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作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー
幕間リローデッド第2巻経過報告:02(サンプルあり)(2017/2/19)
[TOMATO] とまと幕間リローデッド 第2巻『神を射殺す槍』


古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第2巻の経過報告です。こちらもちゃくちゃくと進んでいます≫

恭文「まずは幕間本編から、どうぞー。……それはそうとあむ」

あむ「うん」

恭文「Nintendo Switch、予約した?」

あむ「したよー! Amazonで在庫が復活してからすぐ!」

恭文「僕も! ゼルダ楽しみー!」

あむ「あたしは1-2-Switch! スプラトゥーンは……少し待たなきゃいけないし」

恭文「ゼルダやろう、ゼルダ」

あむ「家であたしがSwitchを独り占めはできないんだよ……! あみやパパ達もいるから!」

カザリ(SDサイズ)「もう一台買うまでは、パーティゲームでお茶を濁すしかないわけだ」

恭文「だよねー! 僕も似た感じになりそうだよ!」

古鉄≪……家主も子どもも、世知辛いのは変わらずですか≫


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


アーチャーは二本の矢を天穹の弓にてつがえ、空へと向ける。

彼女が狙うのは荒れ地にひしめく敵達ではなく、朧気(おぼろげ)な月光――それにてらわれる夜空。


晩秋の冷え切った風に、彼女の耳と柔らかな髪が揺れる。


――我が弓と矢を持って、太陽神(アポロン)と月女神(アルテミス)の籠を願い奉る――


矢が妖しく輝き出す。


彼女の宝具は弓でもなければ、それで放つ矢でもない。


――この災厄を捧がん――


その二つはあくまでも触媒。

並べ立てるは論理――掲げるは摂理――矢をつがえ、放つという術理そのものが彼女の宝具。


――訴状の矢文(ポイボス・カタストロフェ)!――


空へと放たれた二本の矢……それは輝く軌跡を残しながら、雲を突き抜け消失。


――それは神への訴えだった。



◆◆◆◆◆


腰の剣を抜刀……更に片方の手で、英傑殺しの槍を握り、御者台から飛び上がる。

そうして飛び込む奴らと交差。その一瞬の間に奴らは首を、胴体を断ち切られ、鮮血を命とともに吐き出す。


……余裕の笑みを浮かべるより早く、咄嗟(とっさ)に剣を振るっていた。


肌を突き刺す殺意。それに体が反応し、剣閃は二度走る。

それはホムンクルス達の血を、死体の隙間をくぐり抜け、俺の首筋目がけて飛んだ矢を払いのける。


いや、間に合わなかった……払いのけるには、あと数瞬遅かった。

矢の軌道を変えるので精一杯。鏃(やじり)は俺の二の腕を、首筋を掠(かす)め突き抜ける。


「……!」


あぶね……今のは、本当に反射。攻撃が読めていたわけじゃない。

傷つけられた……これは屈辱? いいや、歓喜だ。


あのときは姿すら拝めなかった、向こうの弓兵様とやり合えるからなぁ……!


血と死体が周囲からまき散らされる中、御者台に着地し、声高らかに叫ぶ。


「”黒”のアーチャーはいずこや! 預けた勝負、取り戻しにきたぞ! 今宵(こよい)は心ゆくまで殺し合おう!」


そうすると返礼の代わりに矢が十射――見えるのであれば、視界がふさがれていなければ、容易(たやす)く全てを落とせる。


「どこだ!」


八の剣閃と二の槍閃によって、空気もろとも矢弾を切り裂き、宿敵の姿を探す。


「”黒”のアーチャー!」

「――君が思っているより近くですよ」


……振り返った瞬間、矢が放たれた。

奴は弓と矢以外の部分を巧みに隠匿しながら、俺の顔面を狙う。

しかも先ほどよりしっかり魔力を込めた分、威力も、速度も速い……!


◆◆◆◆◆


「さぁ、我が国土を踏み荒らす蛮族達よ!」


声高らかに宣言――。


「懲罰の刻(とき)だ! 慈悲と憤怒(ふんぬ)は灼熱(しゃくねつ)の杭(くい)となりて、貴様達を刺し貫く!
そしてこの杭(くい)の群れに限度はなく、事実無根であると絶望し……己の血で喉を潤すがよい!」


大地がかすかに揺れる……竜牙兵達が下を見た瞬間。


――極刑王(カズィクル・ベイ)!――


周囲一帯に細長い杭(くい)が召喚される。

天を突くように伸びるそれは、骨くずどもを次々貫く。荒れ果てた大地に樹木が生まれた。

杭(くい)は細い幹となり、葉と枝は奴らの骨――宝具発動から三秒、五百体の竜牙兵は全滅する。


そんな奴らは一切合切無視し、ただ真っすぐ空中庭園へと向かう。


まぁ、当然のように察知した者達は迎撃してくるわけだが……。


「来たか」


猛烈なスピードで向かってくるのは、弓兵と槍兵……同クラス同士の対決か。

奇妙な愉悦も感じながら、我が杭(くい)を一斉召喚。奴らが失踪する草原に、次々と黒き樹木が生まれゆく。

馬よりも速く駆けていた”赤”のアーチャーだが、その速度は鈍り始める。


さぁ逃げるか……と思っていたら、予想外な行動に出た。
女は眼前に生まれた悔いを掴(つか)み、サルのように絡みつくとこちらに一射。

それは我が前に生まれた杭(くい)が防ぐ……それのみならず、次々放たれた後続の矢達も、全て。


我が宝具を足場とし、鋭く射貫く狩人か。ふ、面白い……此度(こたび)の聖杯大戦、やはり面白い。



◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「いよいよ始まった赤と黒の大闘争。各英霊達が力を振るい、状況は混迷に混迷を極めます」

あむ「……どうするの、これ、種死方式で止められないよね」

恭文「もう無理だから、腹を括るしかない。まぁ”赤”の陣営がブラックなのは確定したし、実力行使もOKだけど」

あむ「でも、英霊達を倒したら聖杯の発動条件が!」

恭文「聖杯が狙いなら、確かに危ないね」

あむ「……どういうこと?」

恭文「その辺りの話は劇中で!」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


ヤスフミはー、馬鹿だー。大馬鹿ものだー。……あれだけ言ったのに、一人で”赤”のランサーと戦うつもりだよ!

いや、確かにアイツをやっておけば、”赤”の戦力は大分削られるけどさ! でもだからってー!


「ヤスフミ……お仕置きって、何がいいでしょう。その、妻ですから……えっと……お、お預けとか」

「……ルーラー、エロい」

「どういう意味ですかー!」

「ああもう、暴れないで! とにかくボク達は偵察!」


愛馬<ヒポグリフ>に乗って、空を飛ぶ……なおヒポグリフとは雄のグリフォンと、雌の馬との間に生まれた雑種。

一応幻馬なんだー。でも嬉(うれ)しいなー、またこうして君に乗れるんだから……っと、今は集中集中。


「ですがライダー、よいのですか」

「いいよ。真名解放さえしなければ」


ヒポグリフを召喚・騎乗する程度なら、魔力消費はそこまでじゃない。でも真名解放した場合、Aランク相当の宝具を全力解放するも同じ。

しかもヒポグリフを展開し続ける限り、魔力消費が……だから真名解放は封印。

自分でも馬鹿だって思う。王様達はもう、ガンガンに暴れているしさ。


でも頭に引っかかるんだ。否応(いやおう)なく吸い尽くされるみんなが……あの子が上げていた、か細い悲鳴が。

だからやりたくない。ならやらない……誰になんと言われようと……!


それに飛行できるのは、ヤスフミを除くとボクだけだもの。一応足に魔力を蓄積して、足場とすることは可能だけどさ。

でもマジセイバーとやらの迎撃を見るに、それは危険過ぎる。なので行って、見てくるだけー!


「それもありますけど、ヤスフミが」

――いいね……僕と桜セイバーが許可を出すまで、絶対に戦場へ近づかないで。特に空中庭園は駄目――

「いいよいいよ。向こうだって勝手しまくりなんだし」

「それは、まぁ……そうなんですが」


……そうは言うものの、実はかなり不安。ヤスフミはやっぱり頭を使う方が得意みたいで。


◆◆◆◆◆


――目の前にいるアイツは、なんだろう。

竜牙兵達が攻撃する様子もないから、敵……間違いなく敵。

でも気になるのは、自分の真名を知っていること。いくらマスターでも、敵にバラすとは思えない。


もちろんユグドミレニアの陣営には、バラす理由がない。

セイバー、ライダーが離脱して、きりきり舞いなわけで。

なら生前に会っていたというコース。ううん、それもない……自分は幻想が幻想として成立しうる、ギリギリの時代に誕生した英霊。


その同時代に生きた人間で、英霊になっている者は本当に少ない。いたとしても自分の生涯では邂逅していない。

なら……とても嫌な予感が思いついて、背筋がぞわっとする。


「あぁ……やはり君は明晰だ」

「ゥ……!?」


男は、私の予測が正しいと言わんばかりに笑う。


「バーサーカーでありながら、ある程度高次の思考回路を保っているとは……何とも近代的な英霊です。
私はあなたをよく知っている、よく理解している――どうです」


男は屈託なく笑いながら、右手を差し出す。


「”赤”のバーサーカー(スパルタクス)のかわりに、こちら側へ来るつもりはありませんか」


……その舐めきった言葉に、警戒をうなり声に載せながら威嚇。男は手を下げた。


◆◆◆◆◆


さすがに知識が足りませんか。初めて見るかのように……これが必殺兵器であるかのように、殺気混じりの視線をぶつけてくる。

これは概念礼装『黒鍵(こっけん)』。浄化を摂理とし、魔力で編んだ刃を精製・投てき。


簡単に言うと幽霊とかに投げつけ、突き刺して倒す武器。


「もしこちらに付く気がありましたら、いつでも申し出てください」


にこやかにそう告げながら、黒鍵を撃ち放つ。彼女は後ろへ跳ぶも、黒鍵はすくい上げるように進撃。

そして距離が一メートルと迫ったところで、メイスが重苦しく振るわれ、黒鍵を次々払う。


バーサーカーは着地してから、前方へと真っ直ぐに突き進む。

更に四本放つも、それは容易く払われてしまう。


「さすが……」


やはり正面から、芸もなく放っては無意味か。ならば芸を見せましょう。


「――告げる<セット>」


その瞬間、黒鍵に仕込んでいた術式が発動。

彼女に払われた刃が全て、虚空で一回転。雷撃の如き鋭さで、彼女の全方位から襲ってくる。


彼女は咄嗟に足を止め、メイスを袈裟・逆袈裟・右薙・逆風に振るい、その全てを尽く撃ち落とす。


「惜しい惜しい……」


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あむ「この神父も十分おかしい……!」

恭文「なお原作にあるシーンなのであしからず。まぁシロウ・コトミネについてはある意味当然と言うか」

あむ「当然?」

恭文「その辺りも今回……明らかにできるといいなぁ」



(なお本編は現在三話まで執筆完了。今回はここまでかなぁ。
本日のED:下川みくに『南風』)




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あきゅろす。
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