作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
鮮烈な日常Fourth Season第1巻 経過報告:01(サンプルあり)(2017/8/9)
古鉄≪というわけで、トップページでお話しした鮮烈な日常Fore Seasonの経過報告です。
とりあえず……現状はメイジン対レナート兄弟戦までのところでメインは七話収録。
特別書き下ろしも短編一話書き上がりました≫
恭文「まだ後世もしていないけどね。今回は世界大会終了……そう、セイとレイジが新たな約束を交わすところまで進める予定です。
というか、そろそろこっちを進めないと……幕間の書き下ろしも書きにくい……!」
古鉄≪充電期間もたっぷり予定が詰め込みでしたからねぇ。
というわけで、HP版ではカットされたあの話も入っています。どうぞー≫
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「リハで何か気づいたこと、他にあるかしら」
「うーん、出はけがまだちょっとバタバタしてるにゃ」
「そうね……もう少し余裕を持って動きましょう。他には」
「やっほー」
そこで入ってきたのは、リハにも参加していた美嘉さんだった。それも……とんでもない秘密兵器を持って!
『美嘉さん!』
「美嘉ねぇ!」
「お姉ちゃん!」
「リハ、いい調子だったじゃんー。明日もこの調子で頑張ろうねー」
『よろしくお願いします!』
「あとは……初めまして。臨時プロデューサーのみなさん」
美嘉さんは脇に控えていた魅音さん達に向き直り、一礼。
「先ほどは挨拶に来てくれたのに、不在で申し訳ありませんでした。城ヶ崎美嘉です」
「園崎魅音です。こちらこそ……本来であれば改めて出向くところを、お気遣い頂き感謝します」
「前原圭一です」
「竜宮レナです。よろしくお願いしますー」
「はい! あ、アタシのことは美嘉って呼んでください。敬語も堅苦しいからなしで……せっかく同世代なんだし、仲良くできたらなーっと」
「あ、そう? ならこっちも同じ感じでお願いしようかな。……しっかしリハのアレ、凄かったねー!」
「でしょー!? 石川と、小日向美穗ちゃんのプロデューサー……津田さんが内密にお願いしていたんだ」
「お父様も、このために日本へきたからな!」
そこで登場するのは、金髪を両サイドに分けた女の子。サマージャケットを颯爽と着こなす彼女は……。
「お父様? 美嘉ねぇ、この子って」
「あ、紹介するよ。前大会の優勝者≪カルロス・カイザー≫の娘さんで……プリンセスちゃん」
「初めまして」
『えぇ!?』
◆◆◆◆◆
いよいよ、明日はフェス本番……! ホテルに戻ってからも、こっそり……合宿中に始めた勉強は続く。
ラブライカやみんなのライブ映像をチェックして、みんなのダンスを真似る。ううん、その呼吸を掴んでいく。
全体曲の練習中に感じたものも加味して、一人部屋で練習……そうしてどんどんバージョンアップ。
えっと、クセっていうのかな。とにかくそういうのを、身体に染み込ませるように……!
「私は……やっぱり、ソロユニットだし」
汗を払って、気合いを入れ直してもう一度……全体曲を頭から! みんなの動き、足取りをイメージして、本番と同じ気持ちで……!
「ちゃんと、練習しないと……」
道は、僅かにだけど開けている。決して全てにおいて正義とは言えないけど……でも、私達は止まれない。止まりたくない。
そのためにもできることを全力で。みんなと仲間になるために……もっと、新しい景色を見つけるために。
◆◆◆◆◆
「みんなー、揃ってるー」
スタンバイを終えた瑞樹さんが、元気よく号令……。
『はーい』
「私達はもちろん、スタッフさんも、お客さんも安全に、楽しく今日のフェスを……この夏一番、盛り上げていくわよ!」
『はい!』
「……魅ぃちゃん、この雰囲気いいねー」
「だね」
園崎家次期頭首として、部活メンバーとして、いろいろなイベントごとを企画・実行していった経験が蘇ってくる。
そうだね、基本は変わらない。戦う場所が違うだけで……わたし達は、わたし達なりの祭り≪パーティ≫を楽しむだけさ。
「じゃあ楓ちゃん、円陣を組む前にかけ声よろしく」
「はい……それじゃあ円陣を組んで、”エンジン”かけましょうー」
『あ……は、は……はい……』
でも、楓さんのギャグで絶対零度の嵐が舞い踊る……その結果全員が身震い。
……ちょっと、圭ちゃん、レナ、こっちを見ないでよ。
卯月達も気持ちは分かるけど、付き合いはそっちの方が長いよね。というか……やすっちー!
あとスク水姿のプリンセスも! バニーガール姿のカイザーも打ち震えている場合じゃない!
その『突っ込む余裕はない』って顔はやめなよ! アンタの格好は仕方ないでしょ!
『娘の敵は取る』とか言って、返り討ちに遭った自分が悪いわけで! だからこの状況もツッコめー!
「……分かるわー。先輩にボケられると、どう反応していいか困るのよねー」
「おぉ! 今のはギャグですか!」
「ホントだ、すごーい」
「「いや、凄いというか……寒い」」
「えー。美嘉ちゃん、幸子ちゃんも大丈夫? 私はすっごく暑いのに……というわけで、脱いでも」
『それは駄目ぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!』
「もう……冗談ですよー。衣装を脱いじゃったら、お仕事できませんしー」
十時さん……十時愛梨さん! ほぼ初対面ながら、一言言わせていただきたい! それは全く冗談に聞こえませんでしたぁ!
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「というわけで、デレマスのアニメ十三話でやったフェス話……大変だったー」
古鉄≪今回、この辺りだけで二話分とか使ってますしねぇ。……そして当然のように起きるトラブル≫
恭文「もうさ、CPはいろいろ呪われているんじゃ」
古鉄≪お祓いするべきですよ、お祓い≫
(まるできど……げほげほ!)
美波「あなた達に言われると屈辱的すぎるわ……!」
恭文「美波……おのれ、生きていたのか」
美波「生きてますー! なんでちょっと命の危機があったみたいな話になっているの!?」
恭文「だって、これ」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
涙をこぼしながら、智絵里ちゃんが……私達が見るのは、ベッドで泣き伏せる美波さん。
両手で顔を覆い、嗚咽を変わらずに漏らし続けていた。
「そうしたら、気分が悪い……って」
「……魅音」
「お医者さんの話では、風邪や病気の類いではない。……極度の緊張で発熱しているらしい」
「ミナミ、リーダー……とても頑張っていました」
……失敗を悟った様子で、魅音さんが……圭一さん達が、悔しげに拳を握る。
「すまん、俺達の」
「違うわ!」
でも美波さんはふらつきながら、身体を起こして立ち上がろうとする。それを脇のアーニャちゃんがそっと制した。
「私も、夜遅くまで練習してたから……ごめん、もう大丈夫だから」
「駄目です! まだ熱、引いてません!」
「……新田さん」
魅音さんは厳しい表情で……静かに座り込み、美波さんと目線を合わせる。
「CP臨時プロデューサー、園崎魅音として命じます。あなたの出演は許可できません」
「……!」
「申し訳ありません……」
……美波さんは泣き叫ぶことも、抵抗も見せず……ただ静かに言葉を飲み込み、納得した。
するとそこで、医務室のドアをノックする音。
「……失礼するっす」
入ってきたのは石川さんだった。私達はすぐさま背筋を正し、お辞儀。
「石川さん、このたびは我々の不徳で」
「いや、そこは大丈夫っすよ。ただ、園崎臨時プロデューサー」
「はい」
「今すぐ……迷いなく、躊躇いなく、ラブライカと全体曲の出番、渡してほしいっす」
「……それは、どういうことでしょうか」
◆◆◆◆◆
「――いやいや、無理っすよ! 鷹山さん、大下さん、俺ももう社会人でして!
立場ってものがありまして! つーかあなた達、部外者でしょ!」
「そう言うなよ」
とりあず石川には、卯月ちゃん達を苦しめた罪があるので……ネクタイぎゅー!
「ぐへ!?」
「本牧ギャング随一の間抜けな動物だったお前を、二本足で歩ける立派な人間に育ててやったの……誰だっけ?」
「石川、それ……僕もちょっとだけお手伝いしたよね? お前がコカイン密輸の濡れ衣を着せられたとき、助けたのは誰だっけ」
「そ、それについては、非常に感謝しているっす! でも、でもですねぇ! 実際問題新田さんが出られないと……全体曲も辛いわけっすよ!
というかですね、一番駄目なのは無理をして、ステージ上で倒れることっすよ! そうなったらライブ全体が潰れますよ!?」
「そこを何とかするのがお前の手腕だろ。見せてみろよ……本牧ギャングのねずみ次郎と呼ばれた俊足を!」
「俊足関係ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ! つーかそんなの初めて聞いたぁ!」
「だな……それはアタシも証言しておくよ」
そこで呆れ気味に入ってきたのは……おぉおぉ、拓海もまた奇麗におめかししちゃってー。素敵なスタイルで悩殺って感じ?
「おぉ拓海! いいところに! 助けてくれ! 男を紹介するからー!」
「いらねぇよ、馬鹿!」
「あ、そうか! だったら……やべ、女の知り合いは専門外」
「そっちでもねぇ! ……全体曲に限らず、集団のダンスって予め人数が決まっているからさ。
突然一人抜けてそのままになっちゃうと、どうしても穴が開いちゃうんだよ」
「アドリブで埋めるってのは」
「人数が少なく、そもそもそこまでダンサブルじゃなく、なおかつ”舞台を数多く踏んだベテラン”なら可能だ」
なるほどね……経験値があれば、穴を埋めることは可能と。でも卯月ちゃん達には無理か。
◆◆◆◆◆
「さぁ! これで一つの壁は越えた! 次はアンタ達だよ!」
「「「はい!」」」
「――大変です!」
でもそこで、アーニャが急ぎ足で戻ってきた。
辛いステージだったせいか、その表情はとても冴えなくて。
いや……違う。
ステージのないようじゃない。その答えもすぐに分かった。
外の方から響いてくる”雨音”は……!
「……魅音、雨だ」
「うん、分かってる。でも天気予報じゃあ今日は一日快晴」
「切り替わったらしいぞ……見ろ!」
そこで圭ちゃんが携帯を見せてくるので、確認したところ……突如雷鳴が轟く。
その結果場の照明が一気に落ちて、まるで深夜のような暗さに包まれた。
『きゃあああああああああ!』
雷……真上に落ちた!? 凄い衝撃にあちらこちらから悲鳴が響く。
「な、なんですかこれー!」
「お察しの通り――雷雲を伴った豪雨だ!」
……圭ちゃんの携帯には、ネットの天気予報が映し出されていた。
うん、確かに書いているよ……静岡地方は豪雨! 雷も伴うから、落雷にも気をつけろってね!
『――みなさん! 雷と豪雨のため、ステージは一時中断します!』
『各スタッフが誘導します! お足元と周囲のお客様に注意の上、慌てずに退場してください!
繰り返します! お足元と周囲のお客様に注意の上、慌てずに退場してください! 急いでの退場は、大けがの元となります!』
「停電……豪雨……!?」
「じゃあ、私達の……みんなのステージは」
未央と凛の声は、とても無意味だった。本当に……梨花ちゃんじゃないけど、神様ってのは意地が悪い。
……全体曲どころの騒ぎじゃなくなった。これから登板予定のニュージェネも含め、今日のフェスは……このまま、潰れる。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
恭文「天気だけはどうにもできないからねぇ」
美波「なによこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!」
古鉄≪だから言ったでしょ、呪われているって≫
(現代のエマニエル夫人、頭を抱えて絶望)
美波「……って、エマニエル夫人じゃないー!」
恭文「美波、気を落とさないでね」
古鉄≪そうです。元気を出してください≫
恭文「慰めないでよ! もう!」
(果たして全体曲は……フェスはどうなるのか。本編をお楽しみに。
本日のED:『エマニエル夫人のテーマ』)
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!