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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第8巻経過報告:02(サンプルあり)(2017/8/29)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第8巻『花を踏み荒らす者は』




古鉄≪というわけで経過報告です。続いては幕間本編ですが≫

恭文「ずるずる……ずるずるずるるるー。……麦とろ、ご馳走様でした」


(蒼い古き鉄、最近家のご飯を麦飯に変えた様子)


恭文「麦とろを毎日食べたくなって!」

フェイト「違うよ! 健康のためだよ!? でもアブソルやみんなにも好評でよかったぁ」

恭文「だね。だから麦とろをズルズルと……好きなときに……」

フェイト「もういいんじゃないかな。お代わり五杯目だよ?」


(蒼い古き鉄は某佐竹さんによるご奉仕を受け続けた結果、かなり大食いになりました)


恭文「それで今回は幕間だけど……いよいよ最終決戦! 今巻で原作四巻までは終わったよ!」

古鉄≪長かったですねぇ。なお原作と違いカルナさんとアタランテさんがアボンしているため、わりとサクッと決着予定です≫

恭文「桜セイバーの一五〇メートルガーベラで一刀両断!」

フェイト「できないって言ってたよね!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「でも改めて考えると、恭文さんの魔力量ってどうなっているんですか……!」

「そやそや! 私らも戦ってる様子とか見てたけど、いろいろ魔法を使いまくってたし……それで一般的って!」

「そこは車やバイクに例えると分かりやすいわね。例えば……アンタ達、カブって分かるわよね。原付きバイクの」

「えぇ。新聞配達とかでも使われる……ビジネスバイクですよね」

「カブ……お野菜じゃないんですか? バイクなのにカブ……何だか可愛(かわい)らしいです!」


あぁ、星梨花がとても純粋な瞳で! そうだった! この子は世間知らずだった!

でもどうしよう、あの瞳の輝きを見ているとこう……愛(いと)おしい感情が……って、恭文さんじゃあるまいし!


「それがコイツや私よ」


ティアナさんが右親指で指すのは、恭文さんと自分だった。


「ランスターさんも?」

「私も魔力量で言えば平均的。コイツよりはちょっと多いけどね。
……で、フェイトさんやなのはさん達、そのフィオレ・フォルヴェッジはスポーツカー。
まぁ車体重量や排気量の問題もあるけど、燃費で言えばカブの方が上になるわよね」

「そうですね。……実は私、新聞配達のバイトを短期でしていたことがあって。確か一リッターで百十キロとか」


まぁ、家計を助けるためというか……アイドルになろうと思ったのも、元々は『稼げる仕事』でもあるからで。

私がお金を稼げるようになったら、母もその分仕事を控えめにして、弟と一緒にいる時間を作れるから。


……あんまり、大っぴらに言う話じゃないけど。


「スポーツカーの燃費は十キロから二十キロくらいね。……カブはスポーツカーほどの出力は出せないけど、その分少ない燃料で効率よく走れる。
逆にスポーツカーはカブほど燃費がよくないけど、消耗が激しい分スピードも、パワーも出せる」

「使った回数などではなく、そもそも得意分野が違うんですね。……つまり、フォルヴェッジさんとラインを繋(つな)いだ恭文さんは」

「スーパーカーのタンクを詰んだ改造カブに早変わりってわけ。そういう認識でいいわよね」

「うん」

「そう例えられると、実に無駄な改造ですよね……!」


カブの車体に、車並みの大きさなガソリンタンク? 逆に扱いにくくなりそうで怖いんですけど。


◆◆◆◆◆


ルーラーに残ってもらったのは、幾つか頼みたいことがあったからで。それもとっても大事なことです。

まずその一つは――。


「ホムンクルス達の安全締結?」

「えぇ。この後我々が城から出れば、ホムンクルス達を守るものがいなくなります。戦力ではなく、法……道理的に」

「私は残ってコイツらの面倒を見るが、魔術協会から見れば反逆者だからな。当然コイツらも……それをルーラー、お前に何とかしてもらいたい」


とても……とてもザックリとした説明ですが、ルーラーも意図は伝わった様子。同時にそういうことならとすぐにほほ笑んだ。


「分かりました。では調停者の名に置いて、協力するとお約束します」

「ありがとう、ルーラー」

「ただ安全締結と言っても、魔術的な契約も施すのですよね」

「えぇ」

「……大丈夫でしょうか」

「だよなぁ。みんな揃(そろ)って自我も発達しすぎているし」

「それなら安心しろ。既に全員分……名前を考えた」

「「えぇ!」」


えぇ、そうなんです。ゴルドおじ様ったら……契約がスムーズに進むよう、楔(くさび)となる名前……存在の証(あか)しも考えてくれて。


「正直、もう何かの名付け親になどなりたくない……!」


なお本人はその辺りのアイディアが枯渇して、完全に疲れ果てていますが。


「感謝します、主」

「その必要はない。約束だからな」


それでも憮然(ぶぜん)として、そっぽを向くおじ様。

あとはゴルドおじ様が魔術協会への降伏宣言など、諸々(もろもろ)のことを担当してくれる。


……だから、この後のことが本当に申し訳なくもあって。


◆◆◆◆◆


夕暮れを過ぎる頃には、ブカレストに到着した。夜のブカレストというのも、そこそこ物騒なもので……とはいうわけもなく。


「……何というか、静かね」

「うんー。事前にネットで調べたときは、治安もよろしくないーって感じだったのに。というかほら、ヤスフミもちょろっと話してたし」


とても静かでした。人の出歩きも最低限で、実に……こう、首都とは思えない静けさで。


「”現代の切り裂きジャック事件”の影響だね。六導玲霞も指名手配状態だけど、事件自体はまだ解決発表していないし」

「あぁ、それで……」

「まぁいいじゃないの。おかげで絡まれる心配はないわ」


――地図に従ってたどり着いた家は、レンガ造りで閉鎖的。”魔力滞留型建造物”としては典型的なもの。

教えられた暗号と鍵によって、魔力でロックされた扉を解錠……中に入ると、一階は居間と台所、二階は寝室。

客間用のものと合わせて四つのベッドが用意されていた。で、目を引くのは調度品のぜい沢さ。


「しっかし……凄(すご)いぜい沢なセーフハウスだわ」

≪えぇ。本革製のソファー、ペルシャ絨毯(じゅうたん)、チューリップを模したクリスタルシャンデリア――≫


そこで、脇からカシャーンという破砕恩が響く。


「ちょっと! 何してるのよアストルフォ!」

「ごめんー!」

「かっこ……アストルフォが破壊した……かっこ閉じる」

「修理しましょうね、可哀相(かわいそう)ですから」


シャンデリアは修復魔法で補修して、事なきを得た。だって、可哀相(かわいそう)だもの。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、決戦に備えて充電期間。どういう結末にしろ、サーヴァント達との日常もあと少し……」

古鉄≪いろいろすっ飛ばしている”赤”陣営はともかく、フィオレさんやセレニケさん達はそれぞれに思うところもあるようで≫


(特にフィオレ&アーチャー組は)


恭文「そう、あと少し……どういう形であれ、僕とジャンヌがいられるのも」

古鉄≪まぉ拍手世界だと本人、今は牛タンを食べまくってますけどね≫

ジャンヌ(Fate)「んぐ?」


(麦とろ、牛タン、テールスープ……最高ですよね)


ジャンヌ(Fate)「はい、最高です! 生前にも味わいたかった……この味!」

恭文「なお牛タンについては、真の誕生日だからと……火野恭文が提供してきて!」

恭文(OOO)「こっちは真の誕生日というより、いつも場所を借りているお礼も込みだよ。
――というわけで、お代わりはどんどん受け付けているよー!
麦飯も美奈子に手伝ってもらってたっぷり炊いたし、とろろも十分! 牛タンもどんどん焼き上げるよー!」

あお「あおー!」


(ハ王コンビ、仲良く牛タンを捌き、ジュージュー焼いている最中)


恭文「……そう、ジャンヌと牛タンを食べられるのもあと少し」

フェイト「牛タンは出ないよね! ルーマニアだよね! というか諦めないでー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


アストルフォが何かを見つけて止まるたび、何とか引っ張ろうとすることに。しかしそれは無駄なことだった。

大道芸人を見つけては止まり、子ども同士のほほ笑ましいカップルを見ては止まり、信号を渡るのに時間がかかりそうな老人には、迷わず手助け。


「アンタ……ホント、トラブルが好きよねぇ」

「うん! だってトラブルは楽しいし、人間も好きだからね!」


満面の笑みで言われて、セレニケさんも諦めるしかない有様だった。というか、僕にも言う権利がー!


「でもアンタ、なんで人間が好きなのよ」

「うーん、分からないや。逆に聞くけど、どうして嫌いになれるんだい?」

「……裏切り、踏みつけ、蹂躙(じゅうりん)し……人間の悪性にうんざりする、とか?」

「そうだね。でもそれは、これまでの経験に基づく計算でもある。ボクだってね、あの人達が何の関わりもない人間だってのは分かっている。
ボクが手を伸ばさなければ、ただの書き割りに等しい存在だ。……言い方は悪いけどね?」


アストルフォは苦笑しながらも、身を翻す。


「でもそこにボクが関われば、もしかすると何かが変わるかもしれない。自分の計算式すら覆されるかもしれない――それが面白い!」


両手を広げながらの回転は、まるでダンスを踊っているかのよう。揺れる三つ編みの髪がそんな印象を加速させる。


◆◆◆◆◆


――熱い湯に浸(つ)かると、身体に溜(た)まった疲労が溶けていく。それでつい安堵(あんど)の息を吐いて……あぁ、こうしてお風呂を楽しむのも久しぶりかも。


「あの、何かすみません」


私の中にいる聖女様には一応謝罪。


”謝る必要はありませんよ”

「いえ、その……多分聖女様がいろいろ暴走気味なのとか、私の影響が……ですよね」

”それこそ気にする必要はありませんよ。あなたの身体や精神性は、生前の私ととても近いのですから”

「つまり私も注意しないと、あんな妄想を……は、はうぅ……!」

”恐怖!? え、恐怖していますか!? 私の行動に! 自分の未来に……ちょっとー!”


――残り三日……緊急時以外であれば、表に出てきても問題ないと判断された。

それで改めて、もう一度勇気を持って、あの人に向き合おうと思って。ま、まずは身を清める形で……はい。

でも同時に、ジャンヌ様の気づかいでもあった。如何(いか)に安全とはいえ、内側でただ見ているだけ……それが精神的に疲弊していると。


「でも、そうですよね。だって、私……恭文さんにいろいろ大胆なことを」

”恐怖を肯定した上で進むんですか……!”

「なんでしょう。この……些事(さじ)と喜悦が混じり合って、それで悲哀が入っているのは」

”……あなたの気持ちに気づいていないから、ですね。ヤスフミははっきり言わないと意識しませんし”

「でも、だからってあんな淫らな妄想は……! というか、私の携帯履歴にいけないブックマークがたくさん」

”また私がディスられたような!”


だって、だって……やっぱり駄目です! もっと開放的と考えても、あれは駄目! 事件が終わったら削除です!

でも……それも聖女様の足跡と考えると、少し寂しいような。


◆◆◆◆◆


「――恭文さん」


頭の方から、少し怯(おび)え混じりの声が響いた。目を開けてそっと起き上がると、白いパジャマ姿な……レティシアがいた。

ジャンヌと同じ外見だけど、やっぱり雰囲気が違う。声から伝わってきたものと、目の前の少女はとても似ていて。


「レティシア、だよね」

「――! わ、分かるんですか!」

「うん。声の感じが違うから……初めましてになるのかな」

「は、はい。初めまして……!」


一旦睡眠の姿勢は解除して、二人でソファーに座る。それでレティシアに毛布をかけてあげる。


「ありがとうございます」

「ううん。で、どうしたのよ。ジャンヌは」

「ジャンヌ様は眠っています。それでその、恭文さん……」

「うん」

「ジャンヌ様、いろいろポンコ……もとい、現世に染まりまくりで、暴走していますよね」

「……そう、だね」


レティシアから見てもポンコツって認識かー。まぁそうだよね、あれだけやらかせば。


「それ、私のせいなんです」

「……はい?」

「でも、ジャンヌ様自身の気持ちでもあって……つまりその、あの……」


レティシアはそう言って、優しく笑う。……その上で。


「あと……ジャンヌ様の夢を、叶(かな)えてほしいんです」

「夢?」

「はい」


どうやらレティシアが出てきたのは、そこが原因らしい。だから改めて話を聞くことにした。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、FGOのクリスマスでもちょろっとでたあの話をしつつ、一発勝負な決戦に挑みます」

古鉄≪……でもレティシアさんとは関係なく、とまとのジャンヌさんはポンコツですよね≫

恭文「だね」

ジャンヌ(Fate)「そ、そんなことはありません! マスターにも召喚されましたし!」


(そこで聖女、ガッツポーズ)


恭文「……フェイトの影響を受けてしまったかぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

フェイト「ふぇ!?」

古鉄≪いや、今更でしょ。この人はフェイトさんが買っていたエッチな漫画などを見て、とっくの昔に≫

恭文「そうだったー!」

ジャンヌ(Fate)「……いいんです! だって……二年近く召喚されなかったんですから。
ふだんの生活でも頑張ろうって、以前の拍手でも言いましたよね。だ、だからまた……あぅ……」(ごにょごにょ)


(また何かしらの本を見たのか、思い出して赤面する聖女――そして牛タンは焼かれていく。
本日のED:GRANRODEO『modern strange cowboy』)






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