作者でも分かるとまと同人誌情報コーナー 幕間リローデッド第1巻経過報告:01(サンプルあり)(2017/1/29) 古鉄≪というわけで、幕間リローデッド第一巻が登録完了。明日(2017/01/30)販売開始されます。みなさま、なにとぞよろしくお願いします≫ (よろしくお願いします。 なおこちら、事前告知していたとおり仕切り直し――実質幕間第51巻となっております) 古鉄≪今回は幕間四話、ディケイドクロス三話、特別書き下ろし二話編成となっております≫ 恭文「……作者が何か忘れているって顔をしている。それはきっとクライマックス刑事リターンズだろう」 (幕間を頑張ろうと思って、頑張りすぎた……! あ! 幕間本編で『ここまでのあらすじ』的なの、入れるのも忘れてた!) 恭文「後日修正版とか言って、追加しようか」 (うん……!) 古鉄≪相変わらず作者はアホですが、その分全力投球。まずは幕間本編からどうぞ≫ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ジャック・ザ・リッパーの正体――それは、星梨花よりも年下の女の子。 その衝撃はとんでもなく巨大で、私達を打ち据える。 「ど、どういうことや! 連続殺人鬼が……星梨花より年下の女の子ぉ!?」 「そのときはもう、本当にさっぱり。……ただね、全てのサーヴァントが生前と同じ姿をしているわけじゃない」 「あ……そうか! ヴラド三世ですよね!」 可奈の言いたいことはすぐに分かった。そもそもヴラド三世は、吸血鬼ドラキュラとしてのイメージも付与されている様子。 ようは死後付け加えられたイメージで変化する場合もある……でも、それで女の子!? 「ジャック・ザ・リッパーって、少女説はあったかなぁ。私が見た限りでは」 「……百合子さん、覚えがないようなんですけど」 「あとは桜セイバー――沖田総司も」 「セイバーさんも? でもわたしも、沖田総司さんが女性だなんて聞いたことは」 「桜セイバーの場合はまた違うの。……スキル:病弱と、天才的剣技」 『……あぁ……』 なるほど……沖田総司というと、私の中だとその二つが必ず入る。 新選組の中でも飛び抜けた天才剣士で、でも不治の病で離脱して――。 というか、今描かれている新選組絡みのほとんどは、どこかしらにそういう要素があるような。 ◆◆◆◆◆ 前回のあらすじ――”黒”のアサシンを追い詰めたと思ったら、”黒”のアーチャー&マスターが横やりを入れてきました。 なので一旦退避。アイツらをボコりたいのは山々だけど、これでも僕達はルーラー陣営。 一応戦いを回避するそぶりくらいは見せないと……! 「あの馬鹿どもが……!」 「ほんとごめんー! というかもしかしなくても、ボクのせい!?」 ≪そうとも言えませんよ。流れから見るに、”黒”のアサシンはルーマニアの外で呼び出された。なら、一応でも触媒としての……む≫ ヤバいヤバいヤバいヤバい! あれは絶対に放置しちゃ駄目な奴だ! フォン・レイメイやアイアンサイズが生やさしく見える! あれは殺すというより、引きずり込む……そういう類いの呪(のろ)いだ! それと相性がいいマスターとしたら、やっぱり。 ≪あなた達、ジャック・ザ・リッパーの顔とか覚えてます?≫ 「はぁ!? 何を言ってるのよ! そんなの……」 そこでアルトの言いたいことが分かり、がく然とする。ちょっとちょっと、どうしたのよ、”これ”は……! ◆◆◆◆◆ 類いまれなる直感力と、経験に裏打ちされた読み……とんでもない精度ですね。 一体彼は、今までどんな相手と戦ってきたのか。興味は尽きないところですが、再び矢を接(つ)ぐ。 しかし、そこで蒼い歪(ゆが)みが展開――私の矢と弓を奪い去ってしまう。 しかし目の前にいる彼が、それを持っている様子はない。なるほど……これは。 弓兵足る私が弓を奪われ、剣士に肉弾戦を挑まれる。本来であれば死は決定でしょう。 普通の人間ならともかく、彼はその普通じゃない。あの刃をただ受けるのも愚策……であれば。 「全く……」 地面を踏み砕き、そこにエネルギーを集中――疑似的な魔力放出として、”彼”は加速。 ”黒”のバーサーカーがやっていたこと、その真似(まね)と言うべきか。本当に末恐ろしい。 そう重いながらも、彼は鋭い剣閃をこちらに浴びせてくる。 唐竹(からたけ)に振るわれた一閃……そこへ中腰で飛び込む。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 恭文「というわけで、”黒”のアーチャー組と戦闘開始……畜生めぇ!」 古鉄≪まぁ逃げてもよかったんですけど、この人の血の気が多いもので≫ 恭文「違う! 僕は平和主義者だ!」 (信じられない様子で見つめる、蒼い古き鉄の関係者達) 恭文「……右の頬を殴られたら、相手の両頬を乱打しろ!」 古鉄≪それは平和主義者の言葉じゃないでしょ。≫ ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ アストルフォ共々、後ろを見やる。 するとそこには、ほほ笑みながらお怒りの……クモ足少女がいた。 背部から伸びた二つの機械足は、少女の背部から伸び、両側の壁に突き立てられていた。 その結果少女は浮遊するように、こっちを見下ろしていて……! 「このアホがぁ!」 「ごめんー!」 「アストルフォ……あなた、何をしているのですか」 「じゃ、僕は……この辺で。あとは若い二人でごゆっくり」 そう言いながら後ずさると、なぜかアストルフォが右腕に抱きついてくる。 「逃げないでよ! マスター!」 「やめろ馬鹿! セレニケさんが敵に回る!」 「もうここまで一緒なら、マスターも同じじゃないかなぁ!」 「同じじゃないよ! 僕を巻き込むなぁ!」 「なるほど……つまり、セレニケ姉様の姿が見えないのは、あなたに倒されたからと」 「倒してない倒してない! むしろ全力で変態中だよ!」 やばぁ……アーチャーの気配も近づいてくる! なのでアストルフォの腕から脱出し、強引に前へと押し出す。 「だからどうぞどうぞ! 僕、無関係なんで! 通りすがりの一般人なんで!」 「ヤスフミがヒドいー!」 「あなたのような一般人がいますかぁ! というか、あなたは何を考えているんですか!?」 「この場で助かることだけだよ!」 「お黙りなさい!」 きゃー! やっぱり僕に敵意全開だったー! というか、やめて……クモは殺すなっておばあちゃん(うろ覚え)の遺言で! ◆◆◆◆◆ ――魔術師の資質は、どれだけ長い時間にあったか――すなわち、歴史に左右される。 魔術師の家系は修めた魔術を、魔術刻印として子孫に受け継ぎ、その血と魔術を色濃くしていく。 古くから魔術を学ぶ貴族ならば、最長で二〇〇〇年を超えるとも言われている。 しかし、時間とともに磨かれ、光を放つ名門もあれば。 摩耗して先細り、没落の憂き目を見る家もある。 例えばあのゴルドのおっちゃん……ムジーク家も、アインツベルンに並ぶ名門だったらしい。 でも魔術師として衰退していた上、長年目立つ業績もなく、魔術協会では高い地位に就くこともできない。 ユグドミレニアはそういう家を取り込み、様々な魔術体系が混濁した家柄でもあった。 それは代を重ね、初代が選んだ魔術系統を極(きわ)めるというやり方を捨てたのと同意義。 ユグドミレニアのミドルネームは全て、過去にそうやって吸収された一族……魔術刻印すら統一していない。 かつて、一族から受け継いだ刻印をそのまま継承し続けている。 それゆえに学ぶ魔術系統も幅広い。 ◆◆◆◆◆ FN Five-seveNを取り出し連射。 音速を突破する弾丸四発は、フィオレの体目がけて直進……スタン弾だけどね! 「――守護の錫腕(ユーピター)、迎撃命令」 でもヘッドショットも絡めた弾丸達は、背後から伸びた腕に掴(つか)まれた。 ……それだけなら驚くことはなかった。問題はその機敏さ。 奴は一瞬……滑らかな動きで退避し、通りに停車していた乗用車の陰へ隠れる。 残り六発は壁や地面を跳弾し、フィオレの回避先を捉える。でもそこで二本の腕はそれぞれが分割。 合計四本となり、うち二本が奴の代理足となって地面に突き刺さる。 その上でもう二本の腕が鋭く動き、弾丸六発をキャッチした。 「わーお、クモっぽいと思ったら、本当にクモだし」 ≪あなたもハーレムするんだから、千手観音の如(ごと)く頑張りましょうよ≫ 「あれは無理だよ!」 「――戦火の鉄槌(マルス)、射撃命令」 更に腕に装甲側面が展開し、光弾が重機関銃の如(ごと)く乱射。咄嗟(とっさ)に左へ走って退避すると、石畳を派手に壊していく。 しかもそれらはホーミング……切り払うのも面倒なので、ブレイクハウト発動。 地面への物質操作で壁を展開し。 「――起動(イグニッション)」 魔術回路を起動――イメージするのは、鎖をかみ砕く獣の姿。 そう、修羅モードと同じくだ。こっちの方が僕には合っていた。 ふだん使う魔法とは違う形で、全身に魔力がみなぎる。その上で壁に手を当て、強化魔術発動。 蒼色の回路図<サーキットマップ>が壁一面に刻まれ、存在そのものを強化。 無論物質変換による材質変化も加味し、その力を十二分に引き出す形だ。 悲しいかな、僕はやっぱり出力や魔力総量では勝てない。だからその分精度と効率に重きを向く。 強化魔術一つとっても、その物質の在り方を分子レベルで理解すれば……これが僕なりの、効率の稼ぎ方。 だから物質と魔術が折り重なり、輝く壁は堅牢(けんろう)そのもの。 光のシャワーを尽く受け止め、僕を守る盾となってくれる。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 古鉄≪というわけで、魔術師相手なら魔術も使える……が、いろいろやった結果基礎的なものを中心に≫ 恭文「どうして!?」 古鉄≪魔術に限り砲撃とか、多弾生成とかやったんですが、あなたはミニマムな方が合っていると判断され≫ 恭文「僕もぶっ放したかったのにー!」 (大丈夫。古き鉄にはとールガンがある) 恭文「こんなシーンも書いてたのに!」 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ こちらの”サーチ”に引っかかったケイローンに、右人差し指を向ける。 奴はフィオレを受け止めようと、既に飛び降りていた。 ……右人差し指を奴に向け、魔力を集束。 魔術刻印なんて上等なものはないから、術式は一から十までリアルタイムセッティング。 でも高速詠唱なら問題ない。……ある”魔法使い”の魔術を見て、真似(まね)て、構築したものだから。 放つは魔弾……魔弾もどき。魔力を最効率で運用し、最大火力と手数で放つ必殺の一撃。 「装填<リロード>」 全身の魔力回路を――神経に似たラインを、一秒未満で走り抜ける魔力。 それが一瞬で凝縮され、指先に蒼い輝きを生み出す。 くみ上げる術式は、魔力という力を得て”力あるもの”へと変質。 更にまた別の術式をかみ合わせ、多面的な層を構築。 それを示すように、指の中程に環状魔力が展開。 射角設定、発動タイミング……よし。 魔弾形式<ツアープラン>、流星迫撃セッティング完了。 「照準<ガンロック>」 奴がフィオレと接触するまで、あと三秒。回避は許さない。援護も許さない。 そんな意志を込め、どこまでもミニマムに……小さく、濃密に研ぎ澄まされた弾丸は、穿(うが)つべき敵に狙いを定め。 「発砲<ファイア>――」 トリガーを引き、蒼い魔弾を放つ。 本来ならサーヴァントであり、神性を持つケイローンには通用するはずもない一撃。 それほどに人間とサーヴァントには開きがある。奴らを倒すなら、魔術以外の異能が必要だ。 それは分かっている……それは、別にいいのよ。 大事なのはこの攻撃が奴に当たること。 当てられること。 当たった結果を、奴に突きつけること。 それはケイローンの喉元に、僕の刃が近づけるという……その証明になり得ること。 だから魔弾もどきは、更に姿を変える。 流星となれ――術式第一層、解放! ◆◆◆◆◆ マスターの豪腕が車を引き裂いた瞬間、それが腕もろとも塵に還(かえ)る。 結果壁へと突撃するマスターを、フォローするため飛び降りた……が、違和感に気づく。 空気そのものに……音楽で震える空気そのものに、微量な魔力が走っている。 「これは」 気づいた途端、彼から蒼い魔力弾が放たれる。 本来ならば回避の必要もない攻撃だ。幾ら何でもあれで傷つけられるとは……だが、当たればフィオレへの援護は確実に遅れるだろう。 それが狙いなのはすぐ理解できた。だからこそ身を翻し、弾丸をやり過ごす。 服や髪を掠(かす)め、すれすれで通り過ぎる魔弾。これで問題は……大ありだった。 「拡散<ブレイク>」 魔弾は私へ進みながら、突如拡散。 「流星迫撃<コメットフレア>!」 まるで流星雨のように私に……そしてフィオレに降り注ぐ。 夜闇のように煌(きら)めく蒼い星は、回避が許されるものではなかった。 咄嗟(とっさ)に両腕でガードし、数十発の光弾を受け、壁に叩(たた)きつけられる。外壁を砕き、見知らぬ部屋を転がり、私は止まってしまった。 無論ダメージはない。私は……だが、フィオレは。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 古鉄≪なお、上記の物はカットシーンとなります。本編には収録されておりませんので、あしからず≫ (ボツ理由:書くだけ書いたけど、砲撃とかはいいかなって) 古鉄≪なお下調べなども込みで丸一日を費やし、無駄にした模様≫ (それさえなければ……!) 恭文「やだやだやだー! これがいいー! 砲撃撃ちたいー!」 古鉄≪馬鹿ですねぇ。……あなたには、私がいるでしょ?≫ 恭文「あ……うん」 (蒼い古き鉄、バルバトルルプスボディな真・主人公が赤目になったので、否が応でも納得する。 本日のED:喜多村英梨『Birth』) [*前へ][次へ#] [戻る] |