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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第7巻経過報告:02(サンプルあり)(2017/7/27)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第7巻『人として』



古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第7巻の経過報告。今度は書き下ろしの方となります≫

恭文「こっちでも楽しく遊ぶぞー。ドンパチだドンパチ!」

古鉄≪アプリスク編は私の出番、ありませんけどね≫

恭文「……それについては、その……ごめん」


(蒼い古き鉄、そこは素直に謝る)


古鉄≪というわけで、まずはアプリスク編からです。どうぞー≫



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


奴が右手に片刃剣を、左手にバックラーを装備したところで、ゴングが鳴る。


まずは僕が先陣を切り、鋭く抜刀。振り下ろされる唐竹一閃と正面衝突――!

――刃が交差すると、お互いに止まらず八合の撃ち合い。

そこから刺突・右薙・唐竹と斬りつけるも、刃は奴の表面を掠めるだけ。


衝撃でよろめくこともなく、ダメージ表示などもなく、躊躇いのない反撃の刺突。

それを伏せて避け、飛び上がりながら返す刃の逆袈裟一線を回避。

そのまま顔面に左足で蹴りを叩き込むも、やはり奴は踏ん張って耐える。


すかさず零距離でもう一度顔面を蹴り飛ばし、身を翻しながら着地。

ただしその距離は一メートル程度。僕を振り払うような斬撃をすれすれで回避し、再度踏み込み刺突。

……と思わせて≪桜吹雪≫は頭上に投てき。バックラーで防御された瞬間、その縁を掴んで引き寄せながらのヘッドバッド。


顔面を殴打した上で右足を上から踏み、更に振るわれる刃……それを持つ右腕を左掌底で払いのける。

確かにダメージや衝撃は無効化する。しかし人間の形を取っている以上、バランスというものが存在する。

そのバランスを崩すように……想定外の力を下から加えれば、奴は独りでに一回転。


◆◆◆◆◆


奴は一気に距離を取り、左手にエネルギースフィアを展開。

そのまま右薙に震い、リイン目がけて速度重視の砲撃を放つ。


「リインさん!」


でもそれに当たるリインじゃない。一気に右に飛んで回避したところで、僕も回り込んで……いや、その前に志保が突撃。

刃に炎を纏わせ……って、やっぱり気づいてなかったかぁ!


「志保、駄目だ!」

「はぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


……その瞬間、狼人の瞳が蒼く輝く。

超絶的な反射と速度により、≪バーンブレード≫発動。

志保の斬撃に合わせて一撃たたき込み、そのまま刃を振りきる。


業火の剣閃に焼かれて、志保が地面を転がる。その間に奴のオーラが復活。

忌ま忌ましいと言わんばかりに志保へ踏み込みので、横入りしながらつばぜり合い。


「リイン、説明と回復は任せた!」

「はいです!」


相手の押し込む力を利用し、脇に流す。すぐさま向き直ったところで、股間目がけて三連続の蹴り。


◆◆◆◆◆


動きを止めたところで腹に刺突……またアーマーが解除されたところで、恭文さんは鞘を収めて飛び込む。


――その瞬間、逆袈裟・右薙・唐竹の三連撃。また弾かれるように交差した狼人は、ダメージエフェクトを全身に走らせながら転がる。


「――瞬・極(またたき・きわみ)」


これで……HPは半分! あと少しですー!


「やっぱ蒼凪プロデューサー、強い……!」

「やっさんのスキルは対個人・対物に全振りしてるからなぁ。これくらいはできて当然だ。……で、問題は」

『……ここまできただけのことはある。ならば、こちらも本気を出すしかあるまい』


……狼人は身を震わせながら咆哮。


『警戒レベル、最大――アンプレッシャーシステム発動』


するとその身体から蒼い炎が吹き出し、それが新たな身体となって巨大化。

私達の前には、全長五メートルほどの……巨大な狼が出現した。


「変身しました!」


狼はもう一度咆哮。すると今度は、全方位に新しい壁が露出。一瞬こちらの視界も塞がれるけど、そこだけは透明化。

それは少しずつ……轟音を立てながら、フィールドを阻めるように中央へと迫っていく。


更に上に時計が生まれて……えっと、三分からカウントスタートですか。

……三分!? ま、まさか三分で……あと半分を削り切れと!


「ちょっとちょっと……時間制限付き!? サリエルさん!」

「なお俺達はこっちの制限より、ログアウトの方が早かった……タッチの差でな!」

「言ってる場合!?」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、志保が脱落して……悪い奴じゃなかったのに」

志保「生きてますよ!」

恭文「うお! 出た!」

志保「お化けみたいに言わないでください! というか、核爆弾が足下で爆破しましたよね!
それにアインへリアルの直撃も……それで生きているあなた達の方が、ずっとお化けですから!」

恭文「いや、僕達は運がいいから」

古鉄≪そうですよ。この人はともかく、私は幸運EXですよ?≫

志保「嘘をつかないでください!」


(世間一般では、それを不幸EXと言う……そう確信しているアイドル候補生であった)


恭文「それで短編の方は、ちょうど誕生日も来ていたので李衣菜を軽く掘り下げる感じに」

志保「多田さんが? でもあの人、ロックもわりとにわか」

恭文「そうだね。おのれのプロガーと同じだよ」

志保「ブロガーの亜種みたいに言わないでもらえますか!? いや、確かに出会ったころの私、にわかプロでしたけど!」

恭文「だからこそ、こんな感じに……どうぞ!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


あれは、アプリスクのテストが終わり――みくとの共同生活途中でバレた、私の秘密。


「えー! 李衣菜ちゃん、本当にS+なんだー!」

「凄いじゃない!」

「あ、うん……まぁ、ね。……というかみくー!」

「何か問題にゃ?」

「大ありだよ! ロックな私の、密かな秘密をー!」

「――おはようございます」


すると控え室にプロデューサーが、いつも通り静かな足取りで入ってくる。慌てて立ち上がり、しっかり挨拶。


「おはようございます!」

『おはようございます!』


よし、これで空気は変わった! 仕事モードになって、秘密はそのまま。


「Pくん、聞いて聞いて! 李衣菜ちゃん凄いんだよー!」

「ちょ、莉嘉ちゃん!」

「李衣菜ちゃん、スプラトゥーンでS+なんだってー!」


消え去らないかー! するとプロデューサーは、駆け寄ってきた梨花ちゃんに困り顔。

その事情はすぐ察することができた。プロデューサー自体は、ゲーム関連のこととかさっぱりだから。


「えっと……」


だから……。

極々自然と。


プロデューサーは、私の方を見るわけで。


◆◆◆◆◆


「はい、それよりお仕事だって! プロデューサー、今日は何かな!」

「……多田さん」

「プロデューサー、そんな真面目な顔で……いや、真面目な顔は何時ものことだけど」

「なぜ今まで、隠していたのですか」

「わ、分かってるって! ロックなアイドルを目指しているんだし、ゲームにうつつを抜かすなってことでしょ!? だからしばらく封印してて」

「そうではありません。これは、あなたの仕事を大きく広げる特技≪スキル≫です」

「……………………え?」


プロデューサーは、否定の意味では言っていなかった。
とても真面目な顔で……とても真剣に。


いつも通りに、力強く頷いてくれた。


「あ……そうじゃん! アプリスクの話だって、eスポーツの流れがあるせいだし!」

「それに実際人気があり、大きな大会が開かれているということは……今後も継続する『スポーツジャンル』としての可能性がありますから。
そこで最高レベルのランクを持っているのなら、十分特技として認められることです」

「え……え?」

「自分もあの件から勉強し直してみたのですが」


プロデューサーは戸惑う私を余所に、手帳を取り出しぱらぱらと捲って確認。


「eスポーツ以外にも……例えば最近隆盛を誇っているアプリゲームも含め、ゲーム関連でタレントがPR活動に就くことは珍しくないそうで。
ただここは、我々が経験したような商業的スカウトだけではありません。
”元々プレイしていた・熱心なファンだった”ことから運営に注目され、仕事として舞い込んだ例も」

「え……!」

「というか李衣菜ちゃん、スプラトゥーンをやっているなら知らないの? 声優の青木瑠璃子さん」

「ど、どちら様でしょうかー」

「李衣菜ちゃんと同じ熱狂的コアゲーマーで、スプラトゥーンもやっている人よ。
その関係から最近発売された≪Nintendo Switch≫の説明会とかもお呼ばれして、実際に”よゐこ”の有野さん達と交じってプレイして」

「えぇ――!」


ご、ごめん……それって三月近辺だよね。あの、アイドルになろうって決めて、ゲーム関係のことは封印していたからチェック、してない。

あ、でも待って。そう言えばよゐこの有野さんって、ゲームセンターCXに出演しているよね。

その関係からゲームショーとかのイベントもお呼ばれして……そういうことかぁ!


◆◆◆◆◆


――気づくと私は、蒼凪プロデューサーとはやてさんの協力も得た上で……テストプレイをする羽目になっていて。


「ちょ、李衣菜……これは!」

「マジか!」

「蒼凪さん……八神さんから見て、多田さんは」

「完全にガチ勢――トッププレイヤーの動きですよ!」

「新田さんはどうでしょう」

「全く同じです! というか、あぁ……完全に世界が違う」

「……李衣菜、おのれ……実はバトル実習でも手を抜いていたでしょ」


そして蒼凪プロデューサーが、満面の笑みで威圧。ちょ、待って……それは違う! 実習のときはマジでやってました!

いや、だって……ガンプラを動かして戦うのって、ゲームとはまた違ってさ! だから睨まないでー!


「もちろんピンキリはあるけど、アマチュアでここまでやれるならマジモンやて。李衣菜ちゃん、他には何をやっとったん?」

「えっと……FF14とか、HALOとか」

「ならそっちも見せてくれるかな。うちもちょうど両方のアカウントを持ってるし」

「あ、FF14は私もやっているわ! はやてさん、ご一緒しても」

「えぇよえぇよー!」


小学校から今まで……全てを捧げるようにハマってきた、ゲームの数々を曝し続け。


「あはははははー! やっぱりか! 李衣菜ちゃん、アンタ完全に……廃人やな!」

「えぇ! 認めなさい! 自分を!」

「……今入っているダンジョンは、ボス戦までのルートや出現する敵のパターンを熟知していないと、クリアが難しいものです」

「ですが、多田さんは一番前で、スラスラと抜けていたような……それにボスの攻撃も」

「”それくらいやり込んでいる”ってことです」


もう言い逃れはできなかった。しかも、美波さんとはやてさんから羨望の眼差しを受けるのが怖い。

ねぇ、待って。私はピンキリなら下の方だよ? プロゲーマーにも負けるよ? だから、ね……ね!?


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


恭文「というわけで、中の人ネタ。李衣菜のヘッドホンは、FPSなどで音サーチをするために」

志保「本人が泣くのでやめませんか……! というか音サーチって本当にあるんですか!」

恭文「あるのよ。ほら、今だと5.1チャンネルとか、サラウンド環境とかあるでしょ?
あれで立体的に音を捉えられる場合、響いた銃声や足音とかで察知できるのよ」

志保「な、なるほど……そう言われると、ガンプラバトルでも音で動きを察知したことは……あるし」


(まぁ機材もそれなりにちゃんとしないと……ですが)


恭文「実際アニメのSOAIIでもキリトさんがやってたしね。李衣菜ならもう楽勝だよ」

志保「多田さん、凄いです……」

李衣菜「いやいや、誤解だから! これは勘違いだからー!」


(それでは済まないお話です。なお後日談もあって……そちらはまた、別の機会に。
本日のED:藍井エイル『AURORA』)






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