなし――意外と神秘ってのは、科学に脆いものかもよ?」


トランクを開けると……モノクル型のバイザーが入っていた。ご丁寧に説明書もバッチリ。

あとは実際に庭園と接触して、それからだね。


◆◆◆◆◆


「――ヤスフミ」

「うん」

「そもそも、ジェット機ってなんで動くんですか……!」


これから飛び立とうとGがかかる中、ジャンヌがとんでもない疑問をぶつけてきた。それにギョッとして、全員がジャンヌを見やる。

四機のターボファンエンジンがうなりを上げ、何トンという巨体を加速させる。


「え……でもおのれ、フランスからこっちへ移動するときに」

【そ、そうです。ジェット機には乗りましたよね。それに】

「あのときは聖杯大戦とか、ルーマニアの状況に思案していて……実は窓の景色もよく覚えてなくて。
あの、これ……墜ちませんよね。このまま海にドボンとか」

『不吉なことを言うなぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!』


そんな、怯えないで! 打ち震えないで! これから決戦ってときにおたおたしないでー!

――そうしている間に、機体がふわりと浮かぶ。時速数百キロという速度で、鋼鉄の塊は空を飛ぶ。

窓から見えるブカレストは、加速度的に縮小。人は豆粒どころか点すら見えず、それは夜闇に紛れて消えていく。


更に上昇を続けた飛行機……窓の外には何も見えなくなった。後はただ待つだけなんだけど……!


「主よ……どうか、我らをお守りください。そうだ、この鋼鉄の塊がいつ墜ちてもいいように、ちゃんと宝具の発動準備を」

「落ち着いてもらえますか!? というか不吉すぎますから!」

「そうだそうだ! つーか旗を取り出すな! 天井が突き破れる! 大事故じゃねぇかぁ!」

「ホントですよ。全く……」


おぉ、桜セイバーが冷静だ! さすがは僕のサーヴァント!


「これが現代科学の粋なんですから、ちゃんと冷静に受けぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼ……!」

「「「いやあああぁああぁあぁぁぁあああぁぁあ!」」」


かと思ったらなんか吐き出してるぅぅぅぅぅぅぅぅぅ! 血じゃなくてモザイクっぽいものを吐きだしてるー! 既に大事故発生だよぉ!

ちょ、止めて……かかった! ちょっとかかったぁ! お気に入りの黒コートなのに、モザイクが付着したぁ! 縁起でもないし!


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「あなたの言う通りかもしれませんね」

”マスター!”

「確かに私は、今を生きる人達と……言葉を交わし、悩み、答えを出していない。
しかしこれは、先人達から託された願い――あなた達今を生きる人間だけのものではない」


ここまで私の理想を否定されるとは……思いませんでした。えぇ、否定されましたよ。

人と繋がらずに生み出した、自分だけの理想。

そうかもしれませんね。でも揺らがない……この天草四郎時貞の心は揺らがない。


たとえあなたの話が全て事実だったとしても。たとえ咲き誇る花が消え去ったとしても――。


『ならルーマニアの人達はどうする。お前の作る世界では”よりよい国にする”夢を叶えられない……これまでの道のりも全て奪われるぞ』

「彼らもまた救済されるのですよ? もう戦い、犠牲を積み重ねる必要はないのですから」

『犠牲?』

「戦い続け、そうして文明を進めるのが人の宿命。しかしそのたびに力なき者は踏みにじられ続ける。
私はその連鎖を止めたい。人々が不死の存在となり、我欲を切り捨て一つとなれば……それは可能なのです。
どうでしょう。あなたもまた人々を守るために来たのであれば、協力していただけませんか? 目的は同じだと思いますが」


すると彼は、私の言葉を鼻で笑う。


「何がおかしいのですか」

『今に手を伸ばそうともせず、歩み続けている人を蔑むお前が――生きようとすらしていないお前が、人類の夢なんて託されているわけないだろ』

「誤解ですよ。私は蔑んでなど」

『だったらどうして、ルーマニアの人達を”犠牲”と言い切った――!』


その上で私の根底を、私の在り方を、私の言葉を全て否定し、右手を伸ばす。略奪者に対する最終勧告として、その声を張り上げる。


『よく分かった……だから剪定事象の対象にもなり得るわけだ。ルーラーの言った通りだね』

「なんですって」


剪定……そこで啓示が降りる。

その言葉の意味が、その流れが、どうしようもなく理解できて、冷や汗が軽く流れた。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「剪定事象の話、便利すぎるから使うのやめよう」

あむ「台なしじゃん!」


(蒼い古き鉄的には、頼りすぎても駄目だと感じたようです)



恭文「というわけで、庭園接触前の話もちょいちょい交えつつ……いよいよ奴らに嫌がらせだー!」

古鉄≪楽しいですねぇ。今まで散々舐め腐ってくれましたから……普通に死ねるとは思わないことです≫

恭文「屈辱を煮詰めに煮詰めて、顔に塗りたくってやる……!」

あむ「また悪い顔をしてるし! というかできるの!? 庭園ってほら……なんか凄い感じだし!」

恭文「大丈夫。超天元突破ムゲンオーで踏みつぶすから」

あむ「それ違う作品だし!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


私の視覚は、闇夜であろうと全てを見通す千里眼。ただその能力を用いたとしても、アキレウスが駆る戦車を追いかけるのは一苦労。

……そう言えばヤスフミは、なかなか面白いことを言っていましたね。


――ジャック、こんな問答を聞いたことがある? ……自分より強い相手に勝つためには、相手より強くなければならない――

――ううん。でもそれ、矛盾してるよね――

――ところがしていない。相手が強いのなら、相手より得意な……自分が得意な戦い方をすればいって話だ。
ジャックだってアサシンのサーヴァントだから、直接戦闘より奇襲が得意だよね――

――あ……そっか。わたしたちは殴り合いだとセイバーに勝てないし、射程ではアーチャー、速度ではランサーに負けるけど、暗殺なら負けない――

――ガンプラバトルも同じだよ。自分が一番得意で、これだって思える戦い方やセッティングを磨き上げる。そうしたら僕との差なんてすぐ埋まっちゃうよ――


まぁガンプラバトルで彼に負けて、悔しがっているところの話だったんですけどね。なお彼も師の友人から教わったとか。


――それは道理でもあった。パワー、テクニック、スピード、知略……戦いでは様々な要素が絡み合います。

それがどれか一つでも常軌を逸するレベルで鍛え上げられたとき、それはもはや単なるステータスではなく、武器の一つたり得る。

彼の戦車は、それをあの尋常ならざる速度で操る技量は、それに足るものだと言えるでしょう。


旅客機では……いいえ、並みのサーヴァントでは回避不可能で威力は絶大。更に速度ゆえに撃墜も難しい。

攻守共にほぼ完璧。英雄が成し得る一つの到達点。しかもあの馬はただの馬ではない。


二頭は海神(ポセイドン)から賜った≪不死なる神馬 クサントス&バリオス≫。

一頭はエーエティオンを陥落させた際、手に入れた≪名馬 ベーダソス≫。


その名は『疾風怒濤の不死戦車(トロイアス・ドラゴーイディア)』――この世全てを置き去りにする神速兵器(宝具)。


◆◆◆◆◆


空に輝く月はない。

かつてボクは、月で自分の理性を見つけた。そう、月にはボクの理性がある。

なら月のない夜、その理性もまた消えるのか。いいや違う……頭がいい感じに、ぎゅいぎゅい廻ってるよー!


「さぁ行くよ、マスター!」

”やってやりなさい、アストルフォ!”


ヒポグリフは豪風に負けることもなく吠え、その声が甲高く響く。

鋼鉄の屋根をその蹄で砕きながら、助走を付けて高く……高く飛んでくれる。


「シャルルマーニュ十二勇士――アストルフォ! お相手仕る!」


うーん、さすがに……ちょっと怖いけど! でも絶景だね! そんな中を突っ切って飛ぶってのは気持ちいいー!

ヤスフミも例のプロトンサンダーは温存しているし、ここは派手に暴れちゃうぞー!


当然それを簡単に許す奴らじゃないんだけど……なんだ、あれ。

庭園を囲むように、二十メートルはある漆黒のプレートが出てきたんだよ。それで合計十一枚だ。


あれはプロトンサンダーでも壊れなかったみたいだし、多分……ボクの領域だね。


「さぁさぁ、刻限だ!」


輝く月はなく、狂乱する心は静まり、震えは止まらず……でも、勇気はこの胸にある!

最高のマスターがくれた、とびっきりの勇気が! だから立ち向かえる……だから前に進める!


「――我が心は月もなく恐怖に震え、されど断じて退きはしない! 解放(セット)――『破却宣言(キャッサー・デ・ロジェスティラ)』!」


◆◆◆◆◆


――そうして、次の部屋にたどり着いた。


「あらまぁ、これは」

≪素晴らしいですねぇ≫


巨大なドアを蹴り飛ばし入ったところ……そこは部屋ではなく、正しくは回廊。

天井は見えないほどに高く、全長百メートルほど。最奥には巨大な鉄扉。


”玉座の間ですね”

”予定通りだね”


鉄扉の先にいるよ……セミラミス様が。それに嫌な空気がたっぷりだ。少なくとも出迎える感じではないと思いながら、一歩ずつ慎重に進む。


――その上で、セミラミス様に大事なことを教えてあげよう。


「そうそう……それと、毒をたっぷり用意して待っているみたいだけど、対策があるんだよ?」

そこで扉の向こうで沈黙し、待ち受けている殺気が変化した。僅かな動揺だけど、それはすぐ飲み込まれる。

……毒についても、ハイパー・センサーでしっかり捉えられているよ。空気中に仕込まれているようだね。

そう、捉えられている。玉座の間内部にある調度品やら、壁に柱の材質……全てチェック済み。


「これまで扱ってきた魔術……ヴラド三世が乗り込んだときの言いぐさから判断して、この城の中ではおのれが王様だ。
王様が一番威厳を保てる場所は? そりゃあもちろん、玉座に決まっているでしょ」


五十メートルほど進んだ上で足を止め、笑いながら左指を鉄扉に向けて……詠唱開始。


「同時にシンボルだ。この城がおのれのもので、そこに座るおのれが主という印……なら、”それがなくなれば”?」


ジガンのカートリッジをフルロード。

この間ぶっ放した経験、更に庭園の予測見取り図を参考に、囚われているであろうマスター達がいない場所を狙い。


『ッ……!』

「もう遅い」


カートリッジ六発分の魔力も活用した上で術式構築。パチンと指を鳴らすと、不可視の衝撃波が放たれる。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、今回はガチに言うよー。あの台詞を言うよー」

古鉄≪そしてセミラミス様は涙で枕を濡らすわけですね。……ゆかなさんボイスじゃないからって、また冷たいことで≫

恭文「声は関係ないからね!?」


(蒼い古き鉄の願い:ゆかなさんボイスのサーヴァントが出ますように)


恭文「中原麻衣さんボイス、または岩男潤子さんボイス……!」

古鉄≪あなた、悠木碧さんボイスのサーヴァントが二人もいるでしょ≫


(「んぐ……どうしました、マスター」
「それより一緒に、お茶でも飲まへん? 和菓子もあるよぉ」)


恭文「アガルタで喜久子さんボイスのサーヴァントも出たし、次の七番勝負や最後の一編では期待している……!」

古鉄≪本気ですね≫

恭文「更に言うと、そのために聖杯も溜めている!」

古鉄≪あとはQPも溜めましょうか。スキルマックスは大変ですよ≫

恭文「だね!」


(というわけで、宝物庫をサモさんシステムで荒らすお仕事が始まります。
本日のED:Team.ねこかん【猫】『エアーマンが倒せない』)





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