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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第7巻経過報告:03(サンプルあり)(2017/7/29)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第7巻『人として』



古鉄≪というわけで幕間リローデッド第7巻、明日(2017/07/30)発売開始です。みなさん、何卒よろしくお願いします≫


(よろしくお願いします)


恭文「なお作者のアホが一部修正前のバージョンでアップしたまま寝落ちして、今に至るため……本仕様ではない模様! このアホが!」


(ごめんなさい!)


古鉄≪ただどれか一話が欠けているとかはなく、本当に一部シーンを削って書き直しただけなんですが。
本仕様も明日の十時以降にはアップされるでしょうし、またトップページでお知らせできればと思います。
というわけで、こちらでは幕間本編をご紹介します。今回は二話だけで……そしてあなたが頑張らない≫

恭文「僕メインの話じゃないしね……うん!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「ただその前に一つだけ確認を。あなたとマスターの願いはなんですか、ジャック・ザ・リッパー」


先生の問いかけに少し迷いながらも、ジャックのクリクリとした瞳を細め、小さく呟(つぶや)く。


「……おかあさんの中に、帰ること」

「それでどうするのですか」

「生まれ直す……だからわたしたちは、温かい場所を目指すの。おかあさんは」

「私も……同じよ、ジャック。生きたい、生きたかった……その願いを、あなたが叶(かな)えてくれたの」

「そうですか。……あなたにも、あなたの母親にも、確かに罪があります。あなた方は平穏と幸せを作る上で、他者の犠牲を当然とした」

「どうして、それがいけないの。わたしたちも殺された……たくさん、たくさん殺されて、捨てられた。
ゴミためのような、地獄みたいな場所に捨てられた。なのに」

「だったらお前達は、何で”生まれたい”って思ったの」


奴にぶつける言葉など、これで十分だった。


「そう……その彼女達も生きていくために、あなた達の犠牲を当然とした。……あなたもまた、母親達と同じ殺人者です」

「……ルーラーェ」

「続けさせてあげましょう。ほら、私がいろいろ先んじてしまったので」

「うるさいですよ!」


ルーラーは軽くせき払いした上で、奴にゆっくりと近づく。


◆◆◆◆◆


「あなた方の罪を見過ごすことはできません。ですがその前に……ジャック、あなたの力を借りたいんです」

「……アイツらを殺せってこと?」

「いいえ」


そういうことならと乗り気だったジャックは、ルーラーの首振りで肩すかしを食らう。


「あなた方に求める協力は、ただ一つ。もうこれ以上、無関係な人々を殺さないこと……ただそれだけです」

「え……」

「それは、どうしてかしら。というか、意味が分からないわ。あなた達……それなら何をしたいの?
私達を慰み者にして、恨みを晴らすつもりもない。協力させるつもりもない……殺人鬼である私達を」

「そう、あなた達は殺人鬼です。ですが同時に親子でもある。強制かつ独善的にですが、それでもあなたから我が子を預かった身です。
……なら母親のあなたが知らぬところで、この子を暗殺者として利用することは……決してできません」

「それは、私が許可しても?」

「はい」


あらあら、これは……殺人鬼に対して、余りに優しすぎる扱いだわ。

その意図が読み切れずに面食らうけど。


「とか言っているけど、実際はこれ以上戦場を引っかき回されると面倒だと」

「ルーラーアウトー!」


ルーラーに叩(たた)かれた彼の言葉で、すぐに納得する。というか、ジャック共々一緒に頷(うなず)いてしまう。


「何するの!?」

「ルーラーアウトと言ったはずです! なんでそう言って、台なしにしちゃうんですかぁ!」

「でも打ち合わせでは」

「打ち合わせとか言わない! はい、仕切り直し! 仕切り直しですよー!」

「……おかあさん、この人達……変」

「大丈夫よ、ジャック。本当に変な人はね、もっと表面を取り繕うものだから」

「「ふざけるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!」」


二人はゼーゼーと息を吐きながら、一緒にお茶を飲んで落ち着く。まるで夫婦みたいで笑ってしまった。


◆◆◆◆◆


「マスター、このガンダムアストレイっていうの、刀があるんですね。ロボットなのに不思議ですー」

「レッドフレームだからとも言えるね。百五十メートルの刀を作るとか、それを抱えて振り回せる腕を作るとか……面白い改造も劇中でどんどん出ているし」

「百五十メートル!? それがあれば、空中庭園とか一発じゃないですか!」

「いや……まず誰が振り回すんですか、その刀」


ルーラー、そう言うあなたも、一体何を作っているんですか。いや、ダブルオーライザーとは聞きましたけど。


「それでこの機体は、確か戦争を止めるんですよね」

「そうだよ。人の意識に触れる粒子を広域散布して、戦場全体に意識共有するの」

「平和をもたらす……それがガンダム。ガンダムがここにあれば……くっ」


あってたまるものですか、そんな恐ろしい粒子! というかそれ、第三魔法と似たり寄ったりでは!

ルーラー、本気で望まないでください! 怖いです! さすがに私達、どん引きですから!


――そうして状況の異様さにただただ混乱していると。


『できたー!』

「おかあさん、できたよー」

「えぇ。やったわね、ジャック」


アサシン組は熊っぽいプラモ≪ベアッガイ≫

ケイローンは三頭身の武者≪二代目将頑駄無≫

アストルフォは銀色の甲冑(かっちゅう)を纏(まと)った≪ナイトガンダム≫


……戦争のアニメとは聞いていましたけど、随分可愛(かわい)らしいですね。

桜セイバーのレッドフレームや、ルーラーのダブルオーはまだ分かりますけど。


「うんうん、初めてなのによくできてるよ。……やっぱナイフの扱いは僕以上か」

≪あなたはちょくちょくパーツに傷を入れますからねぇ≫

「うっさいし!」

「でもこれ、作るだけじゃなくて動かせるんだよね」

「ベースがあればね。とはいえトゥリファスにそれらしいおもちゃ屋は」

「あるぞ」


そこでゴルドおじ様が、ホムンクルス達を伴いながら登場。少し困り気味に出してきたのは……ヘックス型の大型機械。

合計七基のそれを……パイプラインも丸だしなそれを、ホムンクルス達は次々と運んでくる。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「なぜこうなったか……それはやっぱり本編を見て頂くことにして」

古鉄≪やっぱりとまとのジャンヌさんは、若干ポンコツでお送りします≫

ジャンヌ(Fate)「誰がポンコツですかー!」


(聖女降臨……なお本日は正装です)


ジャンヌ(Fate)「マスター、やっぱり私……もっと大胆な格好がよかったのでしょうか」

恭文「いきなり何!?」

ジャンヌ(Fate)「だって……英霊正装、迷いなくネロを選んで。私は選択肢にすら入らなくて」

恭文「そ、そんなことない! ジャンヌも大人っぽくて素敵だよ!」

ジャンヌ(Fate)「むぅ……」


(本日の聖女様はご機嫌斜めです)


ジャンヌ(Fate)「こうなればやっぱりバトルです! また闘技場でドンパチですよ!
それで改めて、マスターを私のものにするんです!」

恭文「なんでだー! というかおのれ、宝具強化したよね! さすがにスタンなしはキツいよ!?」

古鉄≪大丈夫でしょ。そもそも召喚されていませんから、幕間での強化なんて≫

恭文「しー!」

ジャンヌ(Fate)「……そうです! 私はマスターに召喚されたいんです! だからバトルなんです!」

恭文「落ち着けー!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「明日の昼、トゥリファスから首都ブカレストに向かいます。そこで飛行機に乗り換えて『虚栄の空中庭園』に空襲を仕掛けます」

「……姉さん、空襲ってのは空から地上への襲撃だから、厳密に言うと違う」

「む……ど、どっちだっていいんです! カウレス、あなたもきちんと準備を整えなさい」

「フィオレは可愛(かわい)いなぁー」

「あなたもほほ笑まないでください! 準備! 準備ですよ!? 私と準備ですから!」


くぅ、絶対からかわれてる! アーチャーも笑わないでください! 私は当主代行……しっかりしなきゃ駄目なんです!


「で、結局空から行くのか? 普通に」

「いろいろ考えましたけど、迎撃されないのは不可能。なら一番安上がりな方法で、できうるだけの偽装を施して言った方が効率的です」

「はいはーい! 飛行機! 飛行機ならボクが操縦できます! 騎乗スキルA+だし!」


一応説明しておきましょう。ライダーや一部セイバーが保有する騎乗スキルというのは、乗り物への適正を示すもの。
しかもそれは、現代の乗り物……車やバイク、飛行機などにも及ぶそうで。

過去の亜種聖杯戦争では、セイバーでありながら大型バイクを乗り回し、無双した騎士もいたとか。


◆◆◆◆◆


「姉さん、俺も」


そう言い出すことは分かっていたので、右手でカウレスを制する。


「カウレス、あなたは残りなさい。私に何かあった場合、フォルヴェッジの後継者はあなたです……危険な目には遭わせられません」

「それは駄目だ」


……その力強い返答に、つい冷たい視線を送る。でもカウレスは引かない……全く止まらない。

ふだんなら私が、魔術師として睨(にら)みを利かせれば引いてくれるのに。でも同時に確信する。

カウレスにもきちんとした考えがあると。この件についてはまた話した方がいい。


「……この件は後で話しましょう」

「でも飛行機……飛行機、飛行機」


私達のせいで漂う気まずさを、ルーラーは小首を傾(かし)げながら払ってくれる。


「速度は問題ないと思いますが、接近すればいい的になるのでは。それにヤスフミは天草四郎と対峙(たいじ)するまでは」

「もちろんです」

「大丈夫! いざとなればきっと来てくれるさ! テッキイッセンマンが!」


え……! そ、それはもしかして……あ、そうか! 確かアストルフォは……慌ててセレニケ姉様を見ると、『その通り』と困り顔で頷(うなず)いてくる。


「……結局彼の正体も未(いま)だに不明ですしね。一体何者なんでしょうか」

【ジャンヌ様……やっぱり】

「ですがあの能力は本物です。もしあの人物が加勢してくれるのなら、確かに心強いですが」


ルーラー、あなたもでしたね……ゴルドおじ様もさすがにあり得ないと、脂汗を垂らし始めた。


「マスター、ツッコミは任せました」

「そうだな。姉さんならやってくれる」

「頑張るのよ、フィオレ」

「あなた方も頑張ってくれませんか……!? というかヤスフミ」

「……大丈夫。来てくれるよ……そう、テッキイッセンマンは必ず」

「来てくれませんよ?」


なので二人を励ますように……他人(たにん)事のように言い出したヤスフミには、笑顔で釘(くぎ)を刺しておく。


「出番は終了です。もう出ません。だからアテにしないように……いいですね」

「「え……」」


……ヤスフミ、そんな……捨てられた子犬みたいな目をしないでください。いや、当たり前ですよ……当たり前ですからね!?

あなたは戦っちゃ駄目なのに、テッキイッセンマンが出てきたらおかしいでしょ!? 結局消耗するでしょ!? 意味がないでしょ!


◆◆◆◆◆


「では、こういうのはどうでしょう」


そこでルーラーが挙手。


「我々が乗るものとは、別の飛行機を用意。そこには聖別した爆薬を搭載し、それを高高度から庭園目がけて墜落させるというのは」

「だ、大胆……ですね……」

「それだ! さすがはジャンヌ!」

≪やっぱり派手にお礼をしないと楽しめませんよね。散々舐(な)めた真似(まね)をしてくれましたし≫


……なんてお似合いの夫婦だろう。いや、ルーラーもジャンヌ・ダルクとして戦場を駆け抜けているし、これくらいは……とは思うんだけど。


「とはいえ空中庭園は自立移動する上、”赤”のアサシンも遭わせて随一の神秘を誇っています。聖別下とはいえ、ただの爆薬でどこまで通じるか……」

「そうとも言えないわよ? 坊や達のプロトンサンダーは通用した……つまり、物理的破砕自体は通用するってことよ」

「えぇ。そもそも多少損壊させておかなければ、潜入すら不可能……前回とは状況も違いますし」

「なるほど、確かに……」


単なる破砕は通用しないとしても、それこそ原子レベルの干渉であれば、か。

ただヤスフミはやっぱり動かせない。同じことをやるとしても、やっぱり内部から……それも四発まで。

それならば私の後押しで何とかできるはずです。さしたる消耗もなく、余裕で賄えるかと。


……つまり、やっぱり一手が足りない……ううん、どうすれば。


「飛行機ではなくて戦略爆撃機……ううむ、いずれにせよ破壊力のある武器が必要なのですが。
ミサイル、バンカーバスター……いえ、不遜な名称ですがいっそ『神の杖(つえ)』辺りを」

「ちょっとぉ!?」

「何考えてんだこの聖女!」

「世界を終わらせる気か……!」


神の杖(つえ)? なんでしょう……そんな、凄(すご)い武器が。


「……フィオレ、神の杖(つえ)ってのは宇宙兵器の一種でね」


すると私の脇に寄って、ヤスフミが呆(あき)れ気味に補足してくれる。なお呆(あき)れているのは私ではなく……ジャンヌの方で。


「巨大な金属棒を高度千キロの定期道場からぶっ放して、攻撃するってものなの」

≪落下中の速度はマッハ九.五。破壊力は核爆弾にも匹敵する上、地下数百メートルの目標物を破壊可能だそうで≫

「なんですか、その終末兵器!」

「でも宇宙条約によってそういう兵器自体を禁止している上、開発も噂(うわさ)が流れているだけ。
しかも物理的に無理な点も多数存在していてね。そもそも実現化が不可能とも言われていて」

「……だったらこの方、なぜその名前を」

「え……作られていないんですか!? でもレティシアの形態で調べたところ、ネットでは」

「……ネットにはね、嘘も多いの」


するとルーラーは、携帯を持ってがく然。……本当に何なんですか、この聖女はぁ! 幾ら何でも現世に染まりすぎじゃありませんか!?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「そうだった……! ジャンヌ、携帯経由でネット検索して、いろいろ間違った知識を導入しまくって!」

ジャンヌ(Fate)「そ、それはマスターも悪いと思います! ヘルシングとか、ドリフターズとか教えるから!」

恭文「それでも偏りありすぎでしょ!」


(こうして聖女様は、今日も元気に生きています)


恭文「でも、テッキイッセンマンが助けに来ないなんて……どういうことなんだ!」

ジャンヌ(Fate)「そ、そうです! もしや何か、重大な事件が同時に起こっているのでは……」

古鉄≪……一応補足しておきましょう。ジャンヌさんはテッキイッセンマンの正体に『全く』気づいていません≫


(なおレティシアや桜セイバーは気づきました)


恭文「大丈夫、来てくれるよ……あのテッキの星に願えば」

ジャンヌ(Fate)「はい! マスター!」

古鉄≪その結果このような茶番が続いていますが、まぁ気にしないでください≫

フェイト「気になると思うよ!? というかヤスフミー! またテッキイッセンマンがニュースになってたんだけど!」


(今度は暴走族に説教をかまし、その帰りに迷子のインコを助けたそうです。
本日のED:北沢志保(CV:雨宮天)『テッキイッセンマンのうた』)



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